【共同プレスリリース】ユニセフ・ユネスコ最新報告書発表 サハラ以南で3,000万人以上が学校に通えず

3分の2以上が西部・中部アフリカの子どもたち

洪水により設置された国内避難民施設にある学校で勉強する子ども(チャド)© UNICEF/UKLA2013-02162/Matas洪水により設置された国内避難民施設にある学校で勉強する子ども(チャド)© UNICEF/UKLA2013-02162/Matas



※本信は ユニセフ本部の情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に編集したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_73842.html でご覧いただけます


【2014年6月16日 ダカール(セネガル)、ナイロビ(ケニア)発】

本日6月16日は「アフリカ子どもの日」。ユニセフとユネスコ統計研究所は報告書を発表し、
サハラ以南のアフリカで初等教育学齢期の3,000万人以上の子どもたちが学校に通えておらず、
このうち3分の2以上が、西部中部アフリカ地域の子どもたちであることを明らかにしました。

この10年で大きな進展があったにもかかわらず、世界で小学校に通えていない子どもたちの
半数以上をサハラ以南の子どもたちが占めています。さらに、学校に通えていても、十分に
学習できていない子どもたちが大勢といます。

2000年から2007年にかけて、初等教育へのアクセスは大幅に改善されました。しかし、
2008年以降、この改善は足踏みしています。「学校に通えない子どもたちに関する世界
イニシアティブ(英語表記:Global Initiative on Out of School Children)」の報告書で、
女の子や貧しい家庭の子ども、農村部の子どもたち、世帯主となっている子どもたちは、
特に学校に通える機会が奪われていることが分かりました。

学校で授業を受ける子どもたち(シエラレオネ)© UNICEF/SLRA2013-0512/Asselin学校で授業を受ける子どもたち(シエラレオネ)© UNICEF/SLRA2013-0512/Asselin


ユニセフ・西部中部アフリカ地域事務所代表
のマニュエル・フォンテーンは「西部中部
アフリカでは、学齢期の子どもの5人にひとり
は、一度も学校に通ったことがありません。
教室も質の保たれた教員もさらに必要ですが、
それだけでは、最も学校に通うのが難しい
子どもたちが学校に通えるようにはなり
ません。多くの場合、子どもたちの家族は、
月謝を払ったり、基本的な学用品をそろえたり
といったことができないのです」と述べました。

ユネスコ・サヘル地域事務所のアン・
テレーズ・ドン・ジャタ代表は「西部中部
アフリカで学校に通えない子どもの割合は28%と、世界で最も高くなっています。約1,900万人もの
子どもが教育を受けられないのです」と述べ、「こうした状況は、主に二つの要因で
起きています。第一に、農村部に暮らす子どもたちの教育へのアクセスが、歴史的にも
長きにわたって、限れたものになっています。これを打破しなければなりません。
第二に、学齢期の人口が増加しており、質の保たれた教育へのニーズも高まっています。
こうした動きにも対応しなければなりません」と続けました。


「学校に通えない子どもたちに関する世界イニシアティブ」が指摘した2点目の差し迫っ
た課題-質の保たれた教育へのニーズ-は、多くの学校で質を伴わない教育が行われて
いることを意味しています。この問題は、時に「学習危機(learning crisis)」とも
いわれます。

ユニセフ・東部南部アフリカ地域事務所代表のレイラ・パッカラは「教室は子どもたちで
あふれかえり、学用品も教員も足りません。多くの子どもたちが、留年し、基礎学習を
修了することなく中退しています。学習成果と国の経済力は密接に結びついており、
こうした事態は深刻な懸念といえます」と述べました。

黒板の文字を読む女の子(シエラレオネ)© UNICEF/SLRA2013-0251/Asselin黒板の文字を読む女の子(シエラレオネ)© UNICEF/SLRA2013-0251/Asselin


報告書は、乏しい収入への取り組みの重要性
と、場所や性別の問題についても強調して
います。また、教育の改善においては、
文化や言語、安全面、環境の検討が不可欠で
あると指摘しています。さらに、学校に
通えていない子どもたちを通えるようにする
には、分析と証拠に基づく計画が必要である
とも強調しています。

ユネスコ・東部アフリカ地域事務所代表の
モハメッド・ジェリドは「簡単には
いきません。子どもたちが学校に通える
ようにするには、家族が負担しなければ
ならない実質的な費用を削減するための
特別な取り組みが必要です。また、特に最も
人里はなれたコミュニティ
に暮らす女の子や社会的に厳しい状況に置かれているグループ、障がいのある子どもたち
といった、最も学校に通えず、中退してしまうリスクが高い子どもたちの保護者にも、
子どもたちを学校に通わせるよう、働きかける必要があります」と述べました。

ユニセフとユネスコは、アフリカ諸国の政府や支援者に対し、無償で質の高い教育を
提供することに再度注力するよう、求めます。子どもたちの背景や環境に関わらず、
すべての子どもたちが学校で教育を受けられるようにすることが究極の目標です。


■参考情報

本報告書は、ユニセフとユネスコ統計研究所が30カ国以上でパートナーシップを結んで
いる「学校に通えない子どもたちに関する世界イニシアティブ(英語表記:Global
Initiative on Out of School Children)」の一環として実施されました。報告書では、
どのような子どもたちが学校に通えないのか、なぜ通えないのか、子どもたちが学校に
通えるようにするにはどのような戦略が必要かなどが明らかになっています。

教育のためのグローバル・パートナーシップを含む複数のパートナーの支援を受け、
「学校に通えない子どもたちに関する世界イニシアティブ」は、新たに20カ国を加え、
第二段階となる調査を実施しています。

学校に通えない子どもたちに関する統計や詳細はwww.uis.unesco.orgをご参照ください。


■ 本件に関するお問い合わせ

日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
ナイロビ(東部南部アフリカ)
James Elder, UNICEF, Tel: +254 20 762 22127, Cell: +254 71558 1222,
jelder@unicef.org
Masakazu Shibata, UNESCO, Tel: +254 20 7622347, m.shibata@unesco.org
ダカール(西部中部アフリカ)
Laurent Duvillier, UNICEF, Tel: +221 338 69 76 42, Cell: + 221 77 740 35 77,
lduvillier@unicef.org
Anne Muller, UNESCO, Tel: +221338492342; Cell: +221778260154, a.muller@unesco.org

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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未上場
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設立
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