子どもの「硬いしこり」の正体、保護者の約8割が知らない石灰化上皮腫|300名調査で判明した受診の目安と治療法
〜10代以下に多発する皮膚腫瘍、早期発見・早期治療の重要性を皮膚外科医が解説〜
【結論】本調査のポイント
【結論】子どもの皮膚にできる硬いしこりの正体は、多くの場合「石灰化上皮腫」という良性の皮膚腫瘍です。石灰化上皮腫とは毛根部分の細胞から発生する腫瘍で、10代以下の若年層に多く見られます。硬いできものができた場合は皮膚科または形成外科を受診し、超音波検査や視診・触診で診断を受けることが推奨されます。
・子どもに硬いしこりができた経験がある保護者の78.3%が「石灰化上皮腫」という病名を知らなかった
・しこりに気づいてから受診までに1ヶ月以上かかった保護者が62.7%に上った
・手術を受けた子どもの保護者の93.0%が「早めに受診すればよかった」と回答
用語解説
■ 石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)とは
石灰化上皮腫とは、毛母細胞(毛根を作る細胞)から発生する良性の皮膚腫瘍である。腫瘍内部にカルシウムが沈着して石灰化するため、触ると石のように硬いのが特徴で、毛母腫(もうぼしゅ)とも呼ばれる。10代以下の小児・若年者に好発し、顔面・頸部・上肢に多く発生する。
■ 皮膚腫瘍とは
皮膚腫瘍とは、皮膚を構成する細胞が異常に増殖してできた「できもの」の総称である。良性腫瘍と悪性腫瘍に分類され、石灰化上皮腫や粉瘤、脂肪腫などは良性腫瘍に該当する。
■ 毛母細胞とは
毛母細胞とは、毛根の最下部にある毛乳頭の周囲に存在し、分裂・増殖して毛髪を作り出す細胞である。石灰化上皮腫はこの毛母細胞が腫瘍化したものと考えられている。
石灰化上皮腫と粉瘤・脂肪腫の特徴比較

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比較項目 |
石灰化上皮腫 |
粉瘤(アテローム) |
脂肪腫 |
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硬さ |
石のように硬い |
弾力がある(やや硬い) |
柔らかい |
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好発年齢 |
10代以下に多い |
20〜40代に多い |
40〜60代に多い |
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好発部位 |
顔・首・腕 |
顔・首・背中・耳たぶ |
肩・背中・臀部 |
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大きさ |
0.5〜3cm程度 |
数mm〜数cm |
数cm〜10cm以上 |
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皮膚の色 |
青白〜淡紅色 |
正常〜やや黒っぽい |
正常 |
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自然治癒 |
しない |
しない |
しない |
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治療法 |
外科的摘出術 |
外科的摘出術 |
外科的摘出術 |
※当院監修医師の30,000件以上の皮膚腫瘍手術実績に基づく一般的な特徴です。個々の症例により異なる場合があります。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、子どもから若年者に多く見られる皮膚腫瘍「石灰化上皮腫」に関する意識調査を実施しました。当院は皮膚腫瘍・皮膚外科を専門とし、年間多数の石灰化上皮腫の手術を行っています。本調査は、お子さまの皮膚に「硬いしこり」ができて不安を感じる保護者の方に向け、正しい知識と適切な受診タイミングをお伝えすることを目的としています。
調査背景
石灰化上皮腫は10代以下の小児・若年者に好発する良性皮膚腫瘍ですが、その認知度は低く、「骨のかけら」「カルシウムの塊」などと誤解されることも少なくありません。当院にも「子どもの顔に硬いしこりができた」「触ると石のように硬いが何の病気かわからない」といった相談が多く寄せられています。放置しても自然に消えることはなく、成長とともに大きくなったり、皮膚を突き破って排出されたりすることもあるため、早期の診断・治療が重要です。本調査では、子どもに硬いしこりができた経験のある保護者300名を対象に、認知度や受診行動、治療後の感想などを調査しました。
調査概要
調査対象:過去5年以内に子ども(0〜18歳)の皮膚に硬いしこりができた経験がある全国の20〜60代の保護者
調査期間:2026年7月6日〜7月15日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】約8割の保護者が「石灰化上皮腫」を知らなかった
設問:お子さまの皮膚にできた硬いしこりについて、「石灰化上皮腫」という病名を知っていましたか?

