爪水虫を「放置している」人が67.3%と判明|内服薬vs外用薬の治療効果比較、完治まで6〜12ヶ月かかる実態を調査
素足の季節に気になる爪水虫、市販薬では治らない理由と皮膚科受診のタイミングを皮膚科医が解説
【結論】本調査のポイント
結論から言うと、爪水虫は市販薬では治りません。内服薬と外用薬では内服薬の方が完治率が高く(約70-80%)、外用薬単独では40-50%程度にとどまります。治療期間は爪の生え変わりに合わせて6〜12ヶ月が目安となり、夏に放置すると家族への感染拡大や爪の変形が進行するリスクがあります。
・爪水虫の自覚がありながら67.3%が医療機関を受診せず放置している
・市販薬で完治したと回答した人はわずか8.7%、再発率は76.4%に達する
・家族への感染を経験した人が42.0%、夏場の素足で感染リスクが3.2倍に上昇
用語解説
■ 爪水虫(爪白癬)とは
爪水虫(爪白癬)とは、白癬菌というカビの一種が爪に感染して起こる疾患である。爪が白く濁ったり、厚くなったり、ボロボロと崩れやすくなるのが特徴で、足白癬(水虫)が進行して爪に感染するケースが最も多い。日本人の10人に1人が罹患しているとされる。
■ 抗真菌薬(内服薬)とは
抗真菌薬内服薬とは、白癬菌を体の内側から殺菌する飲み薬である。テルビナフィン(ラミシール)やイトラコナゾール(イトリゾール)が代表的で、血流を介して爪の根元から薬効成分が届くため、外用薬より高い完治率が期待できる。
■ 抗真菌薬(外用薬)とは
抗真菌薬外用薬とは、爪水虫の患部に直接塗布する塗り薬である。エフィナコナゾール(クレナフィン)やルリコナゾール(ルコナック)が代表的で、爪に浸透して白癬菌を殺菌する。内服薬が使用できない患者や軽症例に適している。
爪水虫治療における内服薬と外用薬の比較

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比較項目 |
内服薬(飲み薬) |
外用薬(塗り薬) |
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完治率 |
70〜80% |
40〜50% |
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治療期間 |
3〜6ヶ月(服用期間) |
6〜12ヶ月以上 |
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効果が出るまで |
1〜2ヶ月で改善傾向 |
3〜4ヶ月で改善傾向 |
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適応 |
中等症〜重症例に推奨 |
軽症例、内服困難な患者 |
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副作用リスク |
肝機能障害に注意が必要 |
皮膚刺激程度で低リスク |
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費用目安(3割負担) |
月1,500〜3,000円程度 |
月2,000〜4,000円程度 |
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通院頻度 |
月1回(肝機能検査含む) |
月1回程度 |
※日本皮膚科学会「皮膚真菌症診療ガイドライン」および当院監修医師の臨床経験に基づく目安です。個人差があります。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、皮膚科・形成外科を専門とする医療機関です。このたび、夏本番を迎え素足になる機会が増えるこの時期に合わせ、爪水虫(爪白癬)に関する実態調査を実施しました。爪水虫は日本人の約10人に1人が罹患しているとされる身近な疾患でありながら、正しい治療法や受診タイミングについての認知度は低い状況にあります。
調査背景
夏は素足でサンダルを履いたり、プールや海水浴に行く機会が増え、爪水虫が気になる季節です。しかし、爪水虫は痛みやかゆみなどの自覚症状が少ないため放置されやすく、家族への感染源となったり、爪の変形が進行して歩行に支障をきたすケースも少なくありません。また、市販薬で対処しようとする方も多いですが、爪水虫には市販の水虫薬はほとんど効果がありません。本調査では、爪水虫に悩む方々の実態と、治療に関する正しい知識の普及を目的として調査を実施しました。
調査概要
調査対象:爪水虫の自覚症状(爪の変色・肥厚・変形など)がある、または過去に爪水虫と診断されたことがある全国の20〜60代の男女
調査期間:2026年7月13日〜7月22日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】67.3%が爪水虫を自覚しながら医療機関を受診していない
設問:爪水虫の症状に気づいてから、医療機関(皮膚科など)を受診しましたか?

爪水虫の自覚がありながら、67.3%もの方が医療機関を受診していないことが判明しました。「様子を見ている」「市販薬で対処」という回答が多く、爪水虫は皮膚科での治療が必要であるという認識が十分に浸透していない実態が明らかになりました。
【調査結果】市販薬で「完治した」はわずか8.7%、再発率は76.4%に達する
設問:市販の水虫薬(外用薬)を使用したことがある方にお聞きします。市販薬で爪水虫は改善しましたか?

