脱中国で増加が期待されるインドへの『直接投資』
三井住友DSアセットマネジメント株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:猿田隆)は、経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行しております。このたび、マーケットレポート「脱中国で増加が期待されるインドへの『直接投資』」を2022年12月15日に発行いたしましたので、お知らせいたします。
<今日のキーワード>
インドのモディ首相は8月、独立75周年にあわせて演説を行い、25年後までに先進国の仲間入りを目指す決意を表明しました。その中で、外国からの資本を呼び込み、ものづくり国家の実現を目指す「メイク・イン・インディア」構想を推し進めていく姿勢を改めて強調しました。インドが進める外資誘致策に加え、サプライチェーン(供給網)の再構築で脱中国の流れが加速していることから、海外からの『直接投資』が増加しそうです。
【ポイント1】「メイク・イン・インディア」で海外からの『直接投資』が増加
■モディ首相は就任した2014年に「メイク・イン・インディア」を掲げ、新たな雇用の創出や輸出の拡大による貿易赤字の縮小を目指して、製造業の振興に取り組んでいます。インド政府は、GDPに占める製造業の割合を2025年に25%に引き上げる目標を掲げて、破産倒産法の施行や物品・サービス税(GST)の導入など様々なビジネス環境の整備を通じて、海外からの『直接投資』の誘致を促進してきました。
■2020年には、インド国内の生産による売上高増加に応じて補助金を出す生産連動型優遇策(PLI)など画期的政策も導入しました。これにより、例えばエアコン部品の生産を対象とするPLIでは、ダイキンや日本電産などの日系企業も適用企業に選ばれました。インド政府が国内に進出する外資企業に向けて多くの分野を開放し、投資を積極的に誘致したことを受けて、日米欧をはじめとする外資企業がインドへの投資を拡大しています。
■モディ政権の積極的な外資誘致策を受けて、海外からの『直接投資』は着実に増加しており、インド経済の発展に寄与しています。
【ポイント2】脱中国によるサプライチェーン再構築はインドに追い風
■さらに、足元で起きている世界のサプライチェーン再構築の動きがインドへの『直接投資』の追い風となりそうです。米中対立の激化や中国のゼロコロナ政策、ウクライナ情勢によりサプライチェーンが分断され、従前に一体化していた供給網が民主主義と権威主義の国家間で機能不全に陥ったためとする見方もあります。
■こうしたなか、米国は日欧と組んで中国をサプライチェーンから外す動きを強めています。バイデン米政権が5月に日米やインドなど14カ国で新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を創設し、有事の際には半導体などの在庫融通ができる仕組み構築を目指すなど、「脱中国」の流れが加速しているようです。
■各国企業は、サプライチェーンの再編に向けた動きを強めており、新たな投資先や生産拠点の移転先として、特に東南アジアやインドを選択する動きがみられます。報道によれば、米アップルはこれまでiPhoneなどほぼ全製品を中国で生産してきましたが、最新型のiPhone14の生産の一部をインドで行うとのことです。
【今後の展開】海外からの『直接投資』拡大が経済成長に貢献
■モディ首相は、「メイク・イン・インディア」をスローガンに、破産倒産法やGSTの導入のほか、道路や鉄道などのインフラ整備、外資規制の緩和、各種許認可・手続きのオンライン化など多くの改革を進めてビジネス環境を整え、外資を誘致することに成功しました。世界銀行のビジネス環境ランキングによれば、インドは2014年の140位から2020年には62位へ上昇し、大きく改善しています。
■2020年にはPLIを導入するなど、2025年の政府目標の達成を目指して、海外からの『直接投資』を一段と呼び込み、製造業の高度化を図ろうとしています。政府目標の達成にはまだ距離があるものの、モディ政権はその実現に向けて着実に歩を進めているとみられます。
■「メイク・イン・インディア」による製造業の振興の成否は、インドが長期にわたり安定的な高成長を実現出来るかどうかを占うキーと思われます。脱中国の流れが加速するなか、各国企業はサプライチェーンの再編に向けた動きを強めていることから、今後製造業のインドへの移転が進むと想定されます。インドは、生産拠点の更なる誘致により、経済成長を一層加速させることが期待されます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
重要な注意事項
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
