ノバルティス、継続事業の売上高12%増、コア営業利益21%増(実質ベース1)を達成。サンドのスピンオフを実施し、研究開発面でのマイルストーンを達成するとともに、2023年通期業績予想を上方修正

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2023年10月24日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照下さい。
  • サンドの独立により、革新的医薬品に特化した製薬企業への転換を完了;以下の内容は、継続事業2に関するもの

  • 2023年第3四半期の売上高は12%増(実質ベース、米ドルベース 12%増)、コア営業利益は21%増(実質ベース、米ドルベース 17%増)

    o    ケシンプタ(実質ベース 124%増)、エンレスト(実質ベース 31%増)、Kisqali(実質ベース 76%増)、Pluvicto(実質ベース 217%増)およびセムブリックス(157%増)の継続的で堅調な業績が成長を牽引

  • 2023年第3四半期の営業利益は売上高の増加と事業再編費の減少により13%増(実質ベース、米ドルベース 4%減)、開発初期段階のプロジェクトの中止に伴う減損費用の増加により一部相殺

  • 2023年第3四半期の純利益は37%増(実質ベース、米ドルベース 14%増)、主に営業利益の拡大が寄与

  • 2023年第3四半期のフリーキャッシュフロー3は、50億米ドル(米ドルベース 24%増)、営業活動からのキャッシュフローの増加が寄与

  • 2023年第3四半期のコアEPSは29%増(実質ベース、米ドルベース 24%増)の1.74米ドル

  • 2023年1-9月期の業績は好調、売上高は10%増(実質ベース、米ドルベース 8%増)、コア営業利益は19%増(実質ベース、米ドルベース 13%増)

  • 2023年第3四半期のイノベーション面での主なマイルストーンには、ブロックバスターとなる可能性がある複数の開発プロジェクトの第Ⅲ相臨床試験における肯定的なデータが含まれる:

    o    コセンティクス – FDAは3つの適応症(乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎)に対する静注製剤を承認

    o    1) Pluvictoのタキサン系抗がん剤未治療の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)適応、2) iptacopanのIgA腎症適応、3) remibrutinibの慢性の特発性蕁麻疹(CSU)適応、4) ルタテラの膵・消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NETs)適応に関する臨床的に意味があり、統計学的に有意な第Ⅲ相臨床試験データが示される

    o    Kisqali – 第Ⅲ相NATALEE試験の無浸潤疾患生存期間(iDFS)に関するイベント解析が終了;EUで承認申請を実施、米国での承認申請は2023年第4四半期の予定

  • 最大で150億米ドルの発表済みの自己株式購入を開始(2025年末までに完了)

  • 力強い業績の伸びを受け、コア営業利益の2023年通期業績予想を上方修正4

    o    売上高は、一桁台後半の成長率を予想

    o    コア営業利益は、10%台半ばから後半の成長率を予想(10%台前半から半ばの成長率から上方修正)


2023年10月24日、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2023年第3四半期の業績について、次のようにコメントしています。

「ノバルティスは、売上高およびコア営業利益の二桁成長を記録し、2023年通期業績予想のさらなる上方修正を行うなど、第3四半期は非常に力強い業績を達成しました。ノバルティスは、サンドのスピンオフを成功裏に実施し、高い価値をもたらす革新的医薬品に特化することができるようになりました。ケシンプタ、エンレスト、Kisqali、Pluvictoなどの成長製品は、引き続き市場で優れた業績を示しています。私たちの強力なパイプラインもまた、引き続き成果を生み出しており、Pluvicto、iptacopan、remibrutinib、ルタテラに関して重要なマイルストーンを達成しました。ノバルティスは、中期的な成長の見通しに自信を持っており、引き続き株主に対する価値の創出に注力していきます」



戦略アップデート

 

事業の集中

 ノバルティスは、サンドのスピンオフを成功裏に終え、革新的医薬品に特化した製薬企業への転換を完了しました。現在、ノバルティスは、4つのコア疾患領域(循環器・腎臓・代謝、イムノロジー、中枢神経、オンコロジー)に焦点を合わせています。私たちはこの4つの疾患領域それぞれにおいて、負担が大きい疾患に対する治療薬であり、大きな成長の可能性を持つ複数の上市済みならびに開発中の製品を持っています。また、ノバルティスは、既存の2つの技術プラットフォーム(化学、バイオ医薬品)に加え、新たに3つのプラットフォーム(遺伝子・細胞療法、放射線リガンド療法、xRNA)の研究開発力、および生産規模の拡大に、優先的かつ継続的に投資しています。地理的な面では、優先地域である米国、中国、ドイツ、日本での成長にフォーカスしています。

 

財務業績

 2023年9月15日の株主によるサンドの独立の承認後、ノバルティスは、当期ならびに過去の会計年度の連結業績報告書を“継続事業”と“非継続事業”に分けて報告しています。

