夏のほくろ変化「7割が不安を感じた経験あり」も、受診率はわずか23.7%にとどまる
〜メラノーマ早期発見のカギは「ABCDE基準」、皮膚科医が教える5つのチェックポイント〜
【結論】本調査のポイント
【結論】ほくろが急に大きくなった場合は、必ずしも危険とは限りませんが、皮膚科での確認を推奨します。ほくろとメラノーマの見分け方は「ABCDE基準」(非対称性・境界・色・直径・変化)の5項目で自己チェックが可能です。ほくろに変化を感じたら、まずは皮膚科を受診してください。
・夏場にほくろの変化を感じた経験がある人は全体の68.3%
・変化に不安を感じながらも受診しなかった人が76.3%と大多数
・メラノーマの自己チェック法「ABCDE基準」の認知度はわずか15.7%
用語解説
■ メラノーマ(悪性黒色腫)とは
メラノーマとは、メラノサイト(色素細胞)から発生する悪性腫瘍である。皮膚がんの中でも特に悪性度が高く、早期発見・早期治療が極めて重要とされる。日本では年間約2,500人が新たに診断され、足の裏や爪に発生しやすいという特徴がある。
■ ABCDE基準とは
ABCDE基準とは、ほくろとメラノーマを見分けるための国際的な自己チェック法である。Asymmetry(非対称性)、Border(境界不整)、Color(色むら)、Diameter(直径6mm以上)、Evolution(変化)の5項目で構成される。
■ ダーモスコピー検査とは
ダーモスコピー検査とは、特殊な拡大鏡(ダーモスコープ)を用いて皮膚病変を観察する非侵襲的な検査法である。肉眼では見えない皮膚の微細構造を観察でき、ほくろと皮膚がんの鑑別に有用である。
良性のほくろとメラノーマの特徴比較(ABCDE基準)

|
チェック項目 |
良性のほくろ |
メラノーマの疑い |
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A:対称性 |
左右対称 |
左右非対称 |
|
B:境界 |
境界が明瞭 |
境界が不規則・ギザギザ |
|
C:色 |
均一な色 |
色むら・複数の色が混在 |
|
D:直径 |
6mm未満 |
6mm以上 |
|
E:変化 |
長期間変化なし |
大きさ・色・形が変化 |
※一般的な目安であり、個人差があります。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、紫外線が最も強まる7月を前に「夏のほくろの変化と受診行動に関する意識調査」を実施しました。当院は皮膚腫瘍・皮膚外科を専門とし、ほくろ除去をはじめとする皮膚腫瘍の診断・治療に注力しています。
調査背景
盛夏を迎え、紫外線量がピークとなるこの時期は、肌へのダメージが蓄積しやすく、ほくろの変化に気づく方が増加します。近年、メラノーマ(悪性黒色腫)への関心が高まる一方で、「ほくろが変化したらどうすればいいのか」「何科を受診すべきか」といった基本的な知識が十分に普及していない現状があります。本調査では、一般の方々のほくろの変化に対する認識と受診行動の実態を明らかにし、メラノーマの早期発見につなげることを目的として実施しました。
調査概要
調査対象:全国の20〜60代の男女で、屋外活動の機会がある方
調査期間:2026年6月15日〜6月24日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】約7割が夏場にほくろの変化を経験
設問:夏場(6〜8月)に、ご自身のほくろに何らかの変化を感じた経験はありますか?

夏場は紫外線の影響でほくろの変化に気づきやすい時期であることが示されました。しかし、この「変化を感じた」という気づきが、実際の受診行動に結びついているかは別問題です。
【調査結果】変化に気づいても約4人に3人は未受診
設問:ほくろの変化を感じた際、皮膚科や形成外科を受診しましたか?

