【使い捨て傘の実態調査2026】ビニール傘の年間消費本数は推計「約3,000万本」。直近1年で傘購入者の約3人に1人が「突然の雨」でビニール傘を購入。

「自宅に使える傘があった」にもかかわらず、ゲリラ豪雨など急な雨でビニール傘を購入した人は95%に。

株式会社Nature Innovation Group

 “雨の日も晴れの日も快適にハッピーに”と“使い捨て傘をゼロに”をミッションに掲げる傘のシェアリングサービス「アイカサ」を運営する株式会社Nature Innovation Group(本社:東京都新宿区、代表取締役:丸川照司、以下「アイカサ」)は、国立研究開発法人国立環境研究所 資源循環社会システム研究室 室長 田崎智宏氏の監修のもと、日本国内における使い捨て傘の年間消費本数の推計、および使い捨て傘の購入実態に関する調査を実施いたしました。

調査背景

 アイカサは2018年のサービス開始以来、駅や街中で借りて返せる傘のシェアリングサービスを全国で提供してきました。2022年には、パートナー企業の皆さまとともに「2030年使い捨て傘ゼロプロジェクト」を発足し、使い捨て傘の削減に取り組んでいます。

 プロジェクト発足時から、日本では多くのビニール傘が消費され、その多くが短期間で手放される「使い捨て傘」となっていることが社会課題とされてきました。また、ウェザーニューズ社の「ゲリラ雷雨傾向2026」によると、今年のゲリラ雷雨の発生回数は全国で約11万回と前年から約25%増える見込みです。そのピークは8月中旬と予想されており(※1)、梅雨の時期と並んで、突然の雨でビニール傘を購入する場面が多くなる季節を迎えています。

 そこで今回アイカサは、この使い捨て傘の消費実態を改めて明確にするべく、財務省の貿易統計と一般消費者へのアンケート調査を組み合わせ、資源循環政策の専門家である国立環境研究所 田崎智宏氏の監修のもと、独自の推計を実施しました。

 

※1 ウェザーニューズ「ゲリラ雷雨傾向2026」(2026年7月1日発表)https://jp.weathernews.com/news/56520/

調査結果の要約

Part 1|ビニール傘の年間消費本数の推計

① 日本のビニール傘の年間消費本数は「約3,000万本」と推計。雨の日1日あたり約25万本を消費。

② 傘の輸入本数は10年間で約33%減少(2015年13,093万本 → 2025年8,811万本)。

③ 輸入に占める折りたたみ傘の比率は約4割へ倍増。平均輸入単価は約1.7倍に。

Part 2|使い捨て傘の購入実態(アンケート調査)

① 過去1年間に傘を買った人は28%。4人に1人が傘を1本以上購入。

② 購入された長傘の2本に1本以上(55%)がビニール傘。また、ビニール傘購入者の45%は「年2本以上」購入。折りたたみ傘も購入全体の36%を占める結果に。

③ 傘購入者の3人に1人(30%)が「突然の雨に降られて、その場でビニール傘を買った」経験あり。

④ その場で購入した人の95%が「自宅に使える傘があった」と回答。

⑤ 最も多い購入理由は「ビニール傘の代金より、濡れるストレスを避けることを優先」53%。価格よりも移動の快適性を優先。

調査概要

【アンケート調査】

・調査実施期間:2026年7月14日〜7月17日

・調査方法:インターネット上でのアンケート調査(スクリーニング調査・本調査の2段階)

・スクリーニング調査:全国の20〜69歳の男女3,000名

・本調査:過去1年間に傘を購入した全国の20〜69歳の男女700名(うち、回答品質確認を通過した有効回答249名を集計対象として使用)

【推計に使用した統計】

・財務省 貿易統計(長傘 6601.99/折りたたみ傘 6601.91、2015〜2025年)

監修:国立研究開発法人国立環境研究所 資源循環社会システム研究室 室長 田崎智宏氏

※急な雨の際などに購入され、短期間で手放される傘を「使い捨て傘」と定義しています。本リリースでは、その代表的な存在であるビニール傘の購入本数などをもとに、使い捨て傘の消費量を推計しています。なお、ビニール傘のすべてが短期間で手放されるわけではないため、あくまで参考値としてご活用ください。

※ ビニール傘の消費本数を単独で把握できる公的統計や業界統計は2026年8月時点で存在せず、本調査は貿易統計(実測値)と消費者調査を組み合わせた推計として実施したものです。

※ 有効回答249名は、回答品質確認(アテンションチェック)通過者のみを採用したものです。全回答(700名)と比較し、性別・世帯年収の分布および推計の核心となるビニール傘比率に大きな差がないことを確認しています(年齢はやや高齢寄り)。

