2025年度日本ビタミン学会「企画・技術・活動賞」を受賞

食品用ビタミンKの開発・有用性の研究・普及に向けた取り組みが評価

JOYL(ジェイオイル)

株式会社J-オイルミルズ(東京都中央区、代表取締役社長執行役員 CEO:春山 裕一郎 以下当社)は、当社の研究チームが2025年度日本ビタミン学会「企画・技術・活動賞」を受賞しましたので、お知らせします。

 今回の受賞は、2月11日に開催された公益社団法人 日本ビタミン学会の学会賞選考委員会ならびに理事会において決定されたもので、6月28日に東京都で開催された日本ビタミン学会第77回大会において、授賞式および受賞講演が執り行われました。

2025年度日本ビタミン学会「企画・技術・活動賞」当社受賞メンバー 左から 佐藤 俊郎、河原 瑠美、鈴木 啓章、宮田 貴史

 公益社団法人 日本ビタミン学会は、ビタミン学(ビタミン、その他のバイオファクターに関する学問分野)の進歩、発展に貢献することで国民の健康増進に寄与することを目的に1949年に設立され、ビタミン学に特化した学会として発展しました。「企画・技術・活動賞」はビタミンとバイオファクターの価値を科学的に裏付けて国民の健康と福祉に役立つような企画・技術・活動に特に貢献した者に対し授与されます。

受賞内容

 ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種で正常な血液凝固に必要なビタミンとして発見されましたが、ビタミンKのなかでもビタミンK2が骨粗しょう症の治療薬として使われるようになり、1990年代半ばから注目されるようになりました。当社は1990年代に納豆菌によるビタミンK2(メナキノン-7 以下MK-7)の発酵生産および抽出・精製に関する開発をおこない、商業生産を開始しました。その後30年以上にわたり国内外の食品業界やサプリメント業界にビタミンKを供給してきました。

 2004年にはビタミンKのうち、長鎖のビタミンK2(MK-7, 8, 9)を多く摂取している人ほど、動脈の石灰化が抑制され、心疾患による死亡率も少ないという疫学研究※1が注目され、欧州で当社のビタミンK2(MK-7)を使った臨床試験が行われました。その結果、ビタミンK2(MK-7)は、ビタミンK1やビタミンK2(MK-4)と比べ、血中半減期が長く、より少ない量でオステオカルシンやマトリックスGlaタンパク質などのビタミンK依存性タンパク質を活性化する能力があることが示されました※2。さらに3年間の介入試験により、MK-7の骨に対する効果(骨密度、骨強度、骨量の減少抑制)※3と動脈への効果(動脈の柔軟性維持)※4が証明されました。

 これらの研究結果もあり、欧米においてビタミンK2、特にMK-7の市場が急速に拡大しました。当社は海外で食品素材として販売するために、欧州食品安全機関(EFSA)のNovel Foodsの承認※5、米国self-GRAS※6の取得、宗教認証やGMP※7の認証など、各種規制への対応や認証の取得をおこないました。その後も国内外でのビタミンK2(MK-7)の普及を目指し、独自の研究に加え、書籍や雑誌などにおいて積極的に総説を発表しました※8。

2025年度 日本ビタミン学会「企画・技術・活動賞」受賞盾

 当社の約30年にわたるビタミンK2(MK-7)に関する研究開発や、国内外における普及・啓発の取り組みが評価され、今回の受賞となりました。

 公益社団法人日本ビタミン学会、および2025年度日本ビタミン学会「企画・技術・活動賞」の詳細は

https://www.vitamin-society.jp/ をご参照ください。

当社研究開発センター 佐藤 俊郎のコメント

 当社は、1994年から農林水産省の先端産業技術開発事業として発足したニューフードクリエーション技術研究組合に参画し、食品向けのビタミンK2(MK-7)の開発を進めました。ビタミンのなかでは市場が小さかったビタミンKですが、日本の伝統食品である納豆にのみ特徴的に多く含まれるMK-7が海外で話題になり、日本でも市場が徐々に拡大してきました。今回、独自素材の開発・生産・販促など長年の取り組みを評価していただき感謝しております。近年、ビタミンKの研究は以前より活発になっており、新しい領域での機能健康増進にも役立てられればと考えています。

当社ビタミンK2製品の特長

 当社ではビタミンK2、イソフラボン、サポニン、ビタミンEなどの大豆関連の微量栄養素を活用した機能性素材をお届けしています。

 当社のビタミンK2(MK-7)は納豆菌由来の天然型で、独自の製造技術により開発された食品素材です。特殊脱臭製法により無味無臭のため、食品の味や臭いへの影響が少ないことや、高濃度のビタミンK2を含んでいるため、少量添加するだけで摂取目安量を満たすことができる点が特長です。

 当社の機能性素材製品について、詳細は https://www.j-oil.com/prosumer/fine/ をご参照ください。

※1 Geleijnse, JM, et al.(2004) J. Nutr. 134, 3100.

※2 Theuwissen, E. et al.(2012) Br. J. Nutr. 108, 1652.

※3 Knapen, MHJ, et al. (2013) Osteoporosis Int. 24, 2499.

※4 Knapen, MHJ et al. (2015). Thromb. Haemost. 113, 1135.

※5 欧州連合(EU)において1997年5月15日以前に食用として使用されていなかった方法で製造された食品や食品原料の安全性に関する承認

※6 Generally Recognized As Safe:米国における専門家による食品の安全性の評価制度

※7 Good Manufacturing Practice(適正製造規範):原材料の受け入れから製造、出荷まで全ての過程において、製品が「安全」に作られ、「一定の品質」が保たれるようにするための製造工程管理基準

※8 Sato, T. et al. (2020) Nutrients 12, 965.

株式会社J-オイルミルズ

株式会社J-オイルミルズ(東証プライム市場、証券コード2613)は2004 年に製油業界の3社が統合して誕生した、味の素グループの食用油メーカーです。JOYL「AJINOMOTO オリーブオイル」をはじめとする油脂製品を主力とし、特に業務用油脂では高いシェアを誇ります。マーガリン類、油糧(ミール)、スターチ、機能性素材など幅広い事業を展開しており、プラスチック使用量を6割以上※削減した紙パックの食用油「スマートグリーンパック®」シリーズやCFP(Carbon Footprint of Products)マークを取得した業務用の長持ち油「長徳®」シリーズなど、植物由来の原料から価値を引き出し「おいしさ×健康×低負荷」の実現を目指しています。
詳細については https://www.j-oil.com/ をご参照ください。
※ 当社計算。従来のプラスチック製の同容量帯容器と比較した場合。

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ビジネスカテゴリ
食品・お菓子
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

株式会社J-オイルミルズ

23フォロワー

RSS
URL
https://www.j-oil.com/
業種
製造業
本社所在地
東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー
電話番号
03-5148-7100
代表者名
春山 裕一郎
上場
東証プライム
資本金
100億円
設立
2004年07月