日本腎臓病協会とノバルティス、慢性糸球体腎炎、難治性腎疾患の適切な診療普及に向け、連携協定を締結
協定の目的
腎臓病の克服に向けた取り組みを通じて、慢性糸球体腎炎及び腎臓難病(難治性腎疾患)の適切な診療の普及を推進すること。
連携、協力事項
難治性腎疾患の適切な診療の普及に向け、地域の実態に合わせた医療提供体制の構築
地方自治体、関連医療機関、健診機関、保険者、報道機関への難治性腎疾患の適切な診療の普及に関する啓発
本協定締結についてのコメント
日本腎臓病協会理事長 柏原直樹
慢性糸球体腎炎や難病指定の対象となる腎臓病(難治性腎疾患)は様々な原因で発症します。慢性糸球体腎炎は新規血液透析導入の原疾患割合の第3位1を占めています。一方で、治療は進歩しており、適切な診断と治療により予後が改善します。重症化を防ぐために日常生活の適正化も重要な要素で、多職種によるチーム医療、療養支援が求められます。腎臓病医療の均てん化に向けては、かかりつけ医、腎臓専門医、協力医、行政との連携体制を地域の実情にあった形で構築することが重要です。
これらを克服すべき共通課題として認識しているノバルティス ファーマ様と今回連携協定を締結できたことは腎臓病の克服に向けた大きな一歩となるでしょう。
両者で連携し、慢性糸球体腎炎、難治性腎疾患の診療をより良いものにしていきたいと考えております。
ノバルティス ファーマ代表取締役社長 レオ・リー
腎臓病克服のためのパートナーとして、日本腎臓病協会様と本協定が締結できましたこと、大変うれしく思っています。
私たちノバルティスのミッションは「医薬の未来を描く」です。医療アクセスのモデル構築、治療の質向上、地域社会への啓発・教育を重要な柱として位置づけ、日本でも様々な領域で自治体の状況に応じて様々な医療ステークホルダーと協働関係を築いてきました。これらの経験を今度は腎臓領域でお役立てできる機会をいただきました。難治性腎疾患、慢性糸球体腎炎には未だ解決すべき課題がありますが、患者さんの未来のために、本協定を通じて日本腎臓病協会様と共に腎臓病の克服を目指していきます。
慢性糸球体腎炎について
「慢性糸球体腎炎」とは、腎臓の糸球