市販薬使用経験者のうち、完治して再発していない方はわずか8.7%にとどまりました。一時的改善後の再発や再発を繰り返すケースを合わせると76.4%に達し、市販薬では根本的な治療が困難であることが数字で裏付けられました。
【調査結果】完治まで「6ヶ月以上」が78.3%、1年以上かかるケースも35.0%
設問:爪水虫の治療を受けた方、または受けている方にお聞きします。完治までにどのくらいの期間がかかりましたか(かかりそうですか)?

爪水虫の治療には長期間を要することが明らかになりました。爪は1ヶ月に約3mm程度しか伸びないため、感染した爪が完全に生え変わるまでに6〜12ヶ月以上かかるのは医学的にも妥当な結果です。治療の継続が完治への鍵となります。
【調査結果】42.0%が家族への感染を経験、バスマット共用が主な感染経路
設問:爪水虫が原因で、家族や同居人に水虫がうつった(または感染が疑われる)経験はありますか?

家族への感染経験者は42.0%にのぼりました。爪水虫からは常に白癬菌が剥がれ落ちており、バスマットやスリッパの共用を通じて家族に感染が広がります。特に素足で過ごす夏場は感染リスクが高まるため、早期治療が家族を守ることにもつながります。
【調査結果】「爪の変形・肥厚」は72.3%が認知、一方「糖尿病合併症リスク」は18.0%と低認知
設問:爪水虫を放置した場合のリスクについて、ご存知のものをすべてお選びください(複数回答)

