日本における「職場の休憩実態」を調査!「周囲の目」によるオフィスワーカーの“休憩忖度”の実態が判明

最も休憩が取りにくい役職は「女性中間管理職」。一方、全体の8割超は「周りの人に休憩を取ってほしい」と回答

JT
 JTは、日本企業で働く20代から50代までのオフィスワーカーに対して、職場の休憩に関する調査を実施しました。調査から導き出された結果として、オフィスワーカーの約半数が「業務中に休憩が取りづらい」と感じていると回答。一方、オフィスワーカーの8割以上は「周りの人には適切な休憩をとってほしい」と回答するなど、個人の実感と周囲に対する考えとで休憩に対する意識にギャップがあることが明らかになりました。その理由としては、オフィスワーカーの6割以上の人が「周りの目が気になり休憩が取れなかった経験がある」と回答。大多数の人が周囲の人に休んでほしいと考えている中、オフィスワーカーの過半数が、思い込みと考えられる「幻の周囲の目」を気にして休憩を控える「休憩忖度」の状態にあることが分かりました。












◆オフィスワーカーの81.8%が業務中のこまめな休憩が必要であると回答。一方で、約半数の49.0%は業務中に休憩が取りづらいと回答。

◆また、オフィスワーカーの81.4%は「周囲の人には適切な休憩を取ってほしい」と感じており、69.0%は「業務中に頻繁にリフレッシュする時間をとること」に対して賛成と回答。個人の実感と周囲に対する考えとで休憩に対する意識に大きな差があることが分かった。

◆休憩を取りづらく感じる原因としては、オフィスワーカーの62.9%が「周りの目が気になり休憩が取れなかった経験がある」と回答。中でも、女性中間管理職は37.3%(全カテゴリー中最多)がその経験について「よくある」と回答し、特に周囲の目を気にして休憩を控える「休憩忖度」の状態に陥っている状況が明らかに。

◆”休む技術”のエキスパートである精神科医・早稲田大学スポーツ科学学術院 准教授の西多昌規氏は、休憩忖度を解消し、作業の効率化や肉体的・精神的な面での健康を保つために、業務中たまに離席して散歩をすることや、うつや不安を抑える神経伝達物質であるセロトニンを活性化し、睡眠リズムを司るメラトニンの分泌を高める日光浴を推奨。「意識的・能動的・こまめ」な休憩を取ることを勧めた。

◇本調査概要
調査名職場の休憩に関する調査 調査期間2022年6月30日(木)~2022年7月4日(月)
調査対象サンプル数 :600人 年齢:20代~50代  エリア:全国  調査方法 :インターネット 
条件:オフィスワーカー=出社メイン(出社が8割以上)の勤務形態であること
 
  • オフィスワーカーの休憩不足についての調査を実施
◆オフィスワーカーにおける業務中の休憩実態
(1)オフィスワーカーの8割以上が「業務中のこまめな休憩」の必要性を感じている。
 業務中の休憩を調査したところ、オフィスワーカーのうち81.3%が「業務中のこまめな休憩の必要性を感じる」と回答。

 

(2)オフィスワーカーの約半数が職場での休憩の取りづらさを感じており、そのうち大多数(8割以上)はその状況にストレスを感じている。
 オフィスワーカーの2人に1人(49.0%)は職場で休憩の取りづらさを感じていると回答。
 また、そのうち82.6%は、その状況についてストレスを感じている状況にあると回答した。

 












◆休憩回数時間の理想と現実
(3)理想の休憩回数(※)について最多の回答は「3回」だったのに対し、実際の休憩回数として最多の回答は「1回」と、理想と現実の休憩の取り方には大きなギャップがあることが明らかに。
 理想の休憩回数として最多の回答を集めたのは26.0%の「3回」であったが、回答が一番多かった実際の休憩回数は29.7%の「1回」であった。また、1回あたりの理想の休憩時間について「15分未満」と答えた人は59.8%だが、1回あたりの実際の休憩時間について「10分未満」と回答した人は66.1%となり、オフィスワーカーの理想と現実の休憩の取り方には大きなギャップがあることが判明。※昼休憩など、労働基準法上の休憩時間を除く

 








 
  • オフィスワーカーの休憩不足についての調査を実施
他者の休憩に対する意識
(4)一方で、オフィスワーカーの8割以上の人が、能率的・健康に仕事を行うためにも周りの人には適切な休憩を取ってほしいと回答。個人の実感と周囲に対する考え方の間で休憩に対する意識にギャップがあることが分かった

 オフィスワーカーの81.4%の人が「周りの人には適切な休憩を取ってほしい」と回答。また77.2%の人は「周りの人が休憩をとることを気にしない」と回答。個人の実感と周囲に対する考えとの間で、業務中の休憩に対する意識にギャップがある状況が明らかに。

 












こまめな休憩の取りにくさの原因となっている“周囲の目”の実態
(5)業務中に休憩が取れない理由としては、6割以上が「周りの目」を挙げる結果に。
 業務中に休憩が取れなかった人の理由については、6割以上(62.9%)は”周囲の目”を気にして休憩が取れなかった経験があると回答。大多数の人が周囲の人に休みを取ってほしいと考えている中、オフィスワーカーの過半数が、多くの場合思い込みだと考えられる「幻の周囲の目」を気にして休憩を控える「休憩忖度」状態にあることが分かった。

