日本初※ 木質系構造部材を使用した高層分譲マンション 「プラウド神田駿河台」発表
~森林サイクルの循環を促しCO2削減、自然災害防止に貢献~
※CLT協会調べ(住宅棟において10階を超える木造ハイブリッドの新築分譲マンション実績はなし 2020年1月時点)
【プラウド神田駿河台の特徴】
建物を構成する構造部材として木質系構造部材を使用しています。中層階(2~11階)には、単板積層材(LVL※1)と鉄筋コンクリート造耐震壁を組み合わせた「LVLハイブリッド耐震壁」を、高層階(12~14階)には、直交集成板(CLT※2)を用いた「CLT耐震壁」および耐火集成材「燃エンウッド®」を使用しています。
いずれの部材も表面を耐火被覆材などで覆うことなく木肌を現して使用し、積極的に木構造を住宅のインテリアとして視覚化しています。併せて共用部エントランスの壁や床・住戸内の天井の一部に無垢の杉材を使用し、木の温もりと共にこの建物に暮らすこと自体が環境への貢献になるという高揚感を感じることができるようデザインしています。竹中工務店が新たに開発した「CLT耐震壁」および新築初適用の「LVLハイブリッド耐震壁」はいずれも高耐震性・高生産性を両立しています。パネルが軽量であることに加え、独自の接合機構により木質パネルの加工が少なく、接合のための金物を用いることなく施工が可能です。そのため、生産性の向上によるローコスト化が期待でき、将来的に住宅リフォーム等に伴う木質パネルの交換、再配置も可能とする技術となっています。
構造部材に使用される木材は全て国産材(鹿児県産スギ、山梨県産アカマツ、etc)を使用しています。本プロジェクトを契機に供給量の多い分譲マンションへの国産材の利用を促進し、国産材の需要創出を図ることで森林資源の循環と持続可能な社会づくりに貢献します。
※1 LVL・・・Laminated Veneer Lumberの略。原木をかつら剥きの要領で切削して厚さ2~4mmの単板にし、繊維方向を平行にして積層・接着して作られる木質パネル。
※2 CLT・・・Cross Lamitnated Timberの略。1995年頃からオーストリアを中心として発展してきた新しい構造材で、板の層を各層で互いに直交するように積層接着した木質パネル
【野村不動産グループの取り組み】
野村不動産グループは、事業を通じた社会課題の解決や新しい価値の提供を企業の社会的責任と捉えており、持続可能な街づくりを目指して、脱炭素・循環型社会に向けた不動産開発や、多様な価値観・ライフスタイルのニーズに応えるコミュニティづくりなどを実施しています。
集合住宅での木造の取り組みでは、既に「プラウドシティ伊丹」「プラウドシティ吉祥寺」などの共用棟の一部で採用実績があります。気候変動などの環境課題解決の一助となるだけでなく、居住者が集い、豊かなコミュニティを形成することにも貢献しており、当社グループが目指す持続可能な街づくりにとって大変有用であると認識しております。
プラウド神田駿河台においても、建設に使用した木材を伐採した地域において、社員やお客様、サプライヤーが植林を実施するイベントを予定しており、これにより、循環型社会の実現はもちろん、居住者同士のコミュニティ育成や地域とのつながりづくりにも貢献していきます。
【竹中工務店の取り組み】
竹中工務店は、まちづくりの総合エンジニアリング企業として、多くの社会課題の解決にチャレンジし、新たな価値をもつ「まちづくり」を通して、未来のサステナブル社会を実現していきます。持続可能な森づくりも、その解決すべき社会課題のひとつと捉え、竹中工務店が手掛ける建築物の木造・木質化により、森林資源の循環の構築に貢献します。
これまで中大規模建築の木造化に取り組んだ事例は、おおよそ20件となります。商業施設やオフィスビル、医療施設などがありますが、住宅や宿泊施設では自社施設の「フラッツウッズ木場」や「竹中研修所匠新館」が、その代表事例として挙げられます。これらは建築の大部分の木造化や、最新の木造・防耐火技術を採用しています。
竹中工務店では、お客様の期待に応える建築空間を提供するだけでなく、建築プロジェクトを通じてお客様の社会課題解決をサポートし、社会価値の協創のパートナーの役割を果たします。木造建築プロジェクトでは、国産材利用の提案から適材適所の木材利用、ステークホルダーが集まる場づくりも行います。
【持続可能な社会づくりへの貢献】
野村不動産および竹中工務店は、高層の分譲集合住宅においてこれまで実現し得なかった構造部材への木材利用を推進していくことで、森林資源の活用とCO2の削減、また、お住まいになる方への健康増進にも寄与し、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。
(本プロジェクトにおけるSDGs達成への貢献)
■地球環境への貢献
日本の森林の面積は国土面積の約3分の2に相当し、その約6割を「人工林※」が占めています。また、森林資源の蓄積量は毎年約1億立方メートル程度増加しており、その多くが人工林の成長によるものです(下図参照)。
※人の手により植栽された森林。主に、スギ・ヒノキ・カラマツなどの針葉樹。
それら人工林の多くが成長し、木材として利用可能になっているにもかかわらず、その使用は国内木材需要量(約7,500万立方メートル)の約3割に留まっています。木は成長する段階でより多くCO2を吸収し、酸素を放出しますが、成熟するにつれてCO2の吸収量は減っていきます。(下図の左)成熟した木を切って若い苗木を植えることで森の新陳代謝を促す“森林サイクル”により、日本の山林の活力を取り戻すことが、CO2削減につながり、土砂崩れなどの自然災害の防止にも役立ちます。また、木が吸収したCO2は炭素として木の中に固定されます。建物に木材を使用することは、長期に炭素を固定化することとなり、CO2削減につながります。
齢級別単位面積あたりの年間CO2吸収量
森林サイクル
■健康増進への寄与
内装に木材を用いると、木材の吸放湿作用により湿度がある程度一定に保たれ、過ごしやすい環境づくりが可能となります。匂いや触り心地によるストレス抑制効果、視覚刺激による血圧、心拍など生理面への効果、さらには、木材のリラックス効果により、睡眠の質が向上し、日中の知的生産性が向上する傾向が確認されています。
※上記効果については、すべて「科学的データによる木材・木造建築物のQ&A(林野庁)」より引用
(睡眠の質の向上と知的生産性への効果)
・内装の木質化率によって深睡眠時間が変わる傾向が確認されました。
※1 木質化率0% の部屋と比較して45% の部屋と100% の部屋は、深睡眠時間が有意に長くなる傾向となりました。
・木質化率の異なる部屋での睡眠後、日中の知的生産性が変わる傾向が確認されました。
※2 木質化率0% ケースと比較して45% のケースと100% ケースではタイピングの作業成績が有意に高い傾向となりました
実験を実施したモデル住宅の部屋と仕様
プラウド神田駿河台 物件概要
・「プラウド神田駿河台」公式ホームページ:https://www.proud-web.jp/mansion/a114530/
・「プラウド神田駿河台」は2020年4月にモデルルームオープン予定
【プラウド神田駿河台 現地案内図】
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像