NVIDIA、Omniverse プラットフォームの拡張でさらに数百万人のユーザーをメタバースへ導く
Blender の導入、および主要な Adobe 3D アプリとの統合により、あらゆるクリエイターを支援
2021 年 8 月 10 日、カリフォルニア州サンタクララ — SIGGRAPH — NVIDIA は本日、メタバースの基盤を実現する世界初のシミュレーションおよびコラボレーション プラットフォームである NVIDIA Omniverse™ https://www.nvidia.com/ja-jp/omniverse/の大規模な拡張を発表しました。この拡張では新たに Blender や Adobe との統合が実施され、同プラットフォームがさらに数百万人のユーザーに向けて開かれます。
世界有数のオープンソース 3D アニメーション ツール Blender にはこのたび Universal Scene Description (USD) のサポートが追加され、アーティストが Omniverse 制作パイプラインへアクセスすることが可能になります。Adobe は、NVIDIAと共同でSubstance 3D プラグインを開発しており、Substance MaterialのサポートをOmniverse に導入することで、Omniverse とSubstance 3D のユーザーに新たなマテリアル編集機能を提供します。
NVIDIA Omniverse を利用することで、デザイナー、アーティスト、レビュアーは共有された仮想空間で、各種の主要ソフトウェア アプリケーションを使って、どこからでもリアルタイムの共同作業を行えるようになります。現在、SHoP Architects、South Park、Lockheed Martin を含む 500 社以上のプロフェッショナルがこのプラットフォームを評価中です。昨年12 月のオープン ベータ開始以来、Omniverse は 50,000 人以上の個人クリエイターによってダウンロードされています。
NVIDIA の Omniverse 開発プラットフォーム担当バイス プレジデントであるリチャード ケリス (Richard Kerris) は次のように述べています。「NVIDIA Omniverse はメタバースというビジョンを現実にすることで、さまざまな世界をつなぎ合わせます。私たちは個人から大企業に至るまで誰もが他の人と共同作業し、現実世界とまったく同じような見た目、雰囲気、振る舞いを持つすばらしい仮想世界を構築できるよう、開発者、パートナー、お客様からの意見を取り入れながら、この革命的なプラットフォームを進化させています」
メタバースは、没入型でつながりのある共有仮想世界です。そこではアーティストが唯一無二のデジタル シーンを制作し、建築家が美しい建築物を作成し、エンジニアが家庭用の新製品を設計することができます。そうした作品をデジタルの世界で完成させた後は、続いてそれを現実の世界に送り出すことが可能です。
著名作家、コンサルタントであり Jon Peddie Research の創業者でもあるジョン ペディ (Jon Peddie) 氏は次のように述べています。「メタバースについて語っている企業や、過去に語ってきた企業は多数に上りますが、NVIDIAはそれを現に実行に移している数少ない企業の1つです。NVIDIA はあらゆるタイプのデザイナーのニーズをより深く理解し、彼らが利用できるツールの多くを無償で提供しています。NVIDIA の Omniverse プラットフォームは真に協調的でクリエイティブなイノベーションを初めて共通の仮想空間で実現可能とするため、ほぼすべての業界に変革をもたらす可能性を秘めています」
拡大する Omniverse のエコシステム
NVIDIA Omniverse はサポート パートナーのエコシステムが急速に拡大しています。
業界における Omniverse の普及の要因となっているのは、Pixar がオープンソース公開している USD です。USD は Omniverse のコラボレーションおよびシミュレーション プラットフォームの基盤であり、種々のソフトウェア アプリケーションにまたがった大規模なチームが共有の 3D シーンで同時に作業することを可能にしています。このオープンスタンダードの基盤により、ソフトウェア パートナーは USD の導入またはサポート、プラグインの構築、あるいは Omniverse Connector の利用といった複数の方法で、Omniverse への拡張や接続を実現できるようになっています。
Apple、Pixar、NVIDIA は、 高度な物理演算機能をUSDに導入するために協業し、各種のオープン スタンダードを採用して数十億台ものデバイスに 3D ワークフローを提供しています。Blender と NVIDIA は協力して Blender の次回リリースである 3.0 と、同ソフトウェアを使用する数百万人のアーティストに、USD サポートを提供します。
NVIDIAは、Blender 3.0アルファ USDにおいて、USDおよびマテリアル サポートに貢献しており、まもなくクリエイターに提供される予定です。
Blender Foundation の会長であるトン ローセンダール (Ton Roosendaal) 氏は次のように述べています。「Blender への USD の統合に関する NVIDIA の技術的な試みは、オープンソースに対する業界の貢献のあり方として模範的です。USD のおかげで、Blender のアーティストたちはスタジオ パイプラインや Omniverse のようなコラボレーション プラットフォームに対する、高品質のアクセスを得られます」
