傷跡の盛り上がりに悩む人の約65%が「治療できることを知らなかった」と回答 ケロイド・肥厚性瘢痕の認知度調査で判明した3つの誤解
皮膚外科医監修のもと、傷跡治療に関する正しい知識と最新の治療選択肢を解説
【結論】本調査のポイント
結論から言うと、傷跡が盛り上がる原因は、創傷治癒過程でのコラーゲン産生過剰です。ケロイドは自然治癒しにくいですが、適切な治療により改善が期待できます。ケロイドと肥厚性瘢痕の違いは、ケロイドが元の傷の範囲を超えて広がり続けるのに対し、肥厚性瘢痕は傷の範囲内にとどまり時間とともに軽減する傾向がある点です。
・傷跡の盛り上がりに悩む人の64.7%が「治療できることを知らなかった」と回答
・ケロイドと肥厚性瘢痕の違いを正しく理解している人はわずか18.3%
・治療を受けた人の78.6%が「もっと早く受診すればよかった」と感じている
用語解説
■ ケロイドとは
ケロイドとは、傷が治る過程で線維芽細胞が過剰に増殖し、コラーゲンが異常に蓄積することで、元の傷の範囲を超えて赤く盛り上がった瘢痕組織が形成される疾患である。自然軽快しにくく、かゆみや痛みを伴うことが多い。遺伝的要因や体質が関与し、胸部、肩、耳たぶなどに好発する。
■ 肥厚性瘢痕とは
肥厚性瘢痕とは、傷の治癒過程でコラーゲンが過剰に産生され、傷跡が赤く盛り上がった状態である。ケロイドと異なり、元の傷の範囲内にとどまり、数ヶ月から数年かけて自然に平坦化・軟化する傾向がある。関節部など張力がかかる部位に生じやすい。
■ ステロイド局所注射療法とは
ステロイド局所注射療法とは、トリアムシノロンなどの副腎皮質ステロイドをケロイドや肥厚性瘢痕に直接注射する治療法である。コラーゲン合成を抑制し、瘢痕組織を軟化・縮小させる効果がある。日本皮膚科学会ガイドラインで第一選択治療として推奨されている。
ケロイドと肥厚性瘢痕の比較

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比較項目 |
ケロイド |
肥厚性瘢痕 |
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傷の範囲を超えるか |
超えて広がり続ける |
傷の範囲内にとどまる |
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自然経過 |
自然軽快しにくい |
数ヶ月〜数年で軽快傾向 |
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好発部位 |
胸部・肩・耳たぶ・下腹部 |
関節部など張力がかかる部位 |
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かゆみ・痛み |
強いことが多い |
比較的軽度 |
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体質の関与 |
強い(遺伝的要因あり) |
比較的弱い |
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治療の必要性 |
積極的治療が必要 |
経過観察も選択肢 |
※当院監修医師の30,000件以上の皮膚外科手術実績に基づく臨床所見です。個々の症状により異なる場合があります。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、傷跡の盛り上がり(ケロイド・肥厚性瘢痕)に関する意識調査を実施しました。当院は皮膚腫瘍・皮膚外科領域で30,000件以上の手術実績を持つ髙桑康太医師の監修のもと、日帰り手術や各種瘢痕治療を提供しております。本調査では、傷跡の盛り上がりに悩む方の認知度や治療に対する意識を明らかにし、正しい情報提供を目的としています。
調査背景
外傷や手術後の傷跡が盛り上がるケロイドや肥厚性瘢痕は、見た目の問題だけでなく、かゆみや痛み、関節部では動きの制限など、日常生活に支障をきたすことがあります。しかし、多くの方が「傷跡は仕方ない」と諦めていたり、ケロイドと肥厚性瘢痕の違いを理解していないため、適切な治療時期を逃しているケースが少なくありません。そこで当院では、傷跡の盛り上がりに関する正しい知識の普及と早期治療の重要性を啓発するため、本調査を実施しました。
調査概要
調査対象:傷跡の盛り上がり(ケロイド・肥厚性瘢痕)に悩んだ経験がある、または現在悩んでいる全国の20〜60代の男女
調査期間:2026年6月22日〜7月1日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果 約65%が「傷跡の盛り上がりは治療できることを知らなかった」と回答
設問:傷跡の盛り上がり(ケロイド・肥厚性瘢痕)が医療機関で治療できることを知っていましたか?

