「現場帳票の“使いやすさ”を科学する」シムトップスが「現場帳票デザイン部」を発足、長野大学・吉武良治教授が外部顧問に就任
現場帳票コミュニティ「現場帳票カイゼン部」の分科会として人間中心デザイン(HCD)の専門家と「現場帳票UI/UXデザインガイドライン」策定へ。キックオフ参加者9割超が参加に前向きと回答し、いよいよ始動

製造業を中心に、紙の現場帳票をデジタル化する動きが急速に広がる一方で、「電子化はしたものの、現場にとって本当に使いやすい帳票になっているのか」という新たな問いが生まれています。
国内トップシェア(※1)の現場帳票システム「i-Reporter(アイレポーター)」を展開する株式会社シムトップス(本社:東京都品川区、代表取締役CEO:奥畑和行)は、現場帳票の「使いやすさ」を科学的に追求する専門チーム「現場帳票デザイン部」を発足し、2026年5月29日(金)開催の「現場帳票カイゼン部 2周年大部会」にて第1回キックオフを実施いたしました。あわせて、人間中心デザイン(HCD)・ユーザビリティ研究の第一人者である長野大学 共創情報科学部 吉武良治教授が、同部の外部顧問に就任いたしました。
本取り組みは、これまで体系化されてこなかった現場帳票の設計知見を「再現できるナレッジ」として整理・公開し、i-Reporterに限らず現場帳票を使うすべての企業に役立てていただくことを目指すものです。
■ なぜ今「現場帳票をデザインする」のか
現場帳票は、製造・食品・建設・インフラなど、あらゆる業種の現場で日々の記録業務に使われており、国籍や年齢、ITリテラシーを問わず多様な人々が入力を行う媒体です。しかし、これほど広く使われているにもかかわらず、その入力レイアウトに対してUI/UX・デザインの考え方が十分に適用されてこなかったのが実情です。フォームのユーザビリティに関する国際規格(ISO 9241-143など)や、フォームUI/UX・帳票設計一般の知見は存在します。しかし、それらを製造・食品・建設・インフラなどで使われる「デジタル化された現場帳票」の入力レイアウトに落とし込み、「どう設計すれば使いやすくなるのか」を業種横断で体系化した公開ナレッジは、2026年5月時点の当社調査では限定的・断片的でした(※2)。紙とデジタルでは入力の前提(端末・画面・操作)が大きく異なるため、紙帳票の様式やノウハウをそのまま当てはめることもできません。
この課題の大きさは、当社が2026年1月に実施した意識調査(※3)にも表れています。約7割が現在の帳票を「使いやすい」と評価する一方で、約9割が「改善したい」と感じた経験を持ち、そのうち26.4%は「頻繁に改善したい」と回答しました。さらに、改善が進まない最大の理由は「変更による現場の混乱への懸念」(59.4%)であり、指針の不在が改善の最大の障壁となっていることが分かりました。
現場帳票をデジタル化する際には、紙帳票のレイアウトを保ったままデジタル化する方法と、入力項目を絞ってWebフォーム化する方法という、大きく2つの選択肢があります。しかし、複数の項目を一覧しながら入力する、前後の工程をまたいで記録を引き継ぐといった現場のニーズは、1画面に少数項目を順に表示するWebフォーム化だけでは網羅的に満たせません。現場が使いやすいと感じてきたレイアウトを活かせるかどうかが、デジタル化の成否を分けます。実際、この意識調査でも、「使いやすい」と評価された理由として最も多く挙がったのは「一目で全体が見渡せるレイアウト」(63.2%)でした。
ただし、そのレイアウトをどう設計すれば使いやすくなるのかは、これまで現場ごとの勘と経験に委ねられてきました。現場帳票には、まだ大きな進化の余地があります。だからこそ私たちは、勘と経験に頼ってきた帳票づくりに人間中心デザイン(HCD)の科学的な視点を持ち込み、「使いやすさ」を設計できる形にしていく必要があると考えました。
■ 「現場帳票デザイン部」とは
現場帳票デザイン部は、当社が運営する現場帳票ユーザーコミュニティ「現場帳票カイゼン部」の分科会として発足した専門チームです。個別の改善事例を集めるだけでなく、現場帳票のカイゼンを「再現できる知見」として整理・共有し、広く活用できる形にしていくことを目的としています。
ここでいう「デザイン」とは、見た目を整えるグラフィックデザインのことではありません。現場の課題を整理し、目的に合った構造や仕組みへと落とし込むこと、すなわち「課題解決としてのデザイン」を指します。
現場帳票デザイン部は、参加企業が一方的に学ぶのではなく、それぞれが自社の現場帳票のカイゼン事例を持ち寄り、互いに学び合う取り組みです。各社の事例は、共通知化された業務コンテキストに沿って共有します。これにより、これまで各社の勘と経験に委ねられてきた帳票づくりのノウハウを、業種を超えて参照できる知見へと整理していきます。その土台となるのが、外部顧問・吉武良治教授が専門とする人間中心デザイン(HCD)の考え方です。「使う人を起点に設計する」という視点を共通言語として、参加企業がそれぞれの現場に応用していきます。
活動のゴール
- 参加企業が「自分たちで現場帳票をカイゼンできる」状態をつくる
- 現場の実践事例を基にしたナレッジの収集・整理・体系化を進める
- 専門家との共同研究を通じて「現場帳票UI/UXデザインガイドライン」を策定・公開する
また、こうした活動を通じて身につくスキルは、経済産業省が策定した「デジタルスキル標準 ver.2.0」(DSS 2.0)が定めるDX人材に求められる素養とも重なります。帳票改善という実務を入り口に、DX推進に必要なスキルを体得できる場としても位置づけています。
現場帳票デザイン部への期待の大きさは、キックオフの場でも明確に表れました。
2周年大部会(2026年5月29日)の参加者アンケートでは、回答者の93.2%が現場帳票デザイン部への参加に前向きと回答。「他社の帳票レイアウトを見たことがなく、ベストプラクティスがわからない」「現場が入力しやすい帳票を作りたいが、体系的な知識がない」といった切実な声も数多く寄せられ、現場が共通の指針を強く求めている実態が改めて浮き彫りになりました。
■ 外部顧問・吉武良治教授(長野大学)について