 継続事業には、イノベーティブ メディスン事業部門ならびに継続する企業活動からなるノバルティスに残る事業が含まれます。非継続事業には、サンド事業部門およびサンドの事業に関連する一部のコーポレート活動、さらに、独立に関わる特定の費用が含まれます。

 サンドの事業の独立に伴い、ノバルティスは、グローバルに事業を展開する一つのセグメントとして事業の運営を行い、革新的医薬品に集中した企業となります。

 この後の説明は、継続事業に関するものです。また、主にサンドとその関連の企業活動からなる非継続事業についての情報も提供しています。

                            

継続事業

 

2023年第3四半期(7~9月)

 売上高は、販売量の17ポイントの伸びに牽引され、118億米ドル(12%増、実質ベース 12%増)となりました。価格低下によるマイナス影響は1ポイント、ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は4ポイントでした。

 営業利益は、売上高の増加および事業再編費の減少が、開発初期段階のプロジェクトの中止に伴う減損費用の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、18億米ドル(4%減、実質ベース 13%増)となりました。

 純利益は、主に営業利益の増加ならびに経営外損益の計上に伴う税率の低下により、15億米ドル(14%増、実質ベース 37%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、0.73米ドル(20%増、実質ベース 45%増)となり、発行済み株式数の加重平均値の減少により、純利益の伸び率を上回りました。

 コア営業利益は、主に売上高の増加により、44億米ドル(17%増、実質ベース 21%増)となりました。コア売上高営業利益率は、1.4ポイント拡大(実質ベース 2.7ポイント増)し、37.4%となりました。

 コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、36億米ドル(18%増、実質ベース 23%増)となりました。コアEPSは1.74米ドル(24%増、実質ベース 29%増)となり、発行済み株式数の加重平均値の減少により、コア純利益の伸び率を上回りました。

 フリーキャッシュフローは、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加に伴い、前年同期の41億米ドルから50億米ドル(米ドルベース 24%増)に拡大しました。

 

2023年1-9月期

 売上高は、販売量の16ポイントの伸びに牽引され、34億米ドル(8%増、実質ベース 10%増)となりました。価格低下によるマイナス影響は2ポイント、ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は4ポイントでした。

 営業利益は、売上高の増加と係争関連のその他の収入、事業再編費の減少によるプラス要因が、開発初期段階のプロジェクトの中止に伴う減損費用の増加により一部相殺され、72億米ドル(16%増、実質ベース 31%増)となりました。

 純利益は、主に営業利益の増加が寄与し、59億米ドル(25%増、実質ベース 41%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、2.84米ドル(31%増、実質ベース 49%増)となり、発行済み株式数の加重平均値の減少により純利益の伸び率を上回りました。

 コア営業利益は、主に売上高の増加により、126億米ドル(13%増、実質ベース 19%増)となりました。コア売上高営業利益率は、1.7ポイント上昇(実質ベース 2.9ポイント増)し、36.9%となりました。

 コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、103億米ドル(15%増、実質ベース 22%増)となりました。コアEPSは4.95米ドル(21%増、実質ベース 28%増)となり、発行済み株式数の加重平均値の減少により、コア純利益を上回る伸び率を示しました。

 フリーキャッシュフローは、オペレーティング活動からのキャッシュフロー(純額)の増加に伴い、前年同期の87億米ドルから110億米ドル(米ドルベース 27%増)に拡大しました。

 

非継続事業

 2023年第3四半期ならびに1-9月期の非継続事業の業績には、サンド事業部門およびサンドの事業に関連する一部の企業活動、さらにスピンオフに関わる特定の費用が含まれます。

 2023年10月4日に実施されたサンドの独立を受け、ノバルティスは、第4四半期の非継続事業の業績の一部として、国際会計基準(IFRS)ベースの一時的な非現金非課税収益約59億米ドルを計上します。このIFRSベースの収益は、主に、その時点でのサンドの資産のIFRSベースの評価額に対する、ノバルティス株主に分配されたサンドの事業の見積もり評価額の分配負債の超過分に関するものです。

 

2023年第3四半期(7~9月)

非継続事業の売上高は、主に米国以外での成長に牽引され、25億米ドル(8%増、実質ベース 6%増)となりました。

 前年同期の342百万米ドルの営業利益に対し、当四半期の営業損失は86百万米ドルとなりました。2023年第3四半期の営業損失は、主な調整額であるサンドのスピンオフに関連する費用によるものです。

 コア営業利益は、主に粗利益率の低下と販管費の増加に伴い、250百万米ドル(51%減、実質ベース 38%減)となりました。

 非継続事業の純利益は、前年同期の245百万米ドルから250百万米ドルとなりました。

 

