「受配電設備向けスマート保安サービス」発売開始

受配電設備の遠隔常時監視により、保安業務の効率化に貢献

三菱電機株式会社

 三菱電機株式会社は、受配電設備を遠隔監視し、取得したデータを活用することで保安業務を効率化する「受配電設備向けスマート保安サービス」を4月1日に発売します。当社製受配電設備のうち高圧配電盤(※1)を対象にサービスを開始し、工場やビルにおける保安業務の効率化に貢献します。

 電気設備保守の現場では、電気保安人材の不足や、再生可能エネルギー設備の増加への対応、更新推奨時期を超過した設備の突発的な故障リスク軽減を目的に、IoTやAIなどの活用によって電気設備を自動で遠隔監視し、異常兆候を検出して事故を未然に防ぐ「スマート保安」の導入が推進されています。

 当社は受配電システム製作所(香川県丸亀市)において、当社製受配電設備を対象に、2024年10月1日から「受配電設備向けスマート保安サービス」の社内実証(※2)を開始し、高圧配電盤にセンサ類を設置して、周囲環境、機器状態および異常兆候の遠隔監視を行い、このたび「受配電設備向けスマート保安サービス」の発売を開始します。

 なお、本サービスは、従来人手に頼っていた点検作業に代えて、遠隔での常時監視による機器の劣化状態や異常兆候の常時把握が可能なため、行政に対し設置者として社内実証の成果をもとに高圧配電盤の定期点検周期延長を申請した結果、1年から最長6年への延長が承認されました。

当社は今後、サービス対象設備を拡充することで、電気設備の高経年化による突発的故障リスク等への対応を強化し、電気保安人材の高齢化による人手不足等の社会問題の解決に貢献します。

「受配電設備向けスマート保安サービス」は、「第6回 脱炭素経営EXPO【春】」(2月19日~21日、於:東京ビッグサイト)に出展します。

■サービスの特長

1.カメラと複合センサによる遠隔監視で保安業務を効率化し、点検頻度削減に貢献

・受配電設備内に設置したカメラで設備内の状態を撮影するとともに、温湿度センサや塵埃センサで設備内の温度や湿度、汚損量データを取得。取得したデータをSCADA(※3)で収集、解析し、パソコンやスマートフォン等の画面に表示することが可能となるため、場所や時間を選ばない遠隔での常時監視を実現

・従来人手で実施していた法定点検や自主点検業務の効率化により、保守現場における点検頻度の削減に貢献

2.取得したデータを常時監視することで異常兆候を抽出し早期に対策、事故の未然防止に貢献

・温湿度センサで取得した設備内外の温度、湿度のデータを常時監視することで結露発生の予兆を検知し、発生前に通知・通知を受けた保守員が受配電設備内のヒーターや除湿器を動作させることで、結露の発生を未然に回避し、地絡や短絡などの事故発生を未然に防止可能

3.劣化診断技術とデータを組み合わせ、計画的かつ適切な頻度で整備や更新が可能

・温度や湿度のほか、ガス、塵埃、音などのさまざまなセンサから得られたデータに対して、当社が持つ「MT 法(※4)による劣化診断技術」などを応用することで、受配電設備の余寿命を診断。計画的かつ適切なタイミングで設備のメンテナンスや更新が可能

■サービスの概要

サービス名称

主な機能

価格

発売開始日

受配電設備向けスマート保安サービス

・遠隔監視

・異常検知

・余寿命診断

個別見積

2025年4月1日

■定期点検周期の延長について

 同製作所での「受配電設備向けスマート保安サービス」の実証結果に基づき、高圧配電盤の定期点検周期を1年から最長6年に延長する保安規程の改定を経済産業省中国四国産業保安監督部へ申請し、承認されました。

 定期点検周期を延長するためには、当社の「受配電設備向けスマート保安サービス」を利用するお客様自身が、所在する地域を管轄する経済産業省の産業保安監督部へ保安規程変更届出書を提出(※5)し、承認を得る必要があります。

■今後の予定・将来展望

 2025年3月には、高圧配電盤に続き当社製特別高圧キュービクル形ガス絶縁開閉装置(※6)にもセンサ類を設置し、周囲環境、機器状態および異常兆候の遠隔監視を開始し、検証結果を確認した後、本サービスの対象製品とします。

 また、受配電システム製作所での実証に続き、現在系統変電システム製作所赤穂工場(兵庫県赤穂市)で実施している他社製高圧配電盤向けスマート保安サービスの実証を継続し、「受配電設備向けスマート保安サービス」の他社製高圧配電盤への適用拡大を目指します。

 さらに、2025年度内にパワーデバイス製作所の新工場棟(熊本県菊池市にて建設中)を加え、3拠点での複数拠点・一括遠隔監視の実証を行います。また、当社製の特別高圧変圧器の定期点検周期延長の実現に向けた実証についても継続します。

 今後、スマート保安のサービス対象を熱や水、空気などの動力系設備に段階的に広げていくことで、工場などの設備運営を最大限効率化するソリューションの開発を行い、カーボンニュートラルの推進と安心・安全な設備運用、経済合理性を満たすエネルギー最適化に取り組みます。将来的には、当社のデジタル基盤「Serendie®」と連携したE&Fソリューション(※7)の創出を目指します。

■商標関連

「Serendie」

三菱電機株式会社の登録商標

「E&Fソリューション」

三菱電機株式会社の登録商標

■三菱電機グループについて

 私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる「トレード・オン」の活動を加速させ、サステナビリティを実現します。また、デジタル基盤「Serendie®」を活用し、お客様から得られたデータをデジタル空間に集約・分析するとともに、グループ内が強くつながり知恵を出し合うことで、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する「循環型 デジタル・エンジニアリング」を推進しています。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、電力システム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、情報システム・サービス、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2023年度の連結売上高は5兆2,579億円でした。詳細は、www.MitsubishiElectric.co.jpをご覧ください。

※1 発電所から供給された電力を設備に適した電圧に変換し、配電する設備

※2 2024年9月26日広報発表 https://www.MitsubishiElectric.co.jp/news/2024/0926-a.html

※3   Supervisory Control And Data Acquisitionの略。工場の生産設備のデータを集約し、一元的に監視・制御するシステム

※4 「マハラノビス・タグチシステム」と呼ばれる、品質工学の多変量解析/パターン認識手法

※5 出典:経済産業省商務情報政策局産業保安グループ電力安全課「自家用電気工作物に係る手続のご案内(令和4年10月))」

https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/files/jikayouannai.pdf

※6   配電・電力変換に関連する開閉機器やその関連部品・構造物を含む電気設備

※7 Energy & Facility(エネルギー & ファシリティ)ソリューションの略称

<お客様からのお問い合わせ先>

三菱電機株式会社 受配電システム製作所

開発戦略プロジェクトグループ 新事業創出グループ

〒763-8516  香川県丸亀市蓬莱町8番地

TEL 0877-24-8023

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会社概要

三菱電機株式会社

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URL
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル
電話番号
03-3218-2111
代表者名
漆間 啓
上場
東証プライム
資本金
1758億2077万円
設立
1921年01月