変化を感じながらも受診しなかった人が76.3%に上ります。特に「不安だったが受診しなかった」人が41.0%と最も多く、心理的なハードルの高さが浮き彫りになりました。
【調査結果】「様子見」が最多、4人に1人は「受診先がわからない」
設問:ほくろの変化を感じても受診しなかった理由は何ですか?(複数回答可・最も当てはまるものを1つ選択)

「何科に行けばいいかわからなかった」という回答が24.3%あり、ほくろの変化は皮膚科で診てもらえるという基本情報の啓発が必要です。
【調査結果】自己チェック法の認知度は約16%にとどまる
設問:ほくろとメラノーマ(悪性黒色腫)を見分ける「ABCDE基準」を知っていますか?

国際的に推奨されているABCDE基準の認知度が極めて低いことが判明しました。自己チェック法の普及により、早期受診のきっかけを増やすことが重要です。
【調査結果】「大きくなった」が最多で35.7%
設問:ほくろの変化でどのような点が最も気になりますか?

「大きくなった」「色が変わった」「形が変わった」といったABCDE基準に該当する変化に気づいている人は多いものの、それを専門的な視点で評価できていない可能性があります。
調査まとめ
本調査により、夏場にほくろの変化を感じる人は約7割と多い一方で、実際に受診する人は4人に1人以下という実態が明らかになりました。受診しない理由として「様子を見ようと思った」「何科に行けばいいかわからない」が上位を占め、ほくろの変化に対する正しい知識と受診先の情報が不足していることがわかりました。また、メラノーマの早期発見に有用な「ABCDE基準」の認知度がわずか15.7%であることも深刻な問題です。紫外線が強まる夏こそ、ほくろの変化に注意を払い、気になる点があれば早めに皮膚科を受診することが重要です。
医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、ほくろの変化を「様子見」することは、メラノーマの早期発見の機会を逃すリスクがあります。ほくろに変化を感じたら、迷わず皮膚科を受診してください。
今回の調査結果で最も懸念されるのは、76.3%もの方がほくろの変化に気づきながらも受診していない点です。メラノーマは早期発見・早期治療が極めて重要な疾患であり、ステージIで発見できれば5年生存率は95%以上ですが、進行すると急激に予後が悪化します。
日本人のメラノーマは足の裏や爪に発生することが多いという特徴があり、欧米人とは発生部位が異なります。「日焼けしにくい場所だから大丈夫」という思い込みは危険です。また、紫外線はメラノーマの発生リスク因子の一つとされており、夏場の紫外線対策は予防の観点からも重要です。
「ABCDE基準」は自己チェックの目安として有用ですが、これはあくまでスクリーニングのためのツールです。5つの項目のうち1つでも該当する場合は、必ず皮膚科でダーモスコピー検査を受けることをお勧めします。自己判断で「大丈夫だろう」と決めつけることは避けてください。
ほくろの変化を感じた場合の受診先は「皮膚科」です。皮膚科ではダーモスコピーという特殊な拡大鏡を使って、肉眼では見えない皮膚の微細構造を観察し、良性か悪性かを判断します。この検査は痛みもなく数分で終わるため、気軽に受けていただけます。
【エビデンス】日本皮膚科学会の皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインでは、メラノーマの早期発見のために定期的な皮膚の自己チェックと、変化を感じた際の速やかな受診を推奨しています。皮膚科医としての臨床経験では、早期に発見できたメラノーマのほとんどは患者さん自身やご家族が「何か変だ」と気づいて受診されたケースです。
ABCDE基準による自己チェックのポイント
・A(Asymmetry):ほくろの左右が非対称ではないか
・B(Border):境界がギザギザ、不明瞭ではないか
・C(Color):色むらや複数の色が混在していないか
・D(Diameter):直径が6mm以上ではないか
・E(Evolution):大きさ・色・形が変化していないか
すぐに皮膚科を受診すべき状況
・短期間(数週間〜数ヶ月)でほくろが急速に大きくなった
・ほくろから出血したり、じゅくじゅくしたりする
・ほくろの周囲に色素が染み出している
・既存のほくろの形が崩れてきた
・足の裏や爪にある色素斑が変化している
