アジアインサイトレポート 第18弾『アジア4都市の購買行動におけるメディア利用実態』

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、アジアの人々の意識や行動を探るため、インテージグループ各社と協力し、アジア地域の人々を対象にさまざまなテーマで実施した自主企画調査をもとに「アジアインサイトレポート」を発行しています。第18弾のレポートでは、『アジア4都市の購買行動におけるメディア利用実態』を発表します。
購入前に情報収集を生活者自らが行い商品の比較・検討を経て購入決定するプロセスは、近年は耐久消費財や高価格商品のみならず、日常消費する食品・飲料・日用雑貨品まで及びつつあります。その要因として考えられるのがスマートフォンやSNSであり、特にアジア地域でのその普及スピードには目を見張るものがあります。
今回は、各都市のデオドラント製品を購入するまでと購入後のプロセスにおいてどのようなメディアに接しているかに焦点を当て、インテージの独自調査Asia Insight Research※1 で明らかになった各都市の違いを分析しました。

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まとめ
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アジア4都市におけるデオドラント商品購入前後のプロセスは、「商品の浸透率」と「スマートフォンの利用率」が要因となって、各都市でプロセスの長さに違いが見られる結果となった。

情報接点への接触数は多い都市で平均8~9ステップあり、その多くは店舗とテレビでの接触に占められる。しかし、公共交通機関が相対的に未発達のホーチミンのような都市では、スマートフォンでの情報収集・接触が積極的に行われている状況が推察され、結果的に商品浸透率が高いバンコクやジャカルタと同様の長さのプロセスが形成されている。
一方、デリーはスマートフォンの普及が限定的で、むしろ家族や友人・知人と直接話をするアナログの口コミが購買行動に影響を与える機会として依然多い。 

以上より、商品プロモーションの際のメディア戦略立案においては、国や都市ごとにそれぞれのカスタマージャーニーを理解することが不可欠といえる。その中でも、スマートフォンの普及が進むと、テレビ、ラジオ、新聞・雑誌、交通・屋外広告といった従来型メディアを飛び越えた情報収集・接触現象が起こる様子が伺える。スマートフォンの普及に伴う購買行動の多様な変化を、短い期間で定期的に捉えることが今後のキーとなるだろう。

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調査結果
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1.購買行動プロセスの長さ
調査では、デオドラント商品ユーザーを対象に、商品を見聞きした時から購入した後までを「認知」「購入検討」「購入後」の3段階に分け、各段階でどのような情報接点にどのような順番で接したかを聴取した。

 [図1] デオドラント商品購入前後のプロセスの回答例 【ホーチミン 30代 男性】 

商品を見聞きした時から購入した後までの3段階を合計した情報接点への接触数は、4都市の中でジャカルタが9.4と最も多く、次いでホーチミン8.9、バンコク8.2、デリー5.0となった。

[表1] 購買行動段階別情報接点平均接触数 【ベース:デオドラント商品ユーザー】(件)

デオドラント商品の浸透率と照らし合わせてみると、商品浸透率が全体の半数程度であるデリーは情報接点への接触数が圧倒的に少ないのに対し、ホーチミンでは接触数が多い。一方、十分に商品浸透が進んだバンコクとジャカルタは、バンコクはホーチミンよりも少ない接触数であるのに対し、ジャカルタはホーチミンよりも接触数が多く、豊富な商品ラインナップの中で商品の比較・検討をより行っているものと推測される。

[図2] 「デオドラント商品の浸透率」と「情報接点への接触数」の4象限マップ


2.接触メディアの内訳
接触した情報接点の内訳をみると、店舗とテレビでの接触が多くを占める。これに口コミ(家族や友人・知人との話)が続く。商品浸透がまだ十分でないデリーではそもそもTVや店舗での露出が少ないと考えられ、それよりも口コミへの接触機会が多いのはデリーならではの特徴と言える。特に口コミは購入前から購入後の増加が顕著で、アナログ世界ではあるが購入後の情報受発信は活発なようである。

 店舗での接触は4都市共通で多いが、その中でもホーチミンでは店員との接触、ジャカルタではPOPの接触が多く、店舗内での積極的なプロモーションが購買行動プロセスにおいて影響を与えている可能性が考えられる。

また、公共交通機関が比較的整備されているバンコクにおいては、交通・屋外広告の接触機会が他都市よりも多く、ホーチミンでは手元で情報接触できるオンライン広告接触が他都市よりも多い点が特徴と言える。

[表2] 情報接点内訳詳細 ~各都市上位項目(5%以上)~ 【ベース:デオドラント商品ユーザー】
■購入前(認知/比較・検討)

■購入後

ホーチミンのスマートフォンの利用率はバンコク・ジャカルタと同程度あり、店舗や交通・屋外広告の従来型広告に物理的に接触しなくとも、手元のスマートフォンに送られてくる情報に接触したり自発的に情報収集を行ったりしているものと推測される。

[表3] スマートフォン利用率 【ベース:全体】 

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調査概要
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調査方法 ランダムロケーションクオータサンプリングによる訪問面接調査
調査時期 2016年4月(前回は2015年6月、前々回は2014年7月)
調査対象者 タイ(バンコク)、インドネシア(ジャカルタ)、ベトナム(ホーチミン)、
インド(デリー)各都市に3年以上居住、かつSEC※2=A~D の
20~59才1,200名(各都市300名)
調査実施機関 株式会社インテージおよび海外グループ会社


※1Asia Insight Researchとは

インテージグループが、毎年実施している自主企画調査です。生活・消費実態から、アジア各都市の生活者の意見、評価、認知を聴取しています。

※2SEC=Social Economic Class =社会階層分類

【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values ~ お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点にたったマーケティングの実現を支援して参ります。

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会社概要

URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都 千代田区神田練塀町3番地 インテージ秋葉原ビル
電話番号
03-5294-7411
代表者名
仁司 与志矢
上場
東証1部
資本金
16億8140万円
設立
1960年03月