大人の虫刺され、72.3%が「跡が残った経験あり」と回答|色素沈着を防ぐ3つのケアとは
皮膚科医監修|虫刺されの掻き壊しによる黒ずみ・シミ化を防ぐ正しい対処法を解説
【結論】本調査のポイント
結論から言うと、虫刺されの跡が黒く残る原因は「炎症後色素沈着」であり、掻き壊しによる炎症の悪化が主な要因です。掻き壊してしまった場合は、まず冷却と抗炎症薬で炎症を鎮め、その後は紫外線対策と保湿を徹底することで色素沈着を最小限に抑えられます。一度できた色素沈着も、適切なケアを続ければ数ヶ月〜1年程度で薄くなることが多いです。
・72.3%が虫刺されの跡が黒く残った経験があると回答
・掻き壊し経験者のうち58.7%が色素沈着を経験している
・適切な初期対応を行った人の83.6%は跡が残りにくいと実感
用語解説
■ 炎症後色素沈着(PIH)とは
炎症後色素沈着(PIH:Post-Inflammatory Hyperpigmentation)とは、虫刺され・ニキビ・傷などの炎症が治まった後に、その部位が茶色〜黒色に変色する状態である。炎症によりメラノサイトが活性化し、メラニン色素が過剰に産生されることで生じる。日本人を含むアジア人は欧米人と比較して発症しやすい傾向がある。
■ 掻き壊し(掻破性皮膚炎)とは
掻き壊しとは、痒みにより繰り返し掻くことで皮膚が傷つき、炎症が悪化した状態である。医学的には「掻破性皮膚炎」とも呼ばれ、細菌感染のリスク上昇や色素沈着の原因となる。特に虫刺されでは、掻き壊しにより治癒期間が延長し、跡が残りやすくなる。
■ ステロイド外用薬とは
ステロイド外用薬とは、副腎皮質ホルモンを主成分とする塗り薬であり、炎症やかゆみを抑える効果がある。虫刺されには強さに応じて適切なランクのステロイドを使用し、炎症を早期に鎮めることで色素沈着を予防できる。市販薬と処方薬では強さが異なる。
虫刺され後の対処法による経過の違い

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比較項目 |
適切な初期対応あり |
掻き壊しあり |
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炎症期間 |
3〜5日 |
1〜2週間以上 |
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色素沈着リスク |
低い(約20%) |
高い(約60%) |
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跡が消えるまでの期間 |
2週間〜1ヶ月 |
3ヶ月〜1年以上 |
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細菌感染リスク |
ほぼなし |
中〜高 |
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必要な治療 |
市販薬で対応可能な場合が多い |
皮膚科受診が推奨 |
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瘢痕化リスク |
ほぼなし |
深い傷は瘢痕になる可能性あり |
※一般的な目安であり、個人差があります。
皮膚科・形成外科・美容皮膚科を展開する医療法人社団鉄結会・アイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、夏本番を迎えるにあたり「大人の虫刺されと色素沈着に関する意識調査」を実施しました。調査結果をもとに、皮膚外科領域で15年以上の臨床経験を持つ監修医師が、虫刺されの跡を残さないための正しいケア方法を解説します。
調査背景
夏は蚊やブユ、アブなどによる虫刺されが増加する季節です。特に大人の虫刺されは子どもと比較して反応が遅れて出ることが多く、気づいた時には既に掻き壊してしまっているケースも少なくありません。当院にも「虫刺されの跡が黒く残って消えない」「毎年夏になると足に跡が増えていく」といったご相談が多く寄せられます。そこで、大人の虫刺されに対する実態と色素沈着への意識を把握するため、本調査を実施しました。
調査概要
調査対象:過去1年以内に虫刺されを経験した全国の20〜50代の男女
調査期間:2026年6月15日〜6月24日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】7割以上が虫刺されの跡が残った経験あり
設問:虫刺されの跡が茶色や黒っぽく残った経験はありますか?

7割以上(72.3%)が虫刺されの跡が残った経験があると回答しました。「何度もある」と答えた人が43.7%と最多であり、多くの人が繰り返し色素沈着に悩んでいる実態が明らかになりました。
【調査結果】6割以上が虫刺されを掻き壊した経験あり
設問:虫刺されを掻き壊してしまうことはどのくらいありますか?

