【国立科学博物館】博物館が作った映画が映像祭で入選! ドキュメンタリー映画「スギメ」が文部科学大臣賞を受賞

文化庁

国立科学博物館(館長:篠田 謙一)が企画・製作した「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」の研究活動を記録したドキュメンタリー映画「スギメ」が、第62回科学技術映像祭に於いて、文部科学大臣賞(教育・教養部門)を受賞しました。

松尾泰樹文部科学審議官から表彰状と楯を授与松尾泰樹文部科学審議官から表彰状と楯を授与

門田監督(左)、海部教授(右)門田監督(左)、海部教授(右)

 令和3年4月16日(金)に科学技術館・サイエンスホール(東京都千代田区)にて開催された、第62回科学技術映像祭入選作品発表会・表彰授与式に於いて、国立科学博物館が企画・製作した長編ドキュメンタリー映画「スギメ」が文部科学大臣賞(教育・教養部門)を受賞し、文部科学省 松尾泰樹文部科学審議官より、製作スタッフに表彰状が授与されました。

 同映画祭事務局によると、博物館が企画・製作した映画が入選するのは初めての快挙とのことです。審査委員の講評として「作品にまとめて報告し評価されるということに意味がある。」「海洋ドキュメンタリーとしての魅力も備えた逸品だ。」とコメントを頂戴しました。

 
  • 映画「スギメ」について

 3万数千年前にはじめて日本列島へやってきた祖先たちがどのように困難な海を渡ったかを壮大な野外実験(実験航海)によって解明しようと、国立科学博物館が国立台湾史前文化博物館と共に取り組んだ国際共同研究が「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」です。


 クラウドファンディングにより支援を募り、2度の挑戦で敗れながらも、3度目の挑戦で見事公開に成功するなど、この取り組みは大きな話題となりました。

映画「スギメ」のシーン(荒波を漕ぎ続け、与那国島にたどり着いた)映画「スギメ」のシーン(荒波を漕ぎ続け、与那国島にたどり着いた)


 国立科学博物館は、この研究の6年に渡る膨大な映像記録をもとに、自ら企画・製作して長編ドキュメンタリー映画「スギメ」を完成させました。

 この映画の上映を通じて、多くの皆様に、科学者たちが航海の難しさや太古の技術を粘り強く解き明かし、知られざる祖先たちの実像に迫っていく姿を映しながら、科学的探求の面白さ、博物館における研究の重要性を伝えていきたいと考えています。今後は、全国各都市の科学館等で開催される科学技術映画祭入選作品上映会で上映されるほか、動画配信プラットフォームを活用したオン・デマンド配信や自主上映会など、さまざまな上映機会の創出に取り組んで参ります。

映画「スギメ」映画「スギメ」


作  品  名 :スギメ(3万年前の航海 徹底再現プロジェクト)
企画・製作 :独立行政法人国立科学博物館
制 作 協 力:有限会社海工房
総 監 修 :海部 陽介(前国立科学博物館人類史研究グループ長/東京大学総合研究博物館)
監督・脚本 :門田 修(海工房)
撮   影 :杉浦 由典、宮澤 京子、熊谷 裕達、兒玉 成彦、毛利 立夫
声 の 出 演:宮崎 美子、岡本 昇
原   案 :「サピエンス日本上陸 3万年前の大航海」(講談社刊)
上 映 時 間:87分


*「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」については、下記WEBサイトをご覧ください。
https://www.kahaku.go.jp/research/activities/special/koukai/

 
  • シノプシス
 台湾と琉球列島の間には世界最大級の海流・黒潮が流れる。3万年以上前、祖先たちはそこをどうやって越えたのか? 想定し得る古代の舟として草の舟を作り実験航海に挑むも、黒潮に呑まれ失敗。翌年、台湾で竹いかだに挑戦したが、やはり強大な黒潮に流された。そこで最後の候補だった丸木舟を石器で製作。不安定で転覆しやすい丸木舟に手こずるも、試行錯誤を重ね、2019年7月に男女5人が台湾を出航。眠気と疲労に耐えて2晩以上漕ぎ続けて与那国島へたどり着き、日本列島へ渡った祖先たちのドラマを再現した。

映画「スギメ」のシーン(丸木舟は石斧で杉の木を伐り出した)映画「スギメ」のシーン(丸木舟は石斧で杉の木を伐り出した)

映画「スギメ」のシーン(与那国島を目指して丸木舟を漕ぎ続けた)映画「スギメ」のシーン(与那国島を目指して丸木舟を漕ぎ続けた)

映画「スギメ」のシーン(台湾から与那国島を目指す5人の漕ぎ手たち)映画「スギメ」のシーン(台湾から与那国島を目指す5人の漕ぎ手たち)

 
  • 第62回科学技術映像祭について

 科学技術映像祭は、公益財団法人日本科学技術振興財団、公益社団法人映像文化製作者連盟、公益財団法人つくば科学万博記念財団、一般財団法人新技術振興渡辺記念会が主催する映像祭です。優れた科学技術映像を選奨することで科学技術への関心を喚起するとともに、その普及と向上をはかり、社会一般の科学技術教養の向上に資することを目的として1960(昭和35)年より開催され、今回で第62回を迎えます。


 作品の選定にあたっては、まず運営委員会(委員長:永野博(公社)日本工学アカデミー顧問、他委員6名)を組織し、運営委員会の示す基本方針の下、2020年1月1日から2021年1月25日までに完成または放映された作品を公募し、「自然・くらし部門」「研究・技術開発部門」「教育・教養部門」の3部門に対し、34機関から65作品が出品されました。出品された作品について、小出重幸審査委員長(科学技術ジャーナリスト会議)をはじめとして13名の審査委員により審査試写ならびに討論を実施し、入選作品を選出、運営委員会において決定され、内閣総理大臣賞(1作品)、文部科学大臣賞(3作品)、部門優秀賞(6作品)、特別奨励賞(1作品)、つくば科学万博記念財団理事長賞(1作品)、新技術振興渡辺記念会理事長賞(1作品)、科学技術館館長賞(1作品)が製作者ならびに企画者に贈呈されました。

 詳しくは、科学技術映像祭公式WEBサイトをご覧ください。
*科学技術映像祭公式WEBサイト:http://ppd.jsf.or.jp/filmfest/
(入賞作品上映会開催の予定については、映像祭事務局にお問合せください。)

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番4
電話番号
075-451-4111
代表者名
都倉俊一
上場
未上場
資本金
-
設立
1968年06月