小型人工衛星の開発現場での課題を解決 大型装置を必要としない振動耐久試験を実現

ポータブルサイズかつ低コストの試験機器を国内販売開始

東陽テクニカ

株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:高野 俊也(こうの としや)、以下 東陽テクニカ)は、2025年11月5日、The Modal Shop, Inc.(本社:米国・オハイオ州、以下 モーダルショップ社)製の小型人工衛星向け振動耐久試験機器(以下 本ソリューション)の国内販売を開始いたします。                   
本ソリューションは、加振器と小型人工衛星(キューブサット)用試験治具を組み合わせたもので、最大3U(1U(ユニット):10cm×10cm×10cmの立方体)のキューブサットを水平または垂直に取り付けて振動耐久試験を実施できます。持ち運び可能なサイズかつ低コストでありながら、アメリカ航空宇宙局(NASA)の規格に準拠した試験を簡便に実施することが可能です。東陽テクニカは本ソリューションの提供を通じて、キューブサット開発における試験環境の整備を支援し、研究・開発の効率化と宇宙ビジネスのさらなる発展に貢献してまいります。

                                                小型人工衛星(キューブサット)向け振動耐久試験機器

【 背景/概要 】

近年、「キューブサット」とも呼ばれる小型人工衛星の開発が、大学や研究開発法人などの研究機関のみならず、自治体や省庁などにも広がっています。用途や目的に応じて多様な設計・開発が進み、ベンチャー企業の参入も相次いでいます。すでに多数のキューブサットがロケットで打ち上げられ、宇宙空間での任務にあたっています。市場調査会社Global Market Insightsによると、キューブサットの世界市場規模は2025年に5億1,000万米ドル、2034年に17億米ドル規模に達し、年平均14.3%成長すると見込まれています。※1

キューブサットがロケット発射時の激しい振動に耐えるためには、構造設計や素材選定の事前検証が欠かせず、キューブサットの開発現場では、精密な振動耐久試験が求められています。一方で、航空機やロケットなどの試験にも使われる高価かつ大型な加振装置が主流であり、その設置には広いスペースを要します。このため、開発事業者が自社で装置を保有することは難しく、使用時間の制約や、金銭的な負担が課題となっています。

 このような課題を解決するために、モーダルショップ社が開発したのが、本ソリューションです。加振器「K2500E500」とキューブサット用試験治具「Modal-Pod™」を組み合わせ、持ち運びが可能なサイズと低コストを実現しました。さらに、NASAの規格GSFC-STD-7000A※2およびLSP-REQ-317.01※3に準拠した試験を簡便に実施することができます。

※1 出典:Global Market Insights 「CubeSat Market Size, Share & Industry Forecast Report, 2034」

https://www.gminsights.com/industry-analysis/cubesat-market

※2 NASAの宇宙機の環境適合性を検証する試験基準を定めた標準規格。宇宙機の信頼性確保に必須

※3 NASAのキューブサットの打ち上げに関する要求仕様書。試験要件や安全・品質管理の基準を規定

【 主な特長 】

・軽量・小型

加振器本体は重量21.5kg、サイズ368 x 356 x 533 mm(幅、奥行、高さ)。移動や設置場所の選定が容易

・高出力加振性能

2,224N(ニュートン)の正弦波動電式加振器を搭載。サスペンション部分にカーボン複合材を使用し、高い剛性と安定した振動環境を実現

・キューブサット取り付けの効率化

1U~3Uサイズのキューブサットを水平または垂直に固定できる治具を装備。試験準備を大幅に効率化

・NASA規格に準拠した試験に対応

GSFC-STD-7000AおよびLSP-REQ-317.01に準拠した振動試験に対応

【 製品データ 】

・ 製品名:小型人工衛星(キューブサット)向け振動耐久試験機器

・ 販売開始日:2025年11月5日

・ 販売価格:2,000万円~(税抜)

※加振器「K2500E500」単体は1,600万円~(税抜)

※オプションの水平加振テーブル「K2500E500-HT」は500万円~(税抜)

※レンタルも応相談

水平加振テーブル「K2500E500-HT」

<The Modal Shop, Inc.について>

The Modal Shop, Inc.は、1990年米国オハイオ州シンシナティで、高精度センサーの世界的メーカーPCB Piezotronics, Inc.のグループ会社として設立。構造解析”Modal”のための確かなサービスをお客様に提供する”Shop”でありたいというビジョンからThe Modal Shop, Inc.と名付けられました。設立以来、米国シンシナティ大学 構造力学研究所との緊密な関係のもとに研究開発を続けています。主に、構造振動および音響センシングシステム、振動校正システム、モーダルおよび振動加振システムそして非破壊検査システムなどを提供しています。

The Modal Shop, Inc. Webサイト:https://www.modalshop.com/

<株式会社東陽テクニカについて>

東陽テクニカは、最先端の“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、技術革新を推進しています。その事業分野は、脱炭素/エネルギー、先進モビリティ、情報通信、EMC、ソフトウェア開発、防衛、情報セキュリティ、ライフサイエンスなど多岐にわたり、クリーンエネルギーや自動運転の開発などトレンド分野への最新計測ソリューションの提供や、独自の計測技術を生かした自社製品開発にも注力しています。新規事業投資やM&Aによる成長戦略のもと国内外事業を拡大し、安全で環境にやさしい社会づくりと産業界の発展に貢献してまいります。

株式会社東陽テクニカ Webサイト:https://www.toyo.co.jp/

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会社概要

株式会社東陽テクニカ

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URL
https://www.toyo.co.jp/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都中央区八重洲1-1-6
電話番号
03-3279-0771
代表者名
高野俊也
上場
東証プライム
資本金
41億5800万円
設立
1953年09月