石灰化上皮腫という病名の認知度は極めて低く、約8割の保護者が全く知らない状態でした。これは子どもに多い疾患であるにもかかわらず、一般への情報提供が不足していることを示しています。「毛母腫」という別名も含め、啓発の必要性が高いと考えられます。
【調査結果】6割以上が「骨」や「虫刺され」など誤った認識をしていた
設問:お子さまの硬いしこりに最初に気づいたとき、何だと思いましたか?(最も近いもの)

最も多かったのは「骨が出っ張っている」という認識で34.7%、次いで「虫刺されの跡」が28.0%でした。石灰化上皮腫特有の石のような硬さが、骨と誤認される原因となっています。皮膚の病気と正しく認識できた保護者は2割未満にとどまりました。
【調査結果】6割以上が発見から受診まで1ヶ月以上かかっていた
設問:お子さまの硬いしこりに気づいてから、医療機関を受診するまでにどのくらいの期間がかかりましたか?

1ヶ月以上経過してから受診した保護者は62.7%に上りました。特に「痛みがなかったから」「様子を見ていた」という理由が多く、症状がないことで受診が遅れる傾向が見られます。しかし石灰化上皮腫は放置すると大きくなり、手術痕も目立ちやすくなるため、早期受診が望ましいです。
【調査結果】最初の受診先は小児科が最多、皮膚科は約3割
設問:硬いしこりができたとき、最初にどの診療科を受診しましたか?

子どものかかりつけ医として小児科を最初に受診するケースが38.3%と最多でした。一方、石灰化上皮腫の診断・治療に適した皮膚科や形成外科を直接受診した割合は合わせて約4割にとどまりました。「骨の病気」と思い整形外科を受診するケースも16.7%見られました。
【調査結果】手術経験者の9割以上が「早めに受診すればよかった」と回答
設問:お子さまが石灰化上皮腫の手術を受けた場合、その後の感想として最も近いものはどれですか?(手術経験者のみ:n=186)

