「GENIAC-PRIZE」生成AIの安全性に関わるトライアル審査の受賞者が決定しました
生成AIの安全性確保に向けたリスク探索およびリスク低減技術の開発を促進
経済産業省とNEDOは、NEDO懸賞金活用型プログラム「GENIAC-PRIZE」の3領域の一つである「生成AIの安全性確保に向けたリスク探索及びリスク低減技術の開発」(以下、本事業)においてトライアル審査を行い、本日、67件の応募の中から8件の受賞者を決定しました。
本事業では、社会全体として生成AIにより生じ得るリスクを認識するとともに、リスクを低減する技術開発を促進することで、わが国における生成AI(人工知能)の受容性を高め、生成AIの利活用・社会実装を後押しすることを目的とします。

図 「GENIAC-PRIZE」のロゴマーク(左)と「NEDO Challenge」のロゴマーク(右)
1.NEDO懸賞金活用型プログラムおよび本事業の概要
NEDOは、技術課題や社会課題の解決に資する多様なシーズ・解決策をコンテスト形式による懸賞金型の研究開発方式※1を通じて募り、将来の社会課題解決や新産業創出につながるシーズをいち早く発掘することで、共同研究などの機会創出、シーズの実用化、事業化の促進を狙うNEDO懸賞金活用型プログラム“NEDO Challenge”を立ち上げ、実施しています。
2025年5月に募集を開始した「GENIAC-PRIZE※2」の3領域の一つである本事業では、生成AIの利活用や社会実装の加速を目的とし、生成AIの安全性に関わるリスクを特定すると同時に、当該リスク低減を目的とする技術開発を広く募集します。
トライアル審査では、67件の応募の中から書面審査および応募者によるプロトタイプのデモ実演を通じて、8件の受賞者を決定しました。
2.トライアル審査の受賞者および本審査の予定
(1)トライアル審査の受賞者
本事業では、プロダクトを開発する本審査に先行してプロトタイプの開発を競うトライアル審査を実施しました。トライアル審査では、懸賞広告との合致性、特定したリスクの評価、対策技術(プロトタイプ)の評価、新規性の評価、公共性の評価から受賞者を決定しました。
【トライアル審査の受賞者】

受賞者名 |
受賞内容 |
AquaAge株式会社 |
マルチターン型ジェイルブレイクに対抗するハニーポット型防御LLMの構築 |
IPconnect株式会社 |
生成AIによる著作権リスクを可視化・制御・記録する予防型多層評価システムの開発 |
NTTドコモビジネス株式会社 |
テキスト入出力における包括的リスク対策ガードレール技術「chakoshi」の開発 |
NTT西日本株式会社 |
生成AIにおけるデータの真正性・正当性を保証する保護基盤の構築 |
学校法人帝京大学 |
熟慮停止・依存リスクに対応する多視点型対話AIによる思考促進支援 |
株式会社ChillStack |
AIエージェント経由のRCE(リモートコード実行)リスクに対応する動的検知基盤の構築 |
株式会社RAYVEN |
MCPサーバーの安全性強化とAI権限制御による統合リスク対策 |
国立大学法人筑波大学 |
医療インシデントレポートにおけるハルシネーション防止と因果関係誤認対策技術の開発 |
※五十音順
【懸賞金額】
各500万円
(2)本審査の予定
2026年3月開催予定の表彰式に向けて行われる本審査は、書面審査、プロダクトのテスト結果およびデモ実演を通じて行います。懸賞広告との合致性、特定したリスクの評価、対策技術(プロダクト)の評価、新規性および将来性の評価、公共性の評価から順位を決定します。
なお、本審査の対象は今回のトライアル審査の受賞者に限らず、広く応募者を募集します。
本事業の詳細やスケジュール、応募方法、応募様式などは以下のWebサイトをご確認ください。
GENIAC-PRIZE専用サイト https://geniac-prize.nedo.go.jp/
【注釈】
※1 懸賞金型の研究開発方式
諸外国では、政府や財団が研究開発の目標を掲げて多数の応募者を募り、さまざまなアイデアやアプローチをコンテスト形式により競わせ、開発期間を終えた段階などで、目標水準以上の成果を上げた者のうち上位数者に対して懸賞金を支払う仕組みを採用しています。日本では、同方式の実施例はまだ多くありませんが、懸賞金は民法に定められており、NEDO懸賞金活用型プログラム“NEDO Challenge”でも民法に基づき懸賞金を交付します。
※2 GENIAC-PRIZE
事業名:GENIAC-PRIZE
事業期間:2025年度~
事業概要:GENIAC-PRIZE https://geniac-prize.nedo.go.jp/
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