NVIDIA と Adobe は Omniverse と Substance 3D のユーザーに新たなマテリアル編集機能をもたらす Substance 3D プラグインについて協業を進めています。アーティストやクリエイターは、Substance 3D アセットのプラットフォームから調達したり Substance 3D アプリケーションで作成したりした Substance マテリアルを直接取り扱い、よりシームレスな 3D ワークフローを作り上げられるようになります。
Adobe の 3D およびイマーシブ部門担当バイス プレジデントであるセバスチャン デガイ (Sebastien Deguy) 氏は次のように述べています。「Adobe は 3D デザイナーのオープンかつコネクテッドなコミュニティのために力を注いでいます。業界標準である Substance は、Substance 3D マテリアルへのアクセスを通じ 3D クリエイターを支援することで、Omniverse のエコシステムを強化するでしょう」
NVIDIA Omniverse のエコシステムは今後も拡大を続け、Adobe、Autodesk、Bentley Systems、Blender、Clo Virtual Fashion、Epic Games、Esri、Golaem、Graphisoft、Lightmap、Maxon、McNeel & Associates、Onshape® を有する PTC、Reallusion、Trimble、wrnch Inc. といったソフトウェア企業等が提供する業界の主要なアプリケーションを接続します。
グローバル リーダーが Omniverse を利用
Omniverse を評価中の企業は 500 社以上に上っていますが、その一部の例を以下に紹介します。
Lockheed Martin は Omniverse を利用して森林火災のシミュレーション、予測、抑制を試みています。同社の AI センター オブ エクセレンスは NVIDIA と共同で Cognitive Mission Management というイニシアチブを立ち上げ、緊急対応と火災抑制の取り組みに向けた戦略を開発しています。
Lockheed Martin の AI ソフトウェアおよびシステム担当プリンシパル アーキテクトであるシャシ ブーシャン (Shashi Bhushan) 氏は次のように述べています。「NVIDIA Omniverse と AI を利用した森林火災のシミュレーションは、火災がどの方向にどれだけ速く広がるかを予測したり、風量、湿度、地被植物といった環境的な変数が火災の振る舞いにどう作用するかを調べたりする上で役立ちます。これにより消防チームは対応を改善したり、火災がもたらす被害を軽減したりできるようになります。私たちの最終的な目標は、センサー データとリアルタイム分析を連携させるモデルを開発して、人間によるさまざまなレベルの介入を先導する AI に情報を供給することです」
ニューヨークを拠点とする SHoP Architects はリアルタイムのコラボレーションとビジュアライゼーションのために Omniverse を利用しています。Omniverse のおかげで同社のチームは適切なタスクに適切なソフトウェアを使用し、その結果得られたデータすべてを一カ所にまとめることができます。さらに、データは同プラットフォームを利用してその場所で拡張または展開することもできます。
SHoP Architects のデジタル デザインおよびデリバリー担当アソシエイトであるジェフ ベル (Geof Bell) 氏は次のように述べています。「諸分野にまたがったチーム間で迅速かつ的確な意思決定を行うことは、SHoP の業務プロセスにおいて非常に重視されています。Omniverse があれば、複数のエキスパートからのデータを単一の正式な方法で集約し、それをキュレーションして、適切なタイミングで適切な情報をプレゼンテーションすることが可能です。また、それに高品質なビジュアルを組み合わせ、インテリジェントで感性に訴えるデザインを実現することもできます」
エミー賞を受賞した長寿テレビ アニメ シリーズである South Park は、Omniverseで複数のアーティストがシーンで共同作業を行い、極めて限られた制作時間を最適化するために模索しています。
South Park の CIO である J. J. フランゼン (J. J. Franzen) 氏は次のように述べています。「NVIDIA Omniverse により、当スタジオの複数のアニメーターがひとつのシーンで同時に共同作業を行うことができるようになります。NVIDIA RTX A6000 GPU と Omniverse を利用することで、当スタジオの非凡な才能を持つクリエイターたちは、番組内で一層の波乱を巻き起こすためのチャンスをさらに手に入れられるでしょう」
入手方法と価格
NVIDIA Omniverse Enterprise は現在、アーリーアクセス中です。このプラットフォームはASUS、BOXX Technologies、Dell Technologies、HP、Lenovo、PNY、Supermicro を含む NVIDIA のパートナー ネットワークを通じてサブスクリプション ベースで今年後半に提供される予定です
Omniverse Enterprise の価格に関する情報はこちらhttps://www.nvidia.com/ja-jp/omniverse/enterprise/#faqをご覧ください。
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