航空宇宙産業向けRad-HardアナログICのラインアップを拡充

STマイクロエレクトロニクス

main image
QML V認定を取得したオペアンプの革新的ファミリ
--------------------------------------------------------------------
エレクトロニクス分野における多種多様なアプリケーションに半導体を提供する
世界的半導体メーカーで、航空宇宙用ICの世界的主要サプライヤである
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、QML V認定を取得した
4種類のオペアンプを追加し、放射線耐性を強化したヨーロッパの航空宇宙向け
製品(Rad-Hard製品)のポートフォリオを拡充したことを発表しました。これら
の製品の認定取得により、放射線耐性を高めたSTのアナログICの基盤がさらに
強化されます。非常に堅牢なこれらの製品は、宇宙空間のような極限環境下に
おける動作が可能で、機器の耐用年数を長期化することができます。

STの高信頼性・スタンダード製品事業部ジェネラル・マネージャであるAlberto
De Marco は、次の様にコメントしています。「米国衛星工業会(Satellite
Industry Association)によると、世界の衛星業界は順調に成長を続けています。
2010年、全世界での合計売上規模は1681億ドルに達し、過去5年間の業界の年間
平均成長率は11.2%です(1)。エンタテインメント、ナビゲーション、通信等、
日常生活における多くの活動が衛星に依存しており、それらが正しく機能し信頼
性を備えていることが非常に重要です。そのため、今回発表するような電子部品
にとって、宇宙空間に存在する高レベルの放射線への耐性が不可欠となります。」

STは、低線量率の放射線を含む300krad(Si)の電離放射線に対する標準強度
(トータルドーズ耐性、TID)を確立したことで、航空宇宙業界における1つの
基準となっています。そして、放射線耐性保証(Radiation Hardness Assurance、
RHA)認定製品である低線量率増感フリー(ELDRSフリー)のICを提供した最初の
サプライヤです。また、シングル・イベント・ラッチアップ(SEL)フリー
およびシングル・イベント誤割込み(SEFI)フリーな製品により、重イオンに
起因する損傷に対して最高レベルの耐性を実現しています。宇宙で使用される
アナログ製品にとって、重イオンに起因するシングル・イベント過渡(SET)と
呼ばれる過渡グリッチに対する保護は、特に重要な課題です。STは、過渡
グリッチに対する保護を提供するこれらの新製品により、引き続き市場をリード
します。

- RHF43Bの4チャネル版で、業界標準品の代替となるRHF484は、Flat-14W
 パッケージに搭載され、2011年8月にQML V認定を取得済みです。
- RHF310 / RHF330は、広範囲の信号コンディショニング・アプリケーションに
 最適な超低消費電力の5Vオペアンプです。120MHz製品および1.0GHz製品は、
 既にQML V認定を取得済みで、550MHzのRHF350は、2011年第4四半期に認定を
 取得する予定です。

STの宇宙用アナログICは、シングル・イベント過渡に特に配慮した設計となって
おり、小振幅、短期間グリッチという完全な特性が保証されています。

非常に低い消費電力を特徴とするSTのRad-HardアナログICは、BICMOS技術を採用
して設計されています。これらの製品は、宇宙用認定を取得した時点で欧州推奨
部品リスト(EPPL:European Product Part List)に追加されおり、フランス
国立宇宙研究センター(CNES:Centre National d'Etudes Spatiales)から積極
的な支援を受けています。

QML V認定取得済みアナログICの主な特徴
・QML V認定:トータルドーズ(TID)300krad(Si)
・ELDRS(低線量率増感)フリー
・SEL(シングルイベントラッチアップ)耐性:110MeV/mg/cm2 @ 125℃
・SET特性を完全保証
・溶接密閉パッケージ
・欧州輸出認定取得済み

航空宇宙用半導体について
宇宙用部品に対する主な要件は、バンアレン帯、太陽風と太陽フレア、銀河宇宙
線等を発生源とした宇宙全体に存在する放射線への耐性対応です。

放射線への耐性を強化した(Rad-Hard)製品は、あらゆる種類の粒子(大部分は
陽子・電子・重イオン)に遭遇するような環境でも動作可能で、公称性能と長寿
命を維持します。重イオンが衝突した場合、半導体(特にアナログIC)の過渡動
作が非常に重要になります。

トータルドーズ試験は、主に陽子および電子に起因するイオン化に対し、所定の
線量率(高、低、低増速)における製品の耐性を、krad(Si)を単位で測定しま
す。

重イオンに対する耐性は、認定デバイスに対して障害が発見されるまで次第に
エネルギーを増大させ、個々の構成要素に対する影響を検証する試験により測定
されます。BICMOSアナログICの試験には、以下の種類があります。
- シングル・イベント・ラッチアップ
- シングル・イベント過渡
- シングル・イベント誤割込み

放射線に関する要件は、高信頼性に対する航空宇宙業界の要求のごく一部に過ぎ
ません。欧州宇宙部品委員会(ESCC:European Space Components Committee、
ESCC)や、以前は軍用物資供給センター(DSCC:Defense Supply Columbus
Center)であったアメリカ国防兵站局(DLA:Defense Logistics Agency)等の
公的機関が、業者の認定方法、および認定業者による製品の製造および認定取得
方法に関して定めた仕様書を管理しています。

STは、これらの機関に積極的に参加しており、世界的に認められたこの2つの
品質システムに基づいて航空宇宙産業向け製品を提供しています。(STの前身は、
1977年、ESCCが認定した最初の企業)

QML V認定製品は、DLAが発行しているMIL-STD-38535やMIL-STD-883等の仕様に
基づいて認定および製造が行われます。QML Vの認定プロセスには、QML V仕様で
正式に定義された信頼性・放射線試験が含まれています。

(1)米国衛星工業会:「2011 State of the Satellite Industry Report」

STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体
ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な技術
力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、
戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、マルチ
メディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の追随を
許さないリーダーとなることを目指しています。2010年の売上は103.5億ドルで
した。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人: http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語): http://www.st.com

◆ お客様お問い合わせ先
〒108-6017 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟
STマイクロエレクトロニクス(株)
APMグループ
TEL: 03-5783-8250 FAX: 03-5783-8216

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ビジネスカテゴリ
パソコンその他
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

STマイクロエレクトロニクス

23フォロワー

RSS
URL
http://www.st.com/jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟
電話番号
03-5783-8220
代表者名
マルコ・カッシス
上場
未上場
資本金
-
設立
-