爪の変形や家族への感染リスクは比較的認知されていますが、糖尿病患者における重症化リスクや細菌感染(蜂窩織炎)の危険性については認知度が低い結果となりました。爪水虫は見た目だけの問題ではなく、健康上の重大なリスクを伴うことの啓発が必要です。
調査まとめ
本調査により、爪水虫に悩む方の67.3%が医療機関を受診せず放置している実態が明らかになりました。市販薬での完治率はわずか8.7%と非常に低く、再発率は76.4%に達しています。一方、皮膚科での適切な治療を受ければ、内服薬で70-80%、外用薬でも40-50%の完治が期待できます。治療期間は6〜12ヶ月以上を要しますが、42.0%の方が家族への感染を経験していることからも、早期の受診・治療開始が重要であることがわかりました。夏の素足シーズンこそ、爪水虫の治療を始める好機と言えます。
医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、爪水虫は市販薬では治りません。爪は硬いケラチンで構成されており、市販の外用薬では薬効成分が爪の内部まで十分に浸透しないためです。爪水虫を確実に治すには皮膚科を受診し、内服薬または医療用外用薬による治療が必要です。
爪水虫(爪白癬)は、足白癬(いわゆる水虫)が進行して爪に感染した状態です。日本皮膚科学会の皮膚真菌症診療ガイドラインでも、爪白癬の治療には抗真菌薬の内服療法が第一選択として推奨されています。テルビナフィンやイトラコナゾールといった内服薬は、血流を介して爪母(爪の根元)に薬効成分が届き、新しく生えてくる爪から改善していきます。
治療期間について「なぜ半年から1年もかかるのか」という質問をよく受けますが、これは爪の成長速度に関係しています。足の爪は1ヶ月に約3mm程度しか伸びないため、爪全体が生え変わるには12〜18ヶ月かかります。治療開始後、見た目が改善してきても白癬菌が完全に排除されるまで治療を継続することが再発防止の鍵です。
内服薬と外用薬の選択については、効果、副作用リスク、患者さんのご状況を総合的に判断します。内服薬は完治率が高い反面、肝機能への影響を考慮して定期的な血液検査が必要です。一方、外用薬のクレナフィンやルコナックは爪への浸透性を高めた医療用製剤で、副作用リスクが低く、軽症例や内服薬が使用できない方に適しています。
夏場は感染リスクが高まる季節です。プールやジム、温泉施設など公共の場所では白癬菌に触れる機会が増えますし、高温多湿の環境は白癬菌の増殖を促進します。今、爪水虫の症状がある方は、これ以上悪化させないためにも、また大切なご家族を感染から守るためにも、早めに皮膚科を受診されることをお勧めします。
【エビデンス】日本皮膚科学会の皮膚真菌症診療ガイドライン2019では、爪白癬の治療において内服抗真菌薬(テルビナフィン、イトラコナゾール)が推奨度Aとして位置づけられています。外用薬(エフィナコナゾール、ルリコナゾール)も推奨度Aですが、ガイドラインでは「軽症例」への使用が想定されており、中等症以上では内服薬との併用または内服薬単独が推奨されています。
市販薬で爪水虫が治らない理由
・市販の水虫薬は足白癬(皮膚)用で、硬い爪への浸透性が低い
・爪水虫に有効な成分(エフィナコナゾール等)は医療用医薬品のみ
・爪の内部に潜む白癬菌まで市販薬では到達できない
内服薬と外用薬の使い分け
・内服薬:完治率70-80%、中等症〜重症例に推奨、肝機能検査が必要
・外用薬:完治率40-50%、軽症例や内服困難な患者に適応
・重症例では内服薬と外用薬の併用が効果的なケースも
夏に爪水虫を放置するリスク
・高温多湿で白癬菌が増殖しやすく、症状が悪化する
・素足の機会が増え、家族や他人への感染リスクが上昇
・爪の変形が進行すると靴が履きにくくなり、歩行に支障
髙桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 爪水虫は市販薬で治りますか?
A. 結論として、爪水虫は市販薬では治りません。
今回の調査でも、市販薬で完治した方はわずか8.7%で、76.4%が再発を経験しています。市販の水虫薬は皮膚の水虫用に設計されており、硬い爪の内部まで浸透しません。爪水虫には皮膚科で処方される内服薬(テルビナフィン、イトラコナゾール)や医療用外用薬(クレナフィン、ルコナック)が必要です。
Q2. 爪水虫の飲み薬と塗り薬、どちらがいいですか?
A. 症状の程度によりますが、内服薬の方が完治率は高いです。
内服薬の完治率は70-80%、外用薬は40-50%程度です。中等症以上の爪水虫には内服薬が推奨されます。ただし、内服薬は肝機能への影響があるため定期的な血液検査が必要です。軽症例や肝疾患がある方、他の薬との相互作用が心配な方には外用薬が選択されます。医師と相談して最適な治療法を決めましょう。
Q3. 爪水虫の治療期間はどのくらいですか?
A. 完治までに6〜12ヶ月以上かかるのが一般的です。
今回の調査でも78.3%の方が「6ヶ月以上」、35.0%が「1年以上」と回答しています。足の爪は1ヶ月に約3mmしか伸びないため、感染した爪が新しい健康な爪に完全に生え変わるには長期間を要します。見た目が改善しても自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従って継続することが再発防止のポイントです。
Q4. 爪水虫を放置するとどうなりますか?
A. 爪の変形進行、家族への感染拡大、細菌感染リスク上昇などの問題が生じます。
調査では42.0%が家族への感染を経験しています。放置すると爪が厚く変形して靴が履きにくくなり、歩行に支障をきたすこともあります。また、爪と皮膚の間から細菌が侵入し、蜂窩織炎(ほうかしきえん)という重篤な感染症を引き起こすリスクもあります。特に糖尿病の方は重症化しやすいため、早期治療が重要です。
Q5. 夏場のプールや温泉で爪水虫はうつりますか?
A. はい、公共施設の床は白癬菌の感染源となり得ます。
プール、温泉、ジムの脱衣所など、多くの人が素足で歩く場所には白癬菌が存在している可能性があります。ただし、白癬菌が皮膚に付着しても、すぐに感染が成立するわけではありません。帰宅後24時間以内に足を洗い、しっかり乾燥させることで感染リスクを大幅に下げられます。すでに爪水虫がある方は、家庭内感染防止のためバスマットやスリッパの共用を避けましょう。
放置のリスク
・爪が厚く変形し、靴が履きにくくなったり歩行時に痛みが生じる
・バスマットやスリッパを介して家族に白癬菌が感染する(家庭内感染率42.0%)
・爪と皮膚の隙間から細菌が侵入し、蜂窩織炎などの二次感染を起こす
・糖尿病患者は足壊疽など重篤な合併症につながるリスクがある
・見た目のコンプレックスから素足になることを避け、QOLが低下する
こんな方はご相談ください|受診の目安
・爪が白く濁ったり、黄色〜茶褐色に変色している場合
・爪が厚くなり、切りにくくなっている場合
・爪がボロボロと崩れやすくなっている場合
・市販薬を2週間以上使用しても改善しない場合
・家族に水虫症状が出始めた場合(感染源となっている可能性)
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚科専門の医師が爪水虫の診断から治療まで一貫して対応
※新宿院一般皮膚科のみでの対応となります。
・内服薬・外用薬の両方に対応、患者の状況に合わせた治療法を提案
※新宿院一般皮膚科のみでの対応となります。
・都内5院・大宮院の6院体制で通いやすい立地、継続治療をサポート
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
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