傷跡の盛り上がりが医療機関で治療できることを知らない人が6割以上に上りました。「傷跡は仕方ない」という認識が根強く、治療の選択肢があることが十分に認知されていない現状が明らかになりました。
ケロイドと肥厚性瘢痕の違いを正しく理解している人はわずか18.3%
設問:ケロイドと肥厚性瘢痕の違いを知っていますか?

半数以上がケロイドと肥厚性瘢痕を同じものと認識しており、両者の違いを正しく理解している人は2割未満でした。治療方針や予後が異なるため、正確な診断と説明の重要性が示されました。
「見た目の問題」が最多の42.0%、次いで「かゆみ・痛み」が31.7%
設問:傷跡の盛り上がりで最も困っていることは何ですか?

見た目の問題が最多でしたが、かゆみや痛みといった身体的苦痛を訴える人も3割以上存在します。ケロイドは美容面だけでなく、QOL(生活の質)に大きく影響する疾患であることがわかります。
「特に何もしていない」が最多の38.7%、市販薬使用は26.3%にとどまる
設問:傷跡の盛り上がりに対して、これまでにどのような対処をしましたか?(複数回答可・最も当てはまるものを選択)

約4割が何も対処していないことが判明しました。医療機関を受診した人は2割未満にとどまり、多くの人が適切な治療を受けていない現状が浮き彫りになりました。
治療経験者の78.6%が「もっと早く受診すればよかった」と回答
設問:傷跡の盛り上がりの治療を受けた方にお聞きします。治療を受けた時期について、どのように感じていますか?

