「AIと結婚する時代」はもう始まっている? XとTikTokの40億投稿から読み解く“人とAIの関係性” ― 65dB TOKYOが「2025年SNSトレンド徹底解剖」レポートを公開
今年のSNS3大トレンドは「AI」「乗っかりミーム」「ゆるツラ(ゆるくツラい)」
株式会社TBWA HAKUHODO(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:内田 渉)のソーシャルリスニング専門チーム「65dB TOKYO」は、2025年のSNS上で発生した約40億件の投稿を分析し、生活者とAIの新しい関係性を読み解いたレポート「2025年SNSトレンド徹底解剖」を公開しました。

2025年のSNSでは、『AI』が話題量・心理的影響・文化変容のすべてにおいて例年にない伸びを示し、今年のSNSを象徴する存在となりました。ここでは、3大トレンドのうち最も社会的インパクトが大きかった「AI」に焦点を当て、その変化と背景を紹介します。
2025年のSNS3大トレンド ―「AI」「乗っかりミーム」「ゆるツラ(ゆるくツラい)」
65dB TOKYOは、2025年1月から11月までのX(旧Twitter)およびTikTokの投稿を調査し、発話量(メンション数)とエンゲージメント数をもとに「注目トレンドワードマップ」を作成し、SNS上での注目テーマを俯瞰的に可視化しました。

その分析から見えてきた2025年のSNSを象徴する3つのキーワードは、①AI、②乗っかりミーム、③ゆるツラ(ゆるくツラい)。SNS上で急速に存在感を強めたAIへの向き合い方の変化、“とりあえず混ざる”参加型文化、そして「楽したいけれど、やった感も欲しい」という新しい生活者心理が見えてきます。
中でも「AI」は、生活者の感情や創作文化にまで深く浸透し、SNS上のコミュニケーションそのものを大きく変えました。
AIは「ツール」から「パートナー」へ ― SNS上で人とAIの関係性が劇的に変化
2025年はAIに関する投稿量が過去最大を記録しました。Xでは、昨年末にGrokが無料ユーザーへ開放されたことを機にAI関連ワードのメンションが急上昇。TikTokでもAI関連ハッシュタグの投稿数が2,580万件*を突破するなど、AIはSNSを語る上で欠かせないテーマとなりました。
その中で特に顕著だったのは、AIの存在が生活者の心理や行動に入り込む“質の変化”です。AIは便利な生成ツールという枠を超え、「自分に寄り添ってくれる存在」として影響力を持ち始めています。
*2025年11月20日時点

【AI活用の二極化】
AIは今、「パートナー」と「コンテンツ」という二方向へ進化しています。
二極化①「パートナー」としてのAI ― 自分を肯定し、寄り添う“心の居場所”に
2025年のSNSでは、AIを「相談相手」として扱う投稿が急増しました。
Xでは「恋人はChatGPT」「AIからプロポーズされた」「AIと結婚」といった投稿が連続して話題となり、AIに愛称をつけて呼ぶ文化も広がっています。実際、レポートではAIに「チャッピー」などの親しみを込めた呼称を使うユーザーが200%以上増加したことが示されています。
こうした投稿の背景には、AIが否定せず、責めず、遮らずに話を受け止めてくれる存在だという安心感があります。「愚痴を言うなら人よりChatGPTがいい」「どんな時も肯定してくれるから救われる」などの声が多く投稿され、AIが精神的な支えとして生活に入り込んでいる様子が見て取れます。
また、AIと距離が近くなったからこそ、逆に「人間同士の関係でしか生まれない価値」への再評価も見られ、AIとの共生が人の対人関係の捉え方にも影響を与え始めています。

二極化②「コンテンツ」としてのAI ― AIがカルチャーとして定着し、“AIらしさ”がエンタメへ
一方で、AIはSNS上で新たな「遊びの文化」としても進化しています。
TikTokでは、自分の写真をアップロードするとAIがフィギュア風に変換してくれるフィルターが広がり、マーメイド化・プリンセス化など「変身系AI」が何度もトレンド入り。さらに「ガラスを切るASMR」「子どもの頃から大人へ成長する“成長記録AI”」など、現実には存在しない奇妙で魅力的な非現実を楽しむ投稿も急増しました。
特徴的なのは、ユーザーがAIであることを理解した上で楽しんでいる点です。AI生成であることを隠すと批判につながることも多い一方で、「AIです」と明示した投稿は好意的に受け止められ、SNS上に“AIらしさの透明性”や“正直な創作文化”が生まれています。
AIは人間の代替ではなく、人の感情や願望を映し出す鏡として社会の中に居場所を確立し始めたことが、今回の分析から読み取れる大きな変化です。

「乗っかりミーム」と「ゆるツラ(ゆるくツラい)」― 2025年SNSを象徴するもう2つのキーワード
AI以外にも、今年のSNSでは生活者の心理を象徴する2つの潮流が顕著でした。
● 乗っかりミーム
“とりあえず混ざる”軽い参加を楽しむSNS文化。
Xでは「エッホエッホ」「ヘッダーに収まらない…」、TikTokでは「イタリアンブレインロット」などが急増し、ミニマムな自己表現で“同じ場に居合わせる”体験が好まれました。
● ゆるツラ(ゆるくツラい)
“楽したいけど、やった感も欲しい”という相反する心理を満たすトレンド。
ピラティス、コンビニジム、アイスチャレンジ、レシピ投稿などが代表例で、効率化社会の中で“適度なツラさ”を選ぶ自己効力感が注目されています。


詳細はレポートをご覧ください。
(調査概要)
調査実施時期:2025年11月
調査対象期間:2025年1月1日~2025年11月20日
対象:主要プラットフォームSNS(X、TikTok)
モニタリング投稿数:約40億投稿
分析方法:ソーシャルリスニング(Brand Watch、TikTok Creative Center)
調査主体:TBWA HAKUHODO「65dB TOKYO」
※本リリース内容を転載される際は、出典 “TBWA HAKUHODO『65dB TOKYO』” と明記してください。
※ 本レポートや「65dB TOKYO」に関する取材・調査依頼・お問合せも受け付けています。 レポートに記載されているメールアドレスまでご連絡ください。
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■ 65dB TOKYOについて
「65dB」は、2018年にTBWAグループに加入した、フランスを拠点とするマーケティングカンパニーです。人々が通常の会話で発する音声の強さ(65デシベル)をグループ名とするこの組織は、ソーシャルボイスの分析結果を元にした企業のマーケティング支援を展開することを主力事業としており、パリ、東京、上海、ニューヨーク、ムンバイ、サンパウロ、ジャカルタおよびドーハに拠点を置いています。65dB TOKYOはTBWA HAKUHODO傘下に組織を置く事で、TBWA HAKUHODOのグローバルレベルのクリエイティブチームとも連携し、マーケティングプロセスをワンストップで支援することも可能です。
■ TBWA HAKUHODO(TBWA博報堂)について
2006年に博報堂、TBWAワールドワイドのジョイントベンチャーとして設立された総合広告会社です。博報堂のフィロソフィーである「生活者発想」「パートナー主義」とTBWAがグローバル市場で駆使してきた「DISRUPTION®︎」メソッドを中心とした独自のノウハウを融合。質の高いソリューションを創造し、クライアントのビジネスの成長に貢献します。「DISRUPTION®︎」は既成概念に縛られず、常識を壊し、新しいビジョンを見いだすTBWA HAKUHODOの哲学です。マーケティングに限らず、ビジネスにおけるすべての局面でディスラプションという新しい視点を武器に事業やブランドを進化させるアイデアを生み出します。
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