カンキツの高品質果実生産技術「シールディング・マルチ栽培(NARO S.マルチ)」における管理導入支援アプリを開発しました

AIソリューション事業を手掛ける株式会社ヘッドウォータース(本社:東京都新宿区、代表取締役:篠田 庸介、以下「ヘッドウォータース」)は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(※1)が開発した、カンキツの高品質果実生産技術「シールディング・マルチ栽培(以下NARO S.マルチ)」(※2)における管理導入支援アプリケーションを開発しました。
■経緯
NARO S.マルチは、温州ミカンなどの果実に適度な乾燥ストレスを与えることで、高糖度・高品質な果実の安定生産を実現するための栽培技術です。導入にあたっては、園地の排水性診断や専用資材の施工が必要であり、導入後も気象や土壌の状況に応じた適切な灌水判断が求められます。
この技術は、農林水産省が推進した令和3年度補正予算による「スマート農業技術の開発・実証・実装プロジェクト」(※3)の一環として実施された「カンキツ輸出に向けた高糖度果実安定生産技術と鮮度保持技術の確立(JPJ011397)」のカンキツ輸出コンソーシアム(※4)が主体となり現場への導入・活用が進められました。
ヘッドウォータースは、同コンソーシアムの一員として「NARO S.マルチ」の導入・管理作業を支援することを目的に、生産者がiPhoneから利用できるWebアプリケーションを開発しました。
本アプリは、診断・判断・管理といった各プロセスを支える機能を備え、現場の技術活用を円滑にするツールとして設計されています。
■アプリ開発の特徴
➀Azure Active Directory B2Cを採用し、万全な認証基盤を構築
本アプリには、生産者同士や技術指導員との間で果実の成長状況や診断結果を共有できる機能が備わっており、こうしたデータのやりとりを安心して行うためには柔軟性・拡張性・セキュリティ性を兼ね備えた認証基盤の導入が不可欠でした。
この基準を満たす情報共有環境を構築するため、Microsoft社のクラウド型認証基盤「Azure Active Directory B2C(Azure AD B2C)」(※5)を採用しました。Azure AD B2Cは、標準的な認証プロトコル(OAuth 2.0やOpenID Connect)への対応に加え、ユーザー管理やアクセス制御を安全かつスムーズに行える点が特長です。
今回のように、複数アカウントによる情報共有を前提としたWebアプリケーションにおいては、こうした認証の信頼性と柔軟な設定が可能なAzure AD B2Cが最適であると判断し、ヘッドウォータースのクラウド実装に関する専門知識と技術力をいかして実装を行いました。
➁農業現場でも使いやすいユーザーインターフェース
本アプリは農業現場における使いやすさを重視し、スマートフォンから直感的に操作できるユーザーインターフェースを採用しました。入力や診断の手順はシンプルかつ視覚的に分かりやすく構成されており、ICT(情報通信技術)に不慣れな利用者でも迷わず操作できるよう配慮しました。
例えば、AIを活用した灌水適期判断機能では、専門的な知識がなくても判断結果を直感的に理解できるよう、画面上に視覚的な表示を取り入れるなど、日常業務の中で自然に活用できる工夫を盛り込みました。操作のステップも最小限に抑え、生産者が無理なくAIの支援を受けられる構成としています。
また、各機能は現場の作業動線や判断フローに沿って配置されており、必要な情報にすばやくアクセスできる設計となっています。こうしたユーザー体験を重視したUX設計により、導入前の検討から導入後の管理までを一貫して支援できるアプリとして、現場で活用が進むことを期待しております。
■今後について
ヘッドウォータースは、アプリ構築を通じて得た知見や技術力を活かし、農業現場に寄り添ったITソリューションの提供によるスマート農業技術の実装に貢献してまいります。
なお、本件による当社の当期業績に与える影響は軽微であります。今後開示すべき事項が発生した場合には速やかにお知らせいたします。
以上
※1:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構について
https://www.naro.go.jp/index.html
※2:シールディング・マルチ栽培(NARO S.マルチ)について
https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nifts/2020/20_024.html
※3:「スマート農業技術の開発・実証・実装プロジェクト」について
https://www.affrc.maff.go.jp/docs/yosan/attach/pdf/mokuji-15.pdf
※4:「カンキツ輸出に向けた高糖度果実安定生産技術と鮮度保持技術の確立(JPJ011397)」のカンキツ輸出コンソーシアムについて
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/smart-nogyo/theme/files/SA2-103M.pdf
※5:Azure Active Directory B2C(Azure AD B2C)について
Microsoft Entra 製品群の一部として提供されているクラウドベースの認証プラットフォームです。顧客や市民、患者など、組織外の幅広いユーザーを対象に、高度なセキュリティと柔軟なカスタマイズ性を備えたログイン体験を提供できるのが特長です。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/active-directory-b2c/overview
■商標について
Microsoft、Azure AD B2Cは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。そのほか記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
■会社情報
会社名:株式会社ヘッドウォータース
所在地:〒163-1304 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー4階
代表者:代表取締役 篠田 庸介
設 立:2005年11月
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 商品サービス
- ビジネスカテゴリ
- システム・Webサイト・アプリ開発
- ダウンロード