現場帳票デザイン部の外部顧問には、人間工学・人間中心デザイン(HCD)分野の第一人者である吉武良治教授が就任いたしました。
吉武教授は、一般社団法人 日本人間工学会の元理事長を務め、NPO法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)副理事長、ISO/TC159(人間工学)国内対策委員会委員などを歴任してきました。
学会・標準化団体の中枢で、長くこの領域を牽引してきた専門家です。
学術面では、長野大学 共創情報科学部 デザインコース教授(前:芝浦工業大学 デザイン工学部 教授)を務めます。実務面では、日本アイ・ビー・エム株式会社 大和研究所等において27年間(1986〜2013年)、人間工学からユーザーエクスペリエンス・デザインセンターの部長まで、企業の最前線でユーザビリティ設計と組織展開を牽引してきました。VDT作業や産業安全保健領域における人間工学など、「産業現場における作業者の体験向上」に長年取り組んできた、学術と実務の両面に通じる専門家です。

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組織/団体 |
主な役職 |
|---|---|
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長野大学 共創情報科学部 デザインコース |
教授 |
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一般社団法人 日本人間工学会 |
元理事長(2018~2022年) |
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NPO法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net) |
副理事長(2020~現在) |
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一般社団法人 日本デザイン学会 |
理事(2024~2026年) |
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ISO/TC159(人間工学)国内対策委員会 |
委員(1998~現在) |
吉武教授との共同研究を通じて、現場担当者にとって真に使いやすい帳票とは何かを明らかにし、誰もが参照できるガイドラインとして体系化してまいります。
■ 吉武良治教授 コメント
コミュニティ分科会・現場帳票デザイン部の発足、おめでとうございます。
2周年大部会、現場帳票デザイン部のキックオフに参加させていただき、参加企業のみなさまとの会話を通じて、DX推進への熱い思いを感じとることができました。また事例紹介等にて素晴らしい取り組みを教えていただきましたが、さらに使いやすさや満足度を向上させていく上で、人間中心デザイン(HCD)と人間工学の知見、取り組みが非常に役立つことも実感しました。
ユーザーや関係者と一緒に推進していくHCDは地道な活動になりますが、現場帳票の改善にとどまらず、プロセスや業務の変革を実現できます。i-Reporterという素晴らしい製品/システム/サービスをきっかけにさらに業務の改善、会社の成長につなげることができると確信しています。実践事例を共有しつつナレッジを整理していくという進め方は、参加者のみなさんにとって様々なメリットがありますが、なによりコミュニティを運営されているみなさんの熱意と志、アットホームな企画・運営がやる気を高め、効果を倍増しています。
一緒に楽しく活動していけることを楽しみにしています。
■ キックオフ当日の内容(2周年大部会)
第1回キックオフを行った「現場帳票カイゼン部 2周年大部会」(2026年5月29日開催)は、コミュニティ発足2周年の節目に開催され、現在1,500名を超えるメンバーが参加する場へと成長しています。当日は以下のコンテンツを実施しました。
- 現場帳票デザイン部 発足報告:
発足の経緯、活動の目的、これから取り組むことを共有
- 吉武良治教授による特別講義:
UI/UXデザインと人間中心デザイン(HCD)の基礎をテーマに、「使いやすさは測ることができる」という考え方を解説。ユーザー・目標・利用状況の3要素を定義し、効果・効率・満足度の3指標で測るユーザビリティの基本(ISO 9241-11/JIS Z8521)を、現場帳票でも活用できるようわかりやすく講義
- パネルディスカッション:
ヤマハ株式会社、ヤンマー建機株式会社の現場帳票カイゼン事例を、人間中心デザインのフレームに基づいて深掘り。「紙からデジタル化する際の工夫」「デジタル化後にさらに使いやすくする工夫」を実践事例として共有
パネルディスカッションでは、データ集計時間の大幅な削減(ヤマハ)や、未経験者でも同じ手順で作業でき不具合発生率0件を継続(ヤンマー建機)といった、現場帳票の設計改善がもたらす具体的な成果が紹介され、参加者全員で「現場が使いやすい帳票とは何か」を考える場となりました。
■ 今後の展望
現場帳票デザイン部は、参加企業とともに実践事例を積み上げ、現場帳票の「使いやすさ」を再現可能なナレッジへと磨き上げてまいります。まずは参加企業が自社で帳票をカイゼンできる状態を支え、その知見を「現場帳票UI/UXデザインガイドライン」として公開します。
さらにこの取り組みは、i-Reporterのユーザーにとどまるものではありません。現場帳票を使うすべての企業が、帳票の作り方・設計の考え方について恩恵を受けられることを目指しています。製造業を起点に、やがては現場帳票を扱うあらゆる業界へと知見を広げ、日本の現場全体のUI/UX向上に貢献してまいります。
シムトップスは、i-Reporterによる現場帳票のデジタル化で業界を支えるとともに、現場帳票そのものをより良いものへとカイゼンしていく活動を通じて、日本のものづくりの現場に伴走してまいります。
■ 現場帳票のデジタル化なら「i-Reporter(アイレポーター)」