治療を受けた人の約8割が早期受診を後悔しており、傷跡の盛り上がりは早めの治療が効果的であることを示唆しています。特にケロイドは進行するほど治療が困難になるため、早期介入の重要性が改めて確認されました。
調査まとめ
本調査により、傷跡の盛り上がり(ケロイド・肥厚性瘢痕)に関する認知度の低さが明らかになりました。約65%が治療できることを知らず、半数以上がケロイドと肥厚性瘢痕の違いを理解していません。また、約4割が何の対処もせず放置しており、医療機関を受診した人は2割未満にとどまっています。一方で、治療を受けた人の約8割が「もっと早く受診すればよかった」と感じており、早期治療の重要性と正しい知識の普及が急務であることが示されました。傷跡の盛り上がりは、見た目の問題だけでなく、かゆみ・痛み・日常生活への支障など、QOLに大きく影響する疾患です。適切な時期に適切な治療を受けることで、症状の改善が期待できます。
医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師
当院監修医師として30,000件以上の皮膚外科手術実績から申し上げると、ケロイド・肥厚性瘢痕は「諦めるべき傷跡」ではなく、「治療により改善が期待できる疾患」です。早期に適切な治療を開始することで、多くの患者さんが症状の軽減を実感されています。
傷跡が盛り上がるメカニズムは、傷が治る過程で線維芽細胞が過剰に働き、コラーゲンが必要以上に産生されることにあります。通常であれば、傷が治ると過剰なコラーゲンは分解されて平坦になりますが、この調節機能がうまく働かないと、赤く盛り上がった傷跡となります。
ケロイドと肥厚性瘢痕は混同されやすいですが、治療方針を決める上で区別が重要です。ケロイドは元の傷の範囲を超えて周囲に広がり続け、自然に軽快しにくい特徴があります。一方、肥厚性瘢痕は傷の範囲内にとどまり、時間とともに軟化・平坦化する傾向があります。ケロイドは遺伝的要因が強く、体質的になりやすい方がいらっしゃいます。
治療法としては、ステロイド局所注射療法が第一選択となります。これはトリアムシノロンという薬剤を瘢痕に直接注射し、コラーゲン合成を抑制して瘢痕を軟化・縮小させる方法です。その他、圧迫療法、シリコンシート貼付、外用療法、放射線療法、手術療法など、症状に応じて複数の治療法を組み合わせることで、より効果的な治療が可能です。
特にケロイドは進行性であり、放置すると範囲が広がったり、症状が悪化することがあります。調査結果でも示されたように、治療を受けた方の約8割が「もっと早く受診すればよかった」と感じています。気になる傷跡の盛り上がりがあれば、まずは皮膚科・形成外科を受診し、正確な診断を受けることをお勧めします。
【エビデンス】日本皮膚科学会の「ケロイド・肥厚性瘢痕診療ガイドライン」では、ステロイド局所注射療法が推奨度Aとして位置づけられています。当院監修医師の臨床経験においても、早期から適切な治療を行った症例では、高い改善率が得られています。
ケロイド・肥厚性瘢痕の主な治療法
・ステロイド局所注射療法:第一選択、月1回程度の注射で瘢痕を軟化・縮小
・圧迫療法・シリコンシート:外用による補助療法、継続使用が重要
・手術療法+術後放射線照射:再発しやすいケロイドには併用療法が有効
早期受診を勧める症状の目安
・傷が治って3ヶ月以上経過しても赤みや盛り上がりが改善しない
・傷跡が元の傷の範囲を超えて広がってきている
・かゆみや痛みが続いている、または強くなっている
髙桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 傷跡が盛り上がるのはなぜですか?
A. 傷が治る過程でコラーゲンが過剰に産生されることが原因です。
傷が治る際には、線維芽細胞がコラーゲンを作って傷を埋めていきます。通常はこのコラーゲンが適切に分解・リモデリングされますが、この調節がうまくいかないと、過剰なコラーゲンが蓄積して赤く盛り上がった傷跡になります。体質や傷の部位、傷への張力などが関与しています。
Q2. ケロイドは治りますか?自然に治ることはありますか?
A. ケロイドは自然治癒しにくいですが、適切な治療で改善が期待できます。
本調査では治療を受けた方の78.6%が症状の改善を実感しています。ケロイドは肥厚性瘢痕と異なり、自然に軽快することはほとんどありません。しかし、ステロイド注射や圧迫療法、必要に応じて手術と放射線療法の併用など、適切な治療により症状の軽減が可能です。早期治療が効果的です。
Q3. ケロイドと肥厚性瘢痕の違いは何ですか?
A. ケロイドは元の傷を超えて広がり続け、肥厚性瘢痕は傷の範囲内にとどまります。
調査では52.3%が両者を同じものと認識していました。ケロイドは元の傷の範囲を超えて周囲に広がり続け、自然軽快しにくい疾患です。一方、肥厚性瘢痕は傷の範囲内にとどまり、数ヶ月から数年で自然に軽快する傾向があります。正確な診断により治療方針が異なるため、専門医での診察が重要です。
Q4. ケロイドの治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 症状の程度により異なりますが、数ヶ月から1年以上の治療期間が一般的です。
ステロイド局所注射の場合、月1回程度の治療を数ヶ月〜1年以上継続することが多いです。治療開始後、徐々に瘢痕が軟化・平坦化していきます。当院監修医師の治療経験では、早期に治療を開始した症例ほど治療期間が短く、改善率も高い傾向にあります。根気強く治療を続けることが大切です。
Q5. 市販の傷跡ケア製品でケロイドは治りますか?
A. 市販製品だけでケロイドを治すことは困難であり、医療機関での治療が推奨されます。
調査では市販製品を使用した人が26.3%いましたが、ケロイドは市販製品だけでの改善は難しい疾患です。シリコンシートや傷跡ケアジェルは補助的な役割として有用ですが、ステロイド注射などの医療的治療との併用が効果的です。傷跡の盛り上がりが気になる場合は、まず医療機関で正確な診断を受けることをお勧めします。
放置のリスク
・ケロイドは放置すると徐々に広がり、治療が困難になる可能性がある
・かゆみ・痛みが悪化し、睡眠障害や日常生活に支障をきたす
・関節部のケロイドは拘縮を起こし、関節の動きが制限されることがある
・精神的ストレスや自己肯定感の低下につながることがある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・傷が治って3ヶ月以上経っても赤みや盛り上がりが改善しない場合
・傷跡が元の傷の範囲を超えて広がってきている場合
・傷跡にかゆみや痛みが続いている、または強くなっている場合
・以前ケロイドができたことがあり、新しい傷ができた場合
・ケロイド体質と言われたことがある方が手術を受ける前
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚腫瘍・皮膚外科領域で30,000件以上の手術実績を持つ医師が監修
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