寺院・ホテル・商業施設一体型複合施設「東京建物三津寺ビルディング」竣工
「カンデオホテルズ大阪心斎橋」が11月26日開業予定
本物件は、地下鉄御堂筋線「心斎橋」駅と「なんば」駅の中間地点に位置し、1808年建立の七宝山大福院 三津寺の本堂を保存するとともに、ホテル・商業施設も備えたプロジェクトであり、三津寺の本堂・庫裏がホテル等と一体的に建設されたユニークな建物です。テナントとして入居する「カンデオホテルズ大阪心斎橋」は、2023年11月26日の開業を予定しております。
本物件の開発にあたっては、三津寺を持続可能な形で存続させていくため、東京建物がプロジェクトマネジメントを担い、事業スキームの構築および建物開発を主導しました。三津寺の所有する土地に定期借地権を設定し、東京建物が借地権者となり、寺院・ホテル・商業施設一体型の複合施設を開発することにより、三津寺が抱えていた本堂の保存・ 継承や庫裏の老朽化といった課題の解決を実現しました。御堂筋の新たなランドマークとしてにぎわいを生み出すとともに、観光客や地域の人々に仏教文化を体感いただき、歴史や文化の次世代への継承に貢献してまいります。
本物件の特徴 ・三津寺の本尊である十一面観世音菩薩像が放つ柔らかな光と、ホテルが冠する〝カンデオ(ラテン語で「光り輝く」)〞のイメージを結び合わせ、輝きを体現する特殊塗装を施した建物外装・ライトアップが御堂筋に面するホテルの新しい顔として、新たなアクセントを加えます。 ・東西に伸びる三津寺筋から参拝客を迎えていた本堂は、曳家工事※により御堂筋から開かれた境内空間を持つ本堂として再建。本堂・庫裏を訪れる参拝客と、境内空間を通ってホテルエントランスにアプローチするホテル利用者とが緩やかに交錯することで、建物を訪れる方にとって印象深い体験を提供します。 ・三津寺庫裏には、「境内から連続するオープンな茶室」「密教寺院のお堂を思わせる仏像・仏画の展示ギャラリー」を配置し、檀信徒の交流の場としての活用が予定されます。 ・三津寺本堂を包み込む外郭のフレームとともに、ガラスファサードが特徴的な角地には、御堂筋の顔にふさわしいハイエンドな商業施設の入居を予定しています。 |
※ 建物を基礎から切り離し、建物を保存しつつもともとあった場所から移動させる工法。
本物件の開発経緯について
本物件の開発は、江戸時代の木造建築・文化を次の100年に残すための本堂の保存・継承、1933年に建設された庫裏の老朽化という三津寺が抱えていた課題から始まりました。
東京建物は、三津寺が直面する課題への解決策として、①定期借地権設定による事業収益還元、②立地特性を考慮し、土地が持つ高いポテンシャルをさらに引き出す寺院一体型のホテル・商業施設複合計画、③曳家工事による本堂保存を提案し、この度の開発計画が始動しました。
建築計画・スキームについて
他に類を見ない建築計画とスキームの構築にあたっては、土地所有者であり本堂・庫裏を所有する三津寺と、借地権者としてホテル・商業施設を所有する東京建物とが共同事業者となり、「開かれた三津寺」をコンセプトに開発計画を進めてまいりました。
従来、三津寺筋から参拝客を迎えていた本堂(文化5年建立)を新築建物の3層吹き抜けピロティ空間に曳家することで、寺社の上部容積を新築建物に活用する都市型寺院の新たなプロトタイプの形成を提案しました。本堂の再建においては、1933年以前の姿に戻すため軒の修復、向拝(唐破風)※の撤去を行い、その部材の一部を境内の出入口に装飾として転用をすることで記憶、文化の継承を提案しています。
本計画のパートナーとしては、東京建物との開発実績を多数有する大成建設株式会社(設計者・施工者)、六本木・大宮・京都に続き4件目の協業となるカンデオ・ホスピタリティ・マネジメント株式会社(賃借人・ホテル運営者)を迎え、寺院・ホテルの共存の在り方を模索し、計画を実現いたしました。
※ 寺院の正面で、屋根を前に張り出した箇所。
【曳家工事の変遷】
工事動画URL:https://tatemono-dam.jp/gl/827fegwe40/
今後の展開について
三津寺では2023年11月26日、竣工を祝う落慶法要を予定しています。楽人、稚児、吹螺師、僧侶が御堂筋を練り歩いた後、三津寺本堂にてご本尊様に改築を報告するお勤めを行います。この落慶法要をもって建物の供用開始となります。また、11月27日~12月3日には、新しく生まれ変わった三津寺の境内や庫裏の内覧および本堂の仏様のご参拝をしていただくことができる特別参拝を実施します。
七宝山大福院 三津寺について
三津寺は西暦744年に聖武天皇の命により行基菩薩が応神天皇の菩提を弔うために十一面観音菩薩像を彫って祀ったことを開創とする真言宗寺院です。本尊は、十一面観世音菩薩で、その他にも薬師如来や弘法大師、愛染明王など、平安から江戸時代の仏像を数多くお祀りしています。現在の本堂は西暦1808年の建立となっており、大阪市内では珍しい第二次世界大戦の戦果を免れた江戸期の木造建築です。そのため、堂内の天井に描かれた100を超える色とりどりの花卉(かき)図や、漆や金箔・色絵で彩られた柱や彫刻など、豪華絢爛な江戸美術の荘厳が残っており、その歴史を現在の大阪に引き継いでいます。
公式HP: https://mitsutera.jp/
東京建物について
東京建物は、2030年頃をターゲットにした長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」に基づき、「社会課題の解決」と「企業としての成長」のより高い次元での両立を目標に掲げております。その実現のため、重点戦略としてホテルや賃貸マンション、物流施設等、幅広いアセットタイプへの積極投資による継続的な開発機会の獲得、機動的な売却による利益創出に取り組んでおります。
ホテル事業においては、東京建物のデベロッパーとしてのノウハウの活用や、多様なオペレーターとの協業により、さまざまなタイプのホテルの開発・運用を行っております。今後も総合不動産デベロッパーとしてのノウハウを生かし、多様なアプローチで社会課題解決につながるプロジェクトを推進するとともに、立地・案件特性に応じたホテルオペレーターやホテルタイプをベストミックスし、事業価値の最大化を目指してまいります。
公式HP: https://www.tatemono.com/
【東京建物のホテル事業一覧】
■物件概要
名称:東京建物三津寺ビルディング
所在地:大阪市中央区心斎橋筋二丁目7番12号
用途:寺院、ホテル、物販店舗
建築主:東京建物株式会社
設計者:大成建設株式会社関西支店一級建築士事務所
施工者:大成建設株式会社関西支店
着工:2021年1月6日
竣工:2023年9月29日
【位置図】
以 上
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