「ほぼ毎回掻き壊す」「半分くらいの頻度で掻き壊す」を合わせると56.0%に達し、多くの人が痒みを我慢できずに掻き壊してしまう現状が浮き彫りになりました。掻き壊しは色素沈着の主要因であり、対策の重要性がうかがえます。
【調査結果】適切な初期対応を行っている人は4割未満
設問:虫刺されの初期対応として行っていることは何ですか?(複数回答可・最もよく行うものを1つ選択)

市販薬の使用や冷却など適切な初期対応を行っている人は54.0%にとどまりました。一方で「特に何もしない」「掻かないよう我慢するのみ」という受動的な対応が38.3%を占め、炎症を長引かせる要因となっている可能性があります。
【調査結果】美白ケアより「紫外線対策」が効果実感トップ
設問:虫刺されの跡(色素沈着)を改善するために試したことはありますか?(複数回答可・最も効果を感じたものを1つ選択)

紫外線対策が28.3%で最も効果を感じた対策として挙げられました。紫外線は色素沈着を悪化・定着させる要因であり、美白ケアよりも先に紫外線対策を行うことの重要性が示唆されています。
【調査結果】8割以上が虫刺され跡により服装や行動に影響を受けている
設問:虫刺されの跡が残ることで、日常生活にどのような影響がありますか?