【三井住友DSアセットマネジメント株式会社について】
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:
一般社団法人投資信託協会
一般社団法人日本投資顧問業協会
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
インドのモディ首相は8月、独立75周年にあわせて演説を行い、25年後までに先進国の仲間入りを目指す決意を表明しました。その中で、外国からの資本を呼び込み、ものづくり国家の実現を目指す「メイク・イン・インディア」構想を推し進めていく姿勢を改めて強調しました。インドが進める外資誘致策に加え、サプライチェーン(供給網)の再構築で脱中国の流れが加速していることから、海外からの『直接投資』が増加しそうです。
【ポイント1】「メイク・イン・インディア」で海外からの『直接投資』が増加
■モディ首相は就任した2014年に「メイク・イン・インディア」を掲げ、新たな雇用の創出や輸出の拡大による貿易赤字の縮小を目指して、製造業の振興に取り組んでいます。インド政府は、GDPに占める製造業の割合を2025年に25%に引き上げる目標を掲げて、破産倒産法の施行や物品・サービス税(GST)の導入など様々なビジネス環境の整備を通じて、海外からの『直接投資』の誘致を促進してきました。
■2020年には、インド国内の生産による売上高増加に応じて補助金を出す生産連動型優遇策(PLI)など画期的政策も導入しました。これにより、例えばエアコン部品の生産を対象とするPLIでは、ダイキンや日本電産などの日系企業も適用企業に選ばれました。インド政府が国内に進出する外資企業に向けて多くの分野を開放し、投資を積極的に誘致したことを受けて、日米欧をはじめとする外資企業がインドへの投資を拡大しています。
■モディ政権の積極的な外資誘致策を受けて、海外からの『直接投資』は着実に増加しており、インド経済の発展に寄与しています。
【ポイント2】脱中国によるサプライチェーン再構築はインドに追い風
■さらに、足元で起きている世界のサプライチェーン再構築の動きがインドへの『直接投資』の追い風となりそうです。米中対立の激化や中国のゼロコロナ政策、ウクライナ情勢によりサプライチェーンが分断され、従前に一体化していた供給網が民主主義と権威主義の国家間で機能不全に陥ったためとする見方もあります。
■こうしたなか、米国は日欧と組んで中国をサプライチェーンから外す動きを強めています。バイデン米政権が5月に日米やインドなど14カ国で新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を創設し、有事の際には半導体などの在庫融通ができる仕組み構築を目指すなど、「脱中国」の流れが加速しているようです。
■各国企業は、サプライチェーンの再編に向けた動きを強めており、新たな投資先や生産拠点の移転先として、特に東南アジアやインドを選択する動きがみられます。報道によれば、米アップルはこれまでiPhoneなどほぼ全製品を中国で生産してきましたが、最新型のiPhone14の生産の一部をインドで行うとのことです。
【今後の展開】海外からの『直接投資』拡大が経済成長に貢献
■モディ首相は、「メイク・イン・インディア」をスローガンに、破産倒産法やGSTの導入のほか、道路や鉄道などのインフラ整備、外資規制の緩和、各種許認可・手続きのオンライン化など多くの改革を進めてビジネス環境を整え、外資を誘致することに成功しました。世界銀行のビジネス環境ランキングによれば、インドは2014年の140位から2020年には62位へ上昇し、大きく改善しています。
■2020年にはPLIを導入するなど、2025年の政府目標の達成を目指して、海外からの『直接投資』を一段と呼び込み、製造業の高度化を図ろうとしています。政府目標の達成にはまだ距離があるものの、モディ政権はその実現に向けて着実に歩を進めているとみられます。
■「メイク・イン・インディア」による製造業の振興の成否は、インドが長期にわたり安定的な高成長を実現出来るかどうかを占うキーと思われます。脱中国の流れが加速するなか、各国企業はサプライチェーンの再編に向けた動きを強めていることから、今後製造業のインドへの移転が進むと想定されます。インドは、生産拠点の更なる誘致により、経済成長を一層加速させることが期待されます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
重要な注意事項
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
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