※ 2025年の輸入数値は確々報値であり、確定値(2026年11月末公表予定)により微修正される場合があります。

※ 傘の国内生産本数を把握できる公的統計は存在せず、生産規模も僅少であるため、本推計は輸入本数のみを基礎としています(実際の消費本数はこれを下回らない、下限側の推計です)。

 本調査結果・グラフを引用・転載される際は、出典として「使い捨て傘の実態調査2026(アイカサ調べ)」と明記をお願いいたします。

調査結果の詳細|Part 1 ビニール傘の年間消費本数の推計

①日本のビニール傘の年間消費本数は「約3,000万本」と推計。雨の日1日あたり約25万本を消費。

 国内生産が僅少である傘市場において、財務省貿易統計の輸入本数は市場全体の供給量を示す最も確度の高い実測値です。ただし貿易統計では「ビニール傘」と「その他の傘」を区別できないため、本調査ではアンケートで把握した「購入された長傘のうちビニール傘が占める割合(55%)」を掛け合わせることで、年間消費本数を推計しました。

 推計の結果、日本のビニール傘の年間消費本数は2,881万本となりました。日本の年間降水日数は全国平均で約115日とされており(※)、概算では雨が降る日1日あたり約25万本のビニール傘が購入されている計算になります。

※ 年間降水日数は、気象庁「日降水量1.0mm以上の年間日数(全国51地点平均)」の2021〜2025年の5年平均(約115日)を用いて算出。https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html?select_elem=day1mm

②傘の輸入本数は10年間で約33%減少(2015年13,093万本 → 2025年8,811万本)。

 傘の輸入本数は2015年の13,093万本をピークに減少を続け、外出機会が減少したコロナ禍の2021年には7,041万本まで落ち込みました。その後は8,000万本台で推移しており、2025年は8,811万本と、10年間で約33%の減少となりました。

 減少の背景には、人口や外出機会の変化に加え、晴雨兼用傘など長く使える傘への需要のシフト、さらには傘のシェアリングのような「買わずに済ませる」選択肢が広がってきたことなど、複数の要因があると考えられます。

 実際、輸入に占める折りたたみ傘の比率は、2015年の約2割(19%)から2025年には約4割(41%)へと倍増しました。特に記録的な猛暑が続いた2023年以降に急伸しており、日傘や晴雨兼用ニーズの高まりが背景にあるとみられます。

③輸入に占める折りたたみ傘の比率は約4割へ倍増。平均輸入単価は約1.7倍に。

 傘の平均輸入単価は、2015年の290.5円から2025年には498.9円へと約1.7倍に上昇しました。前述したように、単価の高い折りたたみ傘の輸入が増えたことに加え、円安や輸送コストの上昇などの物価高が背景にあると考えられます。

調査結果の詳細|Part 2 使い捨て傘の購入実態

① 過去1年間に傘を買った人は28%。4人に1人が傘を1本以上購入。

 全国3,000名へのスクリーニング調査で「過去1年間に傘(長傘・折りたたみ傘)を購入しましたか」と質問したところ、「購入した」と回答した人は28%となり、約4人に1人が1年間に傘を1本以上購入していることがわかりました。

②購入された長傘の2本に1本以上(55%)がビニール傘。また、ビニール傘購入者の45%は「年2本以上」購入。折りたたみ傘も購入全体の36%を占める結果に。

 購入された傘の内訳(本数ベース)は、ビニール傘35%、ビニール傘以外の長傘29%、折りたたみ傘36%となり、長傘に限るとビニール傘が55%と半数以上を占めました。街で購入される長傘の2本に1本以上がビニール傘である計算です。

 また、折りたたみ傘の購入が全体の3分の1以上を占めており、近年の猛暑を背景とした日傘や晴雨兼用傘のニーズの高まりが影響している可能性が考えられます。

 また、ビニール傘を購入した人の年間購入本数は「1本」が約半数(55%)を占める一方、45%は「年2本以上」と繰り返し購入していることがわかりました。こうした結果からは、ビニール傘の消費が、一部の層による大量購入ではなく、多くの人による少数本ずつの購入の積み上げによって生じている可能性がうかがえます。

③ 傘購入者の3人に1人(30%)が「突然の雨に降られて、その場でビニール傘を買った」経験あり。

 「過去1年間に、突然の雨に降られてその場でビニール傘を購入したことがありますか」と質問したところ、30%が「はい」と回答しました。傘を購入した人の3人に1人が、予定していなかったビニール傘の購入を経験していることがわかりました。

 ゲリラ豪雨などを含む突然の雨が、こうした「予定外の購入」の一因になっていることが考えられます。

④ その場で購入した人の95%が「自宅に使える傘があった」と回答。

 突然の雨でビニール傘を購入した人のうち、95%が「その傘を買ったとき、自宅には使える傘があった」と回答しました。ビニール傘の購入は「自宅に傘がないからではなく、外出先で急な雨に遭ったため」生じているという使い捨て傘問題の構造がうかがえる結果となりました。