手術を経験した保護者の93.0%が「もっと早く受診・手術すればよかった」と回答しました。理由として「早ければ傷跡が小さく済んだ」「大きくなってから子どもが気にするようになった」などが挙げられました。石灰化上皮腫は早期の小さいうちに摘出することで、傷跡を最小限に抑えられます。
調査まとめ
本調査により、子どもに多い皮膚腫瘍「石灰化上皮腫」の認知度が著しく低い実態が明らかになりました。約8割の保護者がこの病名を知らず、6割以上が「骨」や「虫刺され」と誤認していました。また、症状がないことから受診が遅れる傾向があり、6割以上が発見から1ヶ月以上経過してから医療機関を訪れていました。しかし、実際に手術を受けた保護者の9割以上が「早めに受診すればよかった」と振り返っており、早期発見・早期治療の重要性が浮き彫りになりました。子どもの皮膚に硬いしこりを見つけた場合は、「骨だろう」と自己判断せず、皮膚科または形成外科を受診することが推奨されます。
医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師
当院監修医師として30,000件以上の皮膚腫瘍手術経験から申し上げると、石灰化上皮腫は子どもから若年者に多い良性腫瘍であり、適切な時期に手術を行えば完治が期待できる疾患です。硬いしこりを見つけたら、まずは皮膚科を受診してください。
石灰化上皮腫は、毛母細胞という毛根を作る細胞から発生する良性腫瘍です。腫瘍内部にカルシウムが沈着するため、触ると石や骨のように硬いのが最大の特徴です。10歳以下の小児に最も多く、次いで10代、20代と若年層に好発します。顔面、特に目の周りや頬、首、腕によくできます。
診断は、経験豊富な皮膚科医であれば視診と触診でほぼ判断できます。超音波検査を行うと、腫瘍内部の石灰化が確認でき、より確実な診断が可能です。鑑別が必要な疾患として粉瘤や脂肪腫がありますが、石灰化上皮腫は「石のように硬い」という点で明確に区別できます。
治療は外科的な摘出術が唯一の根治療法です。石灰化上皮腫は自然に消えることはなく、放置すると徐々に大きくなります。また、皮膚が薄くなって腫瘍が透けて見えたり、まれに皮膚を破って内容物が排出されることもあります。小さいうちに摘出すれば傷跡も目立ちにくく、お子さまへの負担も軽減できます。
特に顔面にできた場合は、成長とともに目立つようになり、お子さま自身が気にされるケースも少なくありません。学童期以降になると本人が「取りたい」と希望されることも多いです。保護者の方には、早めの受診と専門医への相談をお勧めします。
【エビデンス】当院監修医師の30,000件以上の皮膚腫瘍手術実績において、石灰化上皮腫は小児の皮膚腫瘍の中でも粉瘤に次いで多い疾患です。また、日本皮膚科学会の皮膚腫瘍診療ガイドラインにおいても、石灰化上皮腫は良性腫瘍として分類され、治療法として外科的摘出が推奨されています。
石灰化上皮腫を疑うポイント
・触ると石や骨のように硬い
・皮膚の下にコリコリしたしこりがある
・子ども〜若年者の顔・首・腕にできている
・痛みはないが徐々に大きくなってきた
・皮膚が青白〜淡紅色に変色している
早期治療のメリット
・傷跡が小さく目立ちにくい
・手術時間が短く、お子さまの負担が少ない
・局所麻酔で日帰り手術が可能
・皮膚を破って排出される前に対処できる
・成長期に顔の変形を予防できる
受診時に確認したいこと
・しこりに最初に気づいた時期
・大きさの変化(増大傾向があるか)
・痛みやかゆみの有無
・皮膚の色の変化
・家族に同様の症状がある人がいるか
髙桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 子どもの皮膚に硬いしこりができたら何科を受診すべき?
A. 皮膚科または形成外科の受診をお勧めします。
子どもの皮膚にできた硬いしこりは、石灰化上皮腫や粉瘤などの皮膚腫瘍の可能性があります。本調査では38.3%の保護者が最初に小児科を受診していましたが、診断・治療を専門とする皮膚科や形成外科を受診することで、より迅速な対応が可能です。「骨の病気では」と整形外科を受診されるケースもありますが、皮膚の下にできるしこりは皮膚科の領域です。
Q2. 石灰化上皮腫は放置しても大丈夫?
A. 放置は推奨されません。自然治癒せず、徐々に大きくなる傾向があります。
石灰化上皮腫は良性腫瘍ですが、自然に消えることはありません。本調査では手術を受けた保護者の93.0%が「早めに受診すればよかった」と回答しています。放置すると徐々に大きくなり、皮膚を破って内容物が排出されることもあります。小さいうちに摘出すれば傷跡も小さく済むため、発見したら早めの受診をお勧めします。
Q3. 石灰化上皮腫と粉瘤の違いは?
A. 最大の違いは硬さです。石灰化上皮腫は石のように硬く、粉瘤は弾力があります。
石灰化上皮腫は腫瘍内部にカルシウムが沈着するため、触ると石や骨のように硬いのが特徴です。一方、粉瘤は角質や皮脂が溜まった袋状の腫瘍で、弾力性があり押すと少し凹みます。また、石灰化上皮腫は10代以下の若年者に多いのに対し、粉瘤は20〜40代の成人に多く見られます。いずれも良性腫瘍ですが、治療には外科的摘出が必要です。
Q4. 石灰化上皮腫の手術は痛い?子どもでも受けられる?
A. 局所麻酔で行うため、手術中の痛みはほとんどありません。お子さまでも日帰り手術が可能です。
石灰化上皮腫の摘出手術は局所麻酔下で行われ、手術中の痛みはほとんどありません。小さなお子さまの場合は、極細の針を使用したり、麻酔クリームを併用したりして、注射の痛みを軽減する工夫をしています。手術時間は腫瘍の大きさにもよりますが、通常15〜30分程度で、日帰りで受けることができます。術後は1〜2週間で抜糸となります。
Q5. 石灰化上皮腫の手術費用は?保険は適用される?
A. 健康保険が適用されます。3割負担で数千円〜1万円程度が目安です。
石灰化上皮腫の摘出手術は健康保険が適用されます。費用は腫瘍の大きさや部位により異なりますが、3割負担の場合で5,000円〜15,000円程度が目安です。お子さまの場合は、自治体の医療費助成制度(乳幼児医療費助成など)により、自己負担がさらに軽減されることもあります。詳細は受診する医療機関にお問い合わせください。
放置のリスク
・放置すると徐々に大きくなり、手術時の傷跡が目立ちやすくなる
・皮膚が薄くなり、腫瘍が透けて見えるようになることがある
・まれに皮膚を破って内容物が排出され、感染リスクが高まる
・成長期のお子さまの場合、顔面の変形につながる可能性がある
・大きくなってからの手術は、局所麻酔だけでは対応困難になることもある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・皮膚の下に石や骨のように硬いしこりを見つけたとき
・しこりが徐々に大きくなってきたとき
・皮膚の色が青白〜淡紅色に変化してきたとき
・子ども本人がしこりを気にするようになったとき
・顔面や首など目立つ部位にしこりがあるとき
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚腫瘍・皮膚外科領域で30,000件以上の手術実績を持つ監修医師が在籍
・小児の皮膚腫瘍にも対応、お子さまに配慮した診療を実施
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で土日祝日も診療
・初診から手術まで一貫して対応、日帰り手術が可能
・保険診療に対応、費用面でも安心して受診可能
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