【すみだ水族館】魚たちの心地よい暮らしを探る、新たな水景。「waterscape 水の中の風景」を開催
2018年4月27日(金)~7月8日(日) 水族館を楽しむ新しい視点
すみだ水族館(所在地:東京都墨田区、館長:名倉 寿一)は、2018年4月27日(金)から7月8日(日)までの期間、「waterscape 水の中の風景」を開催しますのでお知らせします。
「waterscape 水の中の風景」は、すみだ水族館と日本デザインセンター三澤デザイン研究室が新しい「水の中の風景」を設計した企画展です。水の中で暮らすいきものたちが本来持っている習性や、自然界でよく見せる行動を元に設計された構造物により、生態本来のさまざまな暮らしのシーンを引き出すことに挑戦しました。水中の景観を新たな視点で体感できる、これまでとは異なる8つの水槽を展示します。
水中を縦横無尽に泳いで水草を食べる習性を持つ魚(プラティ)の水槽には、空気の入ったガラス製の球体が浮かんでいます。球体の中は温度変化の少ない温室となって水草が育ち、魚が球体の下の開口から自由に球体の中へ出入りして水草をつつく姿を観察できます。(写真①)
また、時々水面に顔を出して息継ぎをするカメ(カブトニオイガメ)の水槽では、いくつもの浮き島が縦に連なった構造物が浮かび、水中の島を足場にカメが息継ぎをしたり、島に上がって甲羅干しをするようすなどが観察できます。(写真②)
泡や雲、綿毛など、自然物をモチーフにして作られた有機的な造形は、どれも水中の景観に柔らかく溶け込み、いきものたちの暮らしに寄り添います。
水で暮らすいきものたちの生態環境をゼロから探り直した、全く新しい形の水中景観をぜひご覧ください。
「waterscape 水の中の風景」 概要
【展示】「waterscape 水の中の風景」
展示期間:2018年4月27日(金)~7月8日(日)
展示場所:6F テラススペース付近
展示内容:小さないきものたちが暮らす8つのキューブ型水槽の中に、3Dプリンターや型抜き、吹きガラスなどを用いて制作した有機的で美しいフォルムの構造物を配置します。「浮く」と「沈む」それぞれの力の作用を巧みに利用しながら、水の中層で静止したり、アンバランスな形状ながらも安定して自立するように設計されています。それぞれの水槽で、いきものがもつ生態について学ぶことができる水景です。
展示詳細:
①【水の中の温室・気球型】(ガラス製)
展示生物:プラティ
アマゾン・フロッグビット(水草)
②【水の中の温室・ドーム型】(ガラス製)
展示生物:ラミーノーズテトラ
アマゾン・フロッグビット(水草)
③【泡のゾーニング】(ナイロン樹脂製)
展示生物:アカヒレ
④【雲のようなかたまり】(ウレタン樹脂製)
展示生物:プラティ
⑤【開口のある境界膜】(ナイロン樹脂製)
展示生物:プラティ
⑥【水上の水中・マッシュルーム型】(ガラス製)
展示生物:プラティ、ハニードワーフグラミー
バリスネリア・スピラリス(水草)
スクリュー・バリスネリア(水草)
⑦【水上の水中・ドーム型】(ガラス製)
展示生物:アカヒレ
アオウキクサ(水草)
⑧【浮く島、沈む島】(ナイロン樹脂製)
展示生物:カブトニオイガメ
※展示生物・展示構造物は変更になる場合があります。
【水の中の風景プロジェクト】
「浮く」「沈む」それぞれの力の作用を意識的にコントロール
し、水中で棲息する生物たちの生態環境をゼロから探り直してみる。それが「水の中の風景」というプロジェクトです。
2015年に東京銀座で展示。その後、新作を加え2016年2月に台湾台北にて展覧会を開催。作品集「waterscape」も展示に合わせて制作されました。
展示した作品はまだプロトタイプの段階ではありますが、いわゆる水槽とは異なる新しい水中景観が存在し得るという可能性を探る試みです。
日本デザインセンター 三澤デザイン研究室
【三澤 遥】デザイナー
デザインオフィスnendoを経て、2009年より日本デザインセンター原デザイン研究所に所属。2014年より三澤デザイン研究室として活動開始。主な仕事に、KITTEやTOKYO BIG SIGHTのロゴマーク、上野動物園「真夏の夜の動物園」の告知物、「UENO PLANET」プロジェクトなどがある。
<コメント>
waterscapeは、「水の中の風景」を設計したプロジェクトです。
水中生物だけに焦点を当てるのではなく、その周辺要素も含め、水中という環境をゼロから捉え直す試みです。いずれの作品もさまざまなトライアル過程の集積の上に造られています。水中世界にはまだまだ可能性が満ちています。その可能性を示す取り組みのひとつとして、本展waterscapeプロジェクトをご覧いただけますと幸せです。
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