⑤ 最も多い購入理由は「ビニール傘の代金より、濡れるストレスを避けることを優先」53%。価格よりも移動の快適性を優先。

 その場でビニール傘を購入した理由としては、「ビニール傘の代金より、濡れるストレスを避けることを優先したから」が53%で最多となりました。「目的地まで距離があり、傘なしでは移動できなかったから」(47%)、「雨が止むのを待つ時間がなかったから」(41%)が続き、価格の問題よりも「今この瞬間の快・不快」や移動の必要性によって購入が決まっている様子がうかがえます。

総括/関係者コメント

監修者|国立研究開発法人国立環境研究所 資源循環社会システム研究室 室長 田崎智宏氏

 

 今回の調査から、ビニール傘の消費は、一部の人による大量購入だけではなく、突然の雨などをきっかけとした「その場しのぎの購入」が積み重なることで、大きな消費量につながっている実態が見えてきました。特に、突然の雨でビニール傘を購入した人の95%が「自宅に使える傘があった」と回答している点は、注目すべき結果です。

 また、今回の調査では、既存の統計だけでは捉えにくかった生活者の購買行動や、その背景にある意識を明らかにすることができました。サーキュラーエコノミーへの移行やSDGsの「つかう責任」が世界的に求められるなか、限りある資源を大切に使っていくためには、企業の取り組みだけでなく、私たち一人ひとりの消費行動にも目を向ける必要があります。

 今回明らかになったデータが、急な雨への備え方や傘の選び方を見直すきっかけとなり、より持続可能な消費行動について考える一助となることを期待しています。

日本洋傘振興協議会 事務局長 田中正浩氏

 今回の調査は、これまで公的な統計では捉えることが難しかったビニール傘の消費実態について、貿易統計と消費者調査を組み合わせ、一つの目安を示した点で大変興味深いものと受け止めています。

 特に、傘の輸入本数が減少する一方で折りたたみ傘の比率が高まっていることや、突然の雨を理由にビニール傘を購入した方の多くが、自宅には使用できる傘を持っていたという結果は、近年の生活者の傘の選び方や使い方の変化を考える上でも示唆に富んでいます。

 傘は本来、雨や日差しから身を守り、繰り返し使うことのできる生活用品です。長く愛用できる傘を選ぶことに加え、急な雨にはシェアリングサービスを活用するなど、それぞれの場面に適した選択肢が広がることで、一本一本の傘がより大切に使われ持続可能な社会の創生につながることを期待しています。

株式会社Nature Innovation Group 代表取締役 丸川照司

 今回の調査により、国内の過去一年間におけるビニール傘の年間消費本数が約3,000万本にのぼることが明らかになりました。これまで正確に把握することが難しかった使い捨て傘の実態を、専門家の監修のもと一つの数字として示せたことは、この課題に向き合ううえで大きな一歩だと考えています。

 私たちは、ビニール傘そのものが悪いとは考えておらず、問題は、傘が「使い捨て」にされてしまうことだと考えています。実際、今回の調査では、突然の雨でビニール傘を購入した方の95%が「自宅に使える傘があった」と回答しており、必要に迫られてやむを得ず買われた傘が、使い捨てにつながりやすい実態が見えてきました。

 急な雨のとき、猛暑で日傘が必要なとき。「必要なときに、どこにでもアイカサのスポットがある」状況をつくることができれば、こうしたやむを得ない一本は減らしていけるはずです。私たちは2022年から「2030年使い捨て傘ゼロプロジェクト」を推進してきましたが、これからも皆さまとともに、使い捨て傘ゼロに向けて活動してまいります。

■傘のシェアリングサービス『アイカサ』について

 『アイカサ』は、“雨の日も晴れの日も快適にハッピーに”と“使い捨て傘をゼロに”をミッションに2018年12月にサービスを開始した日本初の本格的な傘のシェアリングサービスです。突発的な雨にもビニール傘をその都度購入せずに、駅や街中で丈夫でサステナブルな『アイカサ』を借り、雨が止めば最寄りの傘スポットに傘を返却することでエコに貢献しながら手ぶらで便利に移動ができるのが特徴です。現在は、アプリ会員数92万人を超え、東京駅や新宿駅をはじめとした都内全域と関東、関西、愛知、岡山、福岡、佐賀など14都道府県で展開し、スポット数2,500か所以上に設置しています。気候変動による気温上昇やゲリラ豪雨などの異常気象が増えるなか、環境負荷を減らしながら、雨の日も晴れの日も快適な社会づくりを目指していきます。

『アイカサ』アプリの登録はこちらから:https://www.i-kasa.com/

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https://www.i-kasa.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都新宿区新宿1-26-9 ビリーヴ新宿8F
電話番号
050-1807-0811
代表者名
丸川照司
上場
未上場
資本金
-
設立
2018年06月