(6)会社の中では、特に女性管理職が“周囲の目”によって休憩を取れていない状況にある。
 “周囲の目”によって休憩を取れていない職種について、女性中間管理職では全カテゴリー中最多の37.3%が「よくある」と回答。またそのうち多数(76.7%)はストレスを感じており、役職により「休憩忖度」の状況に格差がある実態が明らかになった。

(7)“偉い人の目”が、休憩が取りにくい環境を作り出している。
 「その人が休憩をしていないと自分も業務中の休憩が取りづらいと感じる相手」として、オフィスワーカーの48.7%が経営層を、47.2%が先輩・上司と回答。一方で、経営者・部長クラスの人のうち81.3%は「周りの人には適切な休憩をとってほしい」と回答した。


 

 
  • 西多昌規氏(精神科医・早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授)コメント
「こまめな休憩」は働く人にとって必須な時間
◇周囲を気にして「休憩忖度」に陥ってしまうオフィスワーカー。休憩不足は生産性・幸福度低下の原因に
 今回の調査結果からは、「休憩をとりづらい雰囲気」という、実際にはない心理的幻想に同調してしまい、休憩を取れない状況にあることが読み取れます。特に、20代の若手や女性中間管理職は、特に休憩を取りづらい同調圧力の影響を受け、生産性が落ちているだけでなく、身体的・精神的ストレスも強くなっていることが懸念されます。
興味深いのは、休憩を取らないダメージよりも、「休憩を取りづらい」雰囲気自体に、違和感を覚えストレスを感じている点です。実際には大多数の人が休憩の重要性を理解し、休憩を取るのに肯定的という結果が出ています。しかし現場では、「休憩をとってはいけない」という実際には存在しないファンタジーに怯え、休憩を取らないという行動を選択してしまっている人がいます。結果的に、仕事の能率や生産性は低下し、働く人の満足度や幸福感を損ねてしまいかねません。臨床の現場でも、他人の都合に合わせて自分の自由で休めない人ほど精神的に疲弊しやすい傾向にあり、リスクの高い状況であると考えられます。また、近年はオンライン化の影響により、肉体労働が減り休みの必要性を意識しづらくなっていることや、休憩時間として機能していた移動の時間が減ってしまったことも休憩不足の一助になっていると考えられます。

◇思い込みのレベルまで周囲の目を気にしてしまう日本社会の性質
 日本では、「以心伝心」「忖度」という言葉もあるように、微妙な表情や口ぶり、仕草など、言語以外のニュアンスが、コミュニケーションのコアな部分を形成しています。ときに、非言語的コミュニケーションは、言葉よりも強いメッセージ性を帯びることもありえます。自分だけ変わっているなど、周囲から変に見られる少数派に思われたくない不安は、同調圧力の強い日本の特徴的だと考えられます。また、はっきりした言葉によるコミュニケーションではないので、「変にみられる」という不安を通り越して、事実に反する思い込みに発展しやすくなります。「休憩なんて取ったら、冷たい目で見られるに違いない」と、思い込みレベルにまで空気を読みすぎるのは、日本社会ならではの特徴ではないかと思います。

◇“休憩忖度解消のために
“休憩忖度”が起こる環境の改善のためには、個人の自主性に頼るのではなく、最初は部署などの単位でゆるやかな仕組みをつくることが大切です。一定回数休憩をとることでインセンティブを設けるなど、簡単に参加できるものがよいでしょう。最初はこのようなルールにより休憩をとるきっかけをつくり、ゆくゆくは個々が休憩の主導権を持てるような環境をつくることが重要です。また、個人の単位ではスケジュールを細かく詰め込みすぎず、余白を持たせておくことで休憩を取りやすくなります。
そして、組織・個人単位で休憩の大切さを科学的に理解してもらうことも非常に重要です。休憩が個人の仕事のパフォーマンスを上げて、組織全体の生産性を上げることは、多くの研究が示しています。たとえば、たまに離席して散歩をすることは、健康経営にとっても欠かせない習慣です。また日光浴は、うつや不安を抑える神経伝達物質であるセロトニンを活性化することや、睡眠リズムを司るメラトニンの分泌を高めることが実証されています。組織全体で仕事のパフォーマンスを上げ、また生産性や幸福度を高められるように、周囲の人が休憩をとりやすい空気をつくり、科学的なエビデンスに則って「意識的・能動的・こまめ」な休憩を取って、“いいひといき”を得られる環境づくりを進める必要があります。
 
  • プロフィール

西多昌規/にしだまさき
精神科医 早稲田大学 睡眠研究所 所長 早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授
東京医科歯科大学医学部卒業。東京医科歯科大学助教、自治医科大学精神医学教室・講師などを経て、2017年より現職。2019年より早稲田大学睡眠研究所・所長を兼任。ハーバード大学医学部、スタンフォード大学医学部にて、睡眠・生体リズムを認知学習機能の研究を行う。現在は、睡眠とスポーツ・身体運動の教育研究を行うだけでなく、アスリートに対するメンタルサポートやリカバリー(効果的な休養)の相談にも従事している。日本精神神経学会専門医、日本睡眠学
会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクターなど。著書に「リモート疲れとストレスを癒やす『休む技術』」(大和書房)など多数。
 
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