Craif、国立がん研究センター中央病院とのすい臓がんに関する共同研究成果をASCO GIにて発表
Craif株式会社(所在地:東京都文京区、CEO:小野瀨 隆一、以下Craif)は、米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム2025(ASCO GI 2025)にて、国立がん研究センター中央病院 岡田真央先生らとのすい臓がんに関する研究成果「悪液質を伴うすい臓がんにおける血中および尿中マイクロRNAの解析」を共同で発表したことをお知らせいたします。Craifは今後も、がんの予防・早期発見に向けた新しい取り組みを広く届けることで、当社のミッションである“人々が天寿を全うする社会の実現”に挑戦してまいります。
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■研究成果のポイント
・マイクロRNA解析によるすい臓がん悪液質バイオマーカー検出の可能性
本研究では、すい臓がん患者59名(悪液質あり41名、なし18名)の血清および尿のサンプルからエクソソームを抽出し、次世代シークエンサーでマイクロRNAの網羅的解析を実施しました。血清・尿のサンプル間では141種のマイクロRNAが共通し、血清中に81種類、尿中に33種類の特異的なマイクロRNAを検出しました。
・血中マイクロRNAと比較した尿中マイクロRNAの優位性
血清サンプルでは、悪液質の有無によるマイクロRNAの発現量の違いは見られませんでした。一方で、尿サンプルでは、悪液質の有無によって発現量が異なる2種類のマイクロRNAを特定しました。
・悪液質の早期発見における尿中マイクロRNAの有用性
すい臓がん患者の体重減少や筋肉の衰え(悪液質)を早期発見するために、尿中マイクロRNAが有用なバイオマーカーとなる可能性が示されました。実用化するためには、血清中にみられなかったマイクロRNAの差異が、尿中において認められた機序を解明する必要があります。また、尿中マイクロRNAと悪液質の関係についても、さらなる研究が必要です。
■共同研究概要
本研究の対象である「悪液質」は、食欲不振や体重減少、骨格筋の消耗を特徴とする複合的な代謝異常です。進行すると身体機能や抗がん剤の治療効果に影響を及ぼし、患者の生活の質(QOL)を低下させます。悪液質はがん関連死の主要な原因のひとつで、進行期のすい臓がんで特に多くみられます。悪液質の進行を防ぐには、早期に発見して治療を始めることが大切です。しかし、これまで悪液質を早期に検出するための有効なバイオマーカーは確立されていませんでした。本研究では、すい臓がん患者における悪液質(がん悪液質)の早期発見を目的に、次世代シークエンサーで血中および尿中マイクロRNAを解析しました。
■ 米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム2025(ASCO GI 2025)について
・開催期間:2025年1月23日(木)~2025年1月25日(土)
・開催地:カリフォルニア州サンフランシスコ
・公式ホームページ:https://conferences.asco.org/gi/
■ Craifについて
Craifは、2018年創業の名古屋大学発ベンチャー企業です。尿などの簡単に採取できる体液中から、マイクロRNAをはじめとする病気に関連した生体物質を高い精度で検出する基盤技術「NANO IP®︎(NANO Intelligence Platform)」を有しています。CraifはNANO IP®︎を用いてがんの早期発見や一人ひとりに合わせた医療を実現するための検査の開発に取り組んでいます。
【会社概要】
社名:Craif株式会社(読み:クライフ、英語表記:Craif Inc.)
代表者:代表取締役 小野瀨 隆一
設立:2018年5月
資本金:1億円(2024年3月1日現在)
事業:がん領域を中心とした疾患の早期発見や個別化医療の実現に向けた次世代検査の研究・開発、尿がん検査「マイシグナルシリーズ」の提供
本社:東京都文京区湯島2-25-7 ITP本郷オフィス5F
マイシグナルシリーズは医療機器ではありません。解析した情報を統計的に計算することによりリスクを判定するものであり、医療行為としてがんに罹患しているかどうかの「診断」に変わるものではなく、リスクが低いと判定された場合でもがんが無いまたは将来がんにかからないとは限りません。
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