2度目の緊急事態宣言を受けた企業の対応、「人との接触削減」に注力

業績への影響、先行きに対する警戒感がやや高まる

新型コロナウイルスの感染者数の急拡大による医療体制のひっ迫にともない、2度目の緊急事態宣言が発出、2021年1月14日時点で11都府県が対象地域となった。再び、国民の生活や経済活動に制限がかかり、さまざまな影響を及ぼすと予想されている。また政府は、緊急事態宣言にともなう飲食店の時短営業や外出自粛などにより影響を受ける事業者に対し支援を進めている。
そこで、帝国データバンクは、新型コロナウイルス感染症に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年1月調査とともに行った。
<調査結果(要旨)>
  1. 新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響、『マイナスの影響がある』と見込む企業は78.8%(前月比1.1ポイント減)。4カ月連続で8割を下回った。「今後マイナスの影響がある」と見込む企業は13.0%(同2.3ポイント増)となり、先行きに対する警戒感がやや強まっている様子がうかがえた。他方、『プラスの影響がある』と見込む企業は4.3%(同0.1ポイント増)となり、前月とほぼ同水準となっ
  2. 『マイナスの影響がある』を業種別にみると、「旅館・ホテル」が100.0%で最も高くなった。以下、「飲食店」(95.4%)、「家具類小売」(93.8%)、「娯楽サービス」(92.2%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(90.5%)、「広告関連」(90.0%)が9割台で続く
  3. 『プラスの影響がある』は、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が38.0%で4割近くにのぼった。次いで、「飲食料品小売」(23.9%)、「飲食料品・飼料製造」(12.7%)、「家電・情報機器小売」(12.1%)、「放送」(11.8%)が上位に並んだ
  4. 2度目の緊急事態宣言を受けて、何らかの「対応を講じている」企業は89.9%となり、9割近くに達した。さらに、対応内容を尋ねたところ、「都道府県をまたぐ出張や打ち合わせの削減」が55.6%で最も高く、「対面営業や打ち合わせの削減」(51.8%)や「従業員に不要不急の外出自粛などの呼びかけ」(51.7%)が5割台で続いた

業績へマイナスの影響を見込む企業は78.8%、4カ月連続で8割下回る

新型コロナウイルス感染症による業績への影響新型コロナウイルス感染症による業績への影響

新型コロナウイルス感染症により自社の業績にどのような影響があるか尋ねたところ、『マイナスの影響がある』(「既にマイナスの影響がある」と「今後マイナスの影響がある」の合計)と見込む企業は78.8%(前月比1.1ポイント減)と、4カ月連続で8割を下回った。「今後マイナスの影響がある」と見込む企業は13.0%(同2.3ポイント増)となり、企業からも「今後の景気先行きに不安感があり、融資制度の拡充を期待」(建築工事、北海道)とあるように、先行きに対する警戒感がやや強まっている様子がうかがえた。他方、『プラスの影響がある』(「既にプラスの影響がある」と「今後プラスの影響がある」の合計)は4.3%(同0.1ポイント増)で、前月とほぼ同水準となった。

業種別にみると、『マイナスの影響がある』と見込む企業は、「旅館・ホテル」が100.0%となり、次いで、「飲食店」(95.4%)、「家具類小売」(93.8%)、「娯楽サービス」(92.2%)が続いた。観光支援の各種施策の一時停止や、緊急事態宣言による休業・営業時間短縮により、外出自粛の影響が色濃い業種が上位に並んだ。企業からも「創業以降で初めて全店舗休業、大晦日深夜休業など、過去にない状況となっている」(一般食堂、三重県)といった声があがった。

また、『プラスの影響がある』と見込む企業は、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が38.0%で最も高く、4割近くにのぼった。次いで、「飲食料品小売」(23.9%)が2割超で続いたほか、巣ごもり需要の増加にともない飲食料品を扱う業種を中心に消費の拡大がうかがえた。

業績に『マイナス・プラスの影響がある』割合(上位10業種)業績に『マイナス・プラスの影響がある』割合(上位10業種)

緊急事態宣言下、企業は県境をまたぐ移動や対面の接触機会削減に注力

緊急事態宣言を受け企業の対応状況と対応内容緊急事態宣言を受け企業の対応状況と対応内容

新型コロナウイルスの感染拡大にともない2度目の緊急事態宣言が発出されている。緊急事態宣言を受けて、自社の対応状況について尋ねたところ、何らかの「対応を講じている」企業は89.9%となり、9割近くに達した。他方、「緊急事態宣言以前と変わらない」企業は8.6%となった。

さらに、対応内容について尋ねたところ、「都道府県をまたぐ出張や打ち合わせの削減」(55.6%)がトップとなった。次いで、「対面営業や打ち合わせの削減」(51.8%)と「従業員に不要不急の外出自粛などの呼びかけ」(51.7%)が5割を超えていた。さらに「非接触の会議や打ち合わせの推奨」(41.2%)、「イベントの開催・参加の中止(展覧会など)」(39.2%)、「在宅勤務の拡大」(30.7%)が上位に並んだ。とりわけ、人と人との接触を削減する取り組みに注力している様子がみられた。

緊急事態宣言の対象地域[1]と対象外地域をみると、対象地域では、「対面営業や打ち合わせの削減」を5割超の企業が実施している。加えて、「在宅勤務の拡大」や「時差勤務やシフト勤務などの拡大」、「残業時間の削減」などが対象外地域と比較し高い結果となった。特に、在宅勤務の拡大など勤務体系に関する対応は4割を超える企業で取り組んでいる一方で、対象外地域では1割程度にとどまっていた。

また、対象外地域では、「県外出張の自粛および止むを得ない出張後には1週間のテレワークとしている」(印刷、秋田県)とあるように「都道府県をまたぐ出張や打ち合わせの削減」が6割超になるなど、対象地域より広域な移動や人との接触を削減する取り組みを積極的に実施している様子がうかがえた。

[1] 緊急事態宣言の対象地域は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、愛知県、岐阜県、大阪府、京都府、兵庫県、福岡県の11都府県


先行きに対する警戒感高まる
本調査の結果、新型コロナウイルス感染症により業績にマイナスの影響があると見込む企業は、4カ月連続で8割を下回ったものの、先行きに対する警戒感がやや高まっていた。

また、観光支援の各種施策の一時停止や緊急事態宣言による休業・営業時間短縮など、厳しい状況に見舞われた「旅館・ホテル」や「飲食店」などでは、外出自粛の影響を色濃く受けている。一方で、プラスの影響を見込む企業では、巣ごもり需要の増加にともないスーパーマーケットなど飲食料品を扱う業種を中心に消費が拡大していた。

2度目の緊急事態宣言が発出され、9割近くの企業が何らかの対応を講じており、とりわけ人と人との接触を削減する取り組みに注力している。加えて、緊急事態宣言の対象地域においては、政府や行政の呼びかけに呼応し、対面での接触削減に加え、在宅勤務の拡大をはじめ勤務体系の変更などを積極的に取り組んでいる様子がうかがえた。

2021年2月2日、政府より11都府県に発出されていた緊急事態宣言について栃木県を除く10都府県で延長することが発表された。引き続き国民生活や経済活動にさまざまな影響を与えると予想される。新型コロナウイルスの全国的なまん延を防ぐため、企業や国民は求められる感染拡大防止策を実行し、政府は社会経済の安定に資する支援策を実施することが重要であろう。
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