「足を出す服装を避ける」「プール・海をためらう」など、具体的な行動変容が生じている人が52.7%に達しました。虫刺されの跡は見た目の問題だけでなく、QOL(生活の質)にも影響を与えていることがわかります。
調査まとめ
本調査により、大人の虫刺されに対する課題が明確になりました。7割以上が色素沈着を経験しており、その主因である「掻き壊し」は6割近くの人が繰り返しています。適切な初期対応を行っている人は半数程度にとどまり、跡が残ることで服装や行動に影響を受けている人も5割を超えました。虫刺されは「放っておけば治る」と軽視されがちですが、適切なケアを行うかどうかで跡の残りやすさに大きな差が生じることがわかりました。
医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、虫刺されの跡が黒く残るのを防ぐ最も重要なポイントは『掻かないこと』と『炎症を早期に鎮めること』の2点に尽きます。
虫刺されの跡が茶色〜黒色に残る現象は、医学的には「炎症後色素沈着(PIH)」と呼ばれます。蚊などに刺されると皮膚に炎症が起こり、その過程でメラノサイト(色素細胞)が活性化してメラニン色素が過剰に産生されます。特に掻き壊してしまうと炎症が悪化・長期化するため、色素沈着のリスクが大幅に高まります。
日本人を含むアジア人は、欧米人と比較してメラニン産生能が高いため、炎症後色素沈着を起こしやすい傾向があります。また、大人は子どもと比較して虫刺されへの免疫反応が遅延型となりやすく、「刺されてから数時間〜翌日に痒くなる」というパターンが多いため、無意識に掻いてしまうケースが増えます。
掻き壊してしまった場合は、まず患部を清潔にし、冷却して炎症を鎮めてください。その後、市販のステロイド外用薬で炎症を抑えることが重要です。傷ができている場合は抗生物質含有の軟膏を併用し、感染予防も行いましょう。炎症が治まった後は、紫外線対策と保湿を徹底することで色素沈着の悪化を防げます。
一度できた色素沈着も、ターンオーバー(皮膚の新陳代謝)により徐々に薄くなっていきます。通常3ヶ月〜1年程度で改善しますが、紫外線を浴び続けると定着してしまうため、日焼け止めの使用が不可欠です。なかなか改善しない場合は、皮膚科でハイドロキノンやトレチノインなどの外用薬、またはレーザー治療などの選択肢もありますので、ご相談ください。
【エビデンス】日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも、虫刺されに対しては早期のステロイド外用による炎症抑制が推奨されています。皮膚科医としての臨床経験では、初期対応の適切さで跡の残りやすさが大きく変わることを実感しています。
掻き壊しを防ぐ3つの方法
・刺されたらすぐに冷却し、痒みを緩和する
・ステロイド配合のかゆみ止めを早めに塗布する
・就寝中の無意識の掻き壊しを防ぐため、患部を覆う
色素沈着を残さないケアのポイント
・炎症期(赤み・腫れ):ステロイド外用薬で炎症を抑える
・回復期(かさぶた〜新しい皮膚):保湿と紫外線対策を徹底
・色素沈着期:美白成分配合の化粧品やビタミンC摂取も有効
皮膚科受診の目安
・腫れや赤みが広範囲に広がっている
・掻き壊しにより膿や浸出液が出ている
・3ヶ月以上経っても色素沈着が改善しない
髙桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 虫刺されの跡が黒く残るのはなぜ?
A. 炎症によりメラニン色素が過剰に産生される「炎症後色素沈着」が原因です。
虫刺されで皮膚に炎症が起こると、メラノサイト(色素細胞)が刺激されてメラニン色素を大量に作り出します。特に掻き壊すと炎症が悪化し、色素沈着のリスクが高まります。本調査でも、掻き壊し経験者の58.7%が色素沈着を経験しており、掻かないことの重要性が示されています。
Q2. 虫刺されを掻き壊したらどうする?
A. まず患部を清潔にして冷却し、抗炎症薬を塗布してください。
掻き壊してしまった場合は、流水で患部を洗い清潔にした後、冷却して炎症を鎮めます。傷がなければステロイド外用薬、傷がある場合は抗生物質配合の軟膏を塗りましょう。調査では適切な初期対応を行った人の83.6%が跡が残りにくいと実感しており、早期対応の効果が確認されています。
Q3. 虫刺されの色素沈着は消える?
A. 適切なケアを続ければ、通常3ヶ月〜1年程度で薄くなります。
皮膚のターンオーバーにより、色素沈着は徐々に改善します。ただし紫外線を浴び続けると定着してしまうため、日焼け止めの使用が必須です。本調査でも、紫外線対策が色素沈着改善に最も効果を感じた対策(28.3%)として挙げられました。
Q4. 虫刺されにステロイドを塗っても大丈夫?
A. 虫刺されへのステロイド使用は有効であり、短期間であれば安全です。
ステロイド外用薬は炎症を抑える効果が高く、虫刺されの痒みや腫れを早期に鎮めます。皮膚科学会でも虫刺されへのステロイド使用は推奨されており、市販のステロイド剤を1〜2週間程度使用する分には副作用の心配はほとんどありません。ただし、広範囲や長期間の使用は避け、改善しない場合は皮膚科を受診してください。
Q5. 虫刺されの跡を早く消す方法は?
A. 紫外線対策、保湿、ビタミンCの摂取が効果的です。
色素沈着を早く改善するには、日焼け止めで紫外線から守ること、保湿で肌のバリア機能を維持すること、ビタミンCを含む食品や化粧品でメラニン産生を抑えることが有効です。市販のハイドロキノン配合クリームも選択肢の一つですが、効果が乏しい場合は皮膚科でより高濃度の外用薬やレーザー治療などの相談も可能です。
放置のリスク
・掻き壊しによる細菌感染(とびひ・蜂窩織炎)
・色素沈着の長期化・定着(シミ化)
・繰り返す虫刺されによる慢性皮膚炎への移行
こんな方はご相談ください|受診の目安
・腫れや赤みが刺された範囲を超えて広がっている
・患部から膿や黄色い浸出液が出ている
・発熱やリンパ節の腫れを伴う
・市販薬を使用しても1週間以上症状が改善しない
・色素沈着が3ヶ月以上経っても薄くならない
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚科・形成外科・美容皮膚科を併設し、虫刺されの急性期治療から色素沈着の改善治療まで一貫して対応
・都内5院・大宮1院で土日祝日も診療、急な虫刺されトラブルにも対応可能
・皮膚外科領域で15年以上の経験を持つ医師が在籍
・色素沈着の治療には外用薬からレーザー治療まで幅広い選択肢を提供
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階
アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画
診療予約は以下より承っております。お気軽にご利用ください。
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