「持続可能な食」に向けた生活者行動変容の共同研究を開始

生活者(消費)とサプライヤー(供給)の共創実現に向けて

三菱食品株式会社

三菱食品株式会社(代表取締役社長:京谷 裕、以下 三菱食品)と株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)は、食料サプライチェーンにおける生活者行動変容の促進に向け、両社の知見・既往研究等を整理・分析しました。このたびその成果を公表し、生活者とサプライヤーが共創する「持続可能な食」の実現を目指して本格的な共同研究を開始します。

1. 背景

気候変動による異常気象、土壌や海洋など生態系の劣化といった環境課題は、食料供給の安定性を脅かしています。日本でも、特に葉物野菜や魚介類、直近ではコメの供給に問題が発生するようになっており、多くある原因の中の一つとして気候変動があるとされています。

一方、現在の食料サプライチェーン自体も環境課題の原因の一つとされています。2021年9月に開催された「国連食料システムサミット」の議長サマリーおよび行動宣言の中で、「食料システムは温室効果ガス排出量の最大3分の1、生物多様性の喪失の最大80%、淡水使用量の最大70%に影響し、持続可能な食料生産システムの実現が課題解決に欠かせないものとして認識されるべきだ」と言及されています(国際連合広報センター2021)。国内でも、食品産業の健全な発展・持続可能な食料供給の促進が位置付けられ、食料サプライチェーンにおける環境負荷の低減・緩和策、環境課題への適応策の実装が進められています。

しかし現在、持続可能な食を生産し供給するサプライヤーは、ビジネス上のメリットを確保できているとはいえない状況です。その背景として、生活者が、社会的意義は認識しているものの価値があるとはみなしていないことがあります。

持続可能な食を実現し、安定的に食を享受し続けるためには、生活者ひとりひとりがそれに価値を感じ購買行動を変えていくことで、サプライヤーが経済的価値を受け取れる社会へ変革することが必要です。

2.食料流通における生活者行動変容の実現に向けたポイント

三菱食品とMRIは、生活者アンケート調査、欧州等の生活者行動変容施策の先行事例レビュー、国内の食品サプライチェーン関連事業者等との意見交換等を通じ、「食料の購買行動における環境配慮行動」を促す施策を具体化する上で重要と考えられる3つのポイント(仮説)を抽出しました。

①仮説1:根本には「消費と生産の分断」という課題

現在の日本では、生活者の環境負荷や社会課題への意識以前に、食や農そのものに積極的に関わろうとする意識自体が希薄。その根本には、消費と供給のつながりを実感できず、無意識のうちに分断されているという課題がある。

②仮説2:生活者メリットを起点とすることが重要

そもそも意識が希薄な食や農の領域に対して、生活者が一足飛びにそれにまつわる環境・社会課題に目を向けることはない。食のおいしさや楽しさ、節約につながる知識や工夫の向上、災害への備えによる安心・・・などそれぞれの生活者がメリットに感じることを起点に「食や農に対するこだわりや積極性をもつ生活者」を育て、増やしていく取り組みから始めることが重要。

③仮説3:積み上げ型アプローチが有効

環境に配慮した購買行動への変容を促すには、認証ラベルや社会的意義の発信など従来型の「普及啓発型」アプローチでは不十分。それぞれの生活者が感じるメリットを起点に生活者が食や農に対するこだわりや積極性を持ち、そのうえで食や農を取り巻く環境・社会課題にも配慮した具体的な行動変容に至る、というステップアップを支える「体験・実践積み上げ型」アプローチが有効。

3. 今後の予定

三菱食品とMRIは、今後、上記の課題解決に資する施策を明らかにするため、共同で調査研究を進めます。具体的には以下3点を仮説検証する予定です。

(1)体験・実践積み上げ型アプローチの具体的な施策

(2)施策が「食料の購買行動における環境配慮行動」へ及ぼす効果

(3)施策が事業者の売上(単価、来店頻度等)やブランディング、ロイヤルティに及ぼす影響

本研究の成果を基に、食品流通業等、食料サプライチェーンに関わる事業者と共に施策の具体化を検討していきます。

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会社概要

三菱食品株式会社

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URL
https://www.mitsubishi-shokuhin.com/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都文京区小石川1丁目1番1号 文京ガーデン ゲートタワー
電話番号
-
代表者名
京谷 裕
上場
東証スタンダード
資本金
106億3000万円
設立
1925年03月