【国立科学博物館】「山中湖のまりも(山中湖村フジマリモ生息調査報告書)」の出版 ~ふたたび退潮傾向が明らかになった山中湖のマリモ 地球温暖化が影響か?~
独立行政法人国立科学博物館(館長:林良博)と山中湖村教育委員会および「山中湖フジマリモ生息調査検討委員会」は、共同で令和2年度フジマリモ生息調査を実施し、この度報告書を出版しました。
- 研究のポイント
- 研究の背景
そのため、平成25年〜26年にかけ、第二次の山中湖村フジマリモ生息調査を実施し、報告書を出版しました。この調査では、山中湖の複数地点でマリモが見つかりましたが、中でも「ままの森」下の地域が圧倒的に出現頻度が高く、保護の必要性が高い地域であることが分かり、また、継続して観察をするために5年ごとの調査が提言されていました。
- 研究内容と成果
9月の調査で山中湖の水温が25℃を超えていたのに驚き、山中湖村教育委員会が所有する艇庫で測定している山中湖の表層水温をグラフ化してみました。近年、夏期に水温が25℃を超える日が続いていることが分かります。
また、山梨県が公共用水域水質測定のため山中湖湖心で測定している水深30cmでの水温を元に、年間平均水温を解析した結果、山中湖の平均水温はこの40年間で約2度上昇したことが分かります。2019年には平均水温が始めて15℃を超えました。
この温度の上昇は、アメダスの山中観測所(山中湖村梨ケ原)の気温データからも明らかです。夏期の最高気温の月平均気温は40年で約4度も上昇していることが分かります。
マリモは日本では阿寒湖を初めとする北海道や東北地方、海外ではヨーロッパ北部など寒冷地を分布域とする種です。山中湖は標高が1000mあるため年中水温が低く生育できていたと考えられますが、近年の温暖化によって生育が難しくなっている可能性があります。
今後もこの山中湖のマリモ類の学術調査を継続して行っていきます。また、今回の出版物を村内の小中学校の環境学習などに活用していきます。
- 謝辞
- 出版物
【発 行】 山中湖村教育委員会・国立科学博物館
【著者名】 辻彰洋・亀田良成・新山優子 (辻彰洋 編)
【ISBN】978-4-87803-047-5
山中湖村教育委員会等で配布予定
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