2023年1-9月期

 非継続事業の売上高は、主に米国以外での成長に牽引され、74億米ドル(6%増、実質ベース 8%増)となりました。

 営業利益は、前年同期の11億米ドルから265百万米ドルに減少しました。当四半期の業績には、主な調整額であるサンドのスピンオフに伴う取引に関する費用が含まれます。

 コア営業利益は、主に販管費の増加と研究開発費の増加により、12億米ドル(20%減、実質ベース 11%減)となりました。

 非継続事業の純利益は、前年同期の755百万米ドルから440百万米ドルに減少しました。

 

ノバルティス全体

 

2023年第3四半期(7~9月)

 ノバルティス全体の純利益は、主に営業利益の増加と経営外損益の計上に伴う税率の低下により、前年同期の16億米ドルから18億米ドルに増加しました。EPSは、前年同期の0.73米ドルから0.85米ドルに増加しました。

 

オペレーティング活動からのキャッシュフローは、前年同期の47億米ドルから54億米ドルに増加しました。フリーキャッシュフローは、前年同期の44億米ドルから50億米ドルに増加しました。

 

2023年1-9月期

 ノバルティス全体の純利益は、主に営業利益の増加により、前年同期の55億米ドルから64億米ドルに増加しました。EPSは、前年同期の2.50米ドルから3.05米ドルに増加しました。

 

営業活動からのキャッシュフローは、前年同期の101億米ドルから119億米ドルに増加しました。フリーキャッシュフローは、前年同期の93億米ドルから110億米ドルに増加しました。



2023年第3四半期の成長の主な原動力

第3四半期の業績は、以下を含む成長の主な原動力への継続的なフォーカスに下支えされました:


研究開発関連のアップデート ― 第3四半期の主な進捗

資本構成および純負債額

 

事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことを今後も引き続き優先します。

 

2023年1-9月期、ノバルティスは、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、合計7,490万株の自己株式を72億米ドルで買い戻しました。これには、150億米ドルの自己株式購入(2021年12月に発表され、2023年6月に終了)の一環としての5,280万株(49億米ドル)、ならびに2023年7月に発表された最大で150億米ドルの新たな自己株式購入の一環としての1,040万株(11億米ドル)が含まれます。また、1,170万株(12億米ドル)が、社員持ち株制度関連の希釈化影響を軽減する目的で買い戻されました。さらに、140万株(株式価値1億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2023年1-9月期に、社員持ち株制度関連のオプション権行使ならびに株式受け渡しにより、1,220万株(株式価値8億米ドル)が受け渡されました。この結果、発行済み株式総数は、2022年12月31日時点と比べて6,410万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が65億米ドル減少するとともに、現金支出(純額)は73億米ドルとなりました。

 

非継続事業関連の純負債額を除く、2023年9月30日現在の純負債額は、2022年12月31日時点の72億米ドルから108億米ドルに増加しました。増加の主な要因は、73億米ドルの年間配当金の支払いと73億米ドルの自己株式の取引による現金支出(純額)、M&A関連の無形資産の取引29億米ドル(純額)が、フリーキャッシュフロー110億米ドルによって一部相殺されたことです。

 

サンドは、独立に関連して、合計37億米ドルの銀行借り入れを行い、2023年9月30日時点でサンドとその子会社がノバルティスとその関連会社から借り入れていた特定の企業間負債の支払いを含め、約30億米ドルを現金で支払いました。これに伴い、ノバルティスの純負債額は30億米ドル減少しました。

 

2023年第3四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ投資家サービスがA1、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。


2023年通期業績予想を上方修正 ― 力強い成長の勢いが寄与

主な前提条件:

  • 米国においてエンレストのジェネリック医薬品が2023年に上市されない

  • 米国においてサンドスタチンLARのジェネリック医薬品が2023年に市場に参入しない

 

エンレストの特許に関するアップデート

ノバルティスは、米国連邦地方裁判所による否定的な判決を覆し、エンレストの配合剤ならびにサクビトリルとバルサルタンの配合剤に関する特許(2025年に特許満了を迎える小児科用途の独占的使用権)の有効性を支持することを求め、控訴しました。米国において、暫定的または最終的な承認を得ているジェネリック医薬品はありません。ノバルティスの配合剤に関する控訴審、あるいは、そのほかの特許に関する進行中の裁判の最終的な判決が出るまでの、米国におけるエンレストのいかなるジェネリック医薬品の商業的な上市も、今後の訴訟に発展するリスクがあります。

 

 

外国為替の影響

2023年10月下旬の為替レートが2023年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2023年通期での為替の影響は、売上高に対してマイナス2ポイント、コア営業利益に対してマイナス6ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。

 

 

免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。

 

 

ノバルティスについて 

ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、医薬の未来を描いています。社会が直面する数々の重大な疾病負担を軽減するために、価値のある医薬品の創出を志し、研究開発における技術的リーダーシップと新しいアクセスの在り方を追求しています。新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。詳細はホームページをご覧ください。

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医薬・製薬
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会社概要

URL
https://www.novartis.co.jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー
電話番号
03-6899-8000
代表者名
ジョンポール・プリシーノ
上場
未上場
資本金
60億円
設立
1997年04月