i-Reporterは4,500社22万人以上が利用する国内シェアNo.1の現場帳票システムです。
使い慣れた紙帳票やExcel帳票をそのままのレイアウトでデジタル化できるため、現場の作業手順を大きく変えずに導入できます。必須入力、数値の閾値判定、プルダウン入力、バーコード読み取り、外部機器連携などにより、紙帳票で発生しやすい記入漏れ、転記ミス、確認作業の負担を削減します。
入力されたデータはリアルタイムでデジタル化され、集計・分析・共有に活用できます。オンプレミス版とクラウド版のどちらにも対応しており、製造業、鉄道、製薬、食品、建設など、さまざまな現場で導入されています。
■ 会社概要

会社名 :株式会社シムトップス
代表者名 :代表取締役 CEO 奥畑 和行
本社住所 :〒141-0021 東京都品川区上大崎2-2
5-2 新目黒東急ビル10階
設立年月日:1991年10月1日
資本金 :1千6百5十万円
売上高 :20億8千7百万円(2024年度売上)
従業員数 :計92名(2026年3月末時点)
<事業内容>
■個別受注生産向け工程管理システム「DIRECTOR6(ダイレクターシックス)」の開発・販売・サポート
■現場帳票システム「i-Reporter(アイレポーター)」の開発・販売・サポート
■各種i-Repoファミリー製品・サービスの開発・販売・サポート
■BOPプロセスエディター「MPPCreator(エムピーピークリエイター)」の開発・販売・サポート
■企業サイト|https://cimtops.com/
※1 富士キメラ総研 2026年2月17日発刊 業種別IT投資動向/DX市場の将来展望 2026年版 DX投資編
IV-13 現場帳票ペーパーレス化ソリューション 市場占有率46.5%(2024年度のベンダーシェア・数量)
※2 当社調べ:本記述は、株式会社シムトップスが文献・Web上の公開情報を対象に実施したデスクリサーチ
(調査時点:2026年5月)に基づきます。製造・食品・建設・インフラ等で用いられる点検表・作業日報・品質記録・
設備保全記録等を「デジタル化(電子化)した現場帳票」の入力レイアウトについて、「使いやすさ設計を業種横断で
体系化した、中立的・公開のナレッジ」の有無を確認した結果です。フォームUI/UXや帳票設計一般の規格・知見
(ISO 9241-143等)の存在を否定するものではありません。なお、非公開資料・会員限定資料・個別コンサル成果物・
社内標準は調査範囲外です。
※3 調査名称:現場帳票のレイアウトに関する意識調査/調査方法:インターネット調査(IDEATECHが提供する
リサーチマーケティング「リサピー®︎」)/調査期間:2026年1月26日〜27日/対象:製造現場の業務に日常的に関与し、
現場帳票を主に紙で運用している現場リーダー層110名
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