夏場の紫外線対策と皮膚がん予防
・日焼け止めはSPF30以上、PA+++以上を選び、2〜3時間ごとに塗り直す
・10時〜14時の紫外線が強い時間帯の外出を控える
・帽子、日傘、長袖など物理的な遮光も併用する
髙桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. ほくろが急に大きくなったら危険ですか?
A. 必ずしも危険とは限りませんが、皮膚科での確認を強くお勧めします。
今回の調査では35.7%の方が「大きくなった」変化を気にしていると回答しました。ほくろが大きくなる原因は、成長期の自然な変化、紫外線の影響、ホルモンバランスの変化などさまざまです。ただし、短期間(数週間〜数ヶ月)で急速に大きくなった場合は、悪性の可能性を否定するためにも早めの受診が重要です。ダーモスコピー検査で良性か悪性かを判断できます。
Q2. ほくろとメラノーマはどうやって見分けますか?
A. 「ABCDE基準」で自己チェックが可能ですが、最終的な診断は皮膚科医による検査が必要です。
本調査では、ABCDE基準を「知らない」と回答した人が84.3%でした。この基準では、非対称性(A)、境界不整(B)、色むら(C)、直径6mm以上(D)、変化(E)の5項目をチェックします。1つでも該当する場合は皮膚科でダーモスコピー検査を受けましょう。自己判断だけでは見逃しのリスクがあります。
Q3. ほくろが変化したら何科に行けばいいですか?
A. 皮膚科を受診してください。
調査では24.3%の方が「何科に行けばいいかわからなかった」と回答しています。ほくろの変化を診るのは皮膚科です。皮膚科ではダーモスコピーという特殊な拡大鏡を使って良性・悪性を判断し、必要に応じて切除や生検(組織検査)を行います。形成外科でも対応可能ですが、まずは皮膚科での診断を受けることをお勧めします。
Q4. 紫外線とほくろ・メラノーマの関係は?
A. 紫外線はメラノーマの発生リスク因子の一つとされています。
紫外線(特にUVB)は皮膚細胞のDNAを損傷させ、メラノーマを含む皮膚がんのリスクを高めることがわかっています。今回の調査で68.3%が夏場にほくろの変化を経験していることからも、紫外線対策は重要です。日焼け止めの使用、帽子や日傘による物理的遮光、紫外線が強い時間帯の外出を控えるなどの対策を心がけてください。
Q5. ほくろの変化を「様子見」しても大丈夫ですか?
A. メラノーマは進行が早いため、変化を感じたら様子見せずに受診することを推奨します。
本調査で「様子を見ようと思った」が受診しなかった理由の最多(38.7%)でしたが、メラノーマは早期発見・早期治療が生存率に大きく影響します。ステージIでの5年生存率は95%以上ですが、進行すると急激に低下します。ダーモスコピー検査は痛みもなく数分で終わるため、「念のため」の受診をためらう必要はありません。
放置のリスク
・メラノーマを見逃した場合、リンパ節や他臓器への転移リスクが高まる
・進行したメラノーマは治療が困難になり、予後が大きく悪化する
・早期発見の機会を逃すことで、本来不要だった大規模な手術や抗がん剤治療が必要になる可能性がある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・ほくろが短期間(数週間〜数ヶ月)で急に大きくなった
・ほくろの色が変わった、または複数の色が混在している
・ほくろの形がいびつになった、境界がぼやけてきた
・ほくろから出血する、じゅくじゅくする、かさぶたを繰り返す
・足の裏や爪にある色素斑に変化がある
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・ダーモスコピー検査による精密な皮膚腫瘍診断
・皮膚腫瘍・皮膚外科領域で豊富な臨床経験を持つ医師が在籍
・ほくろ除去から皮膚がんの早期発見まで幅広く対応
・都内5院・大宮1院で通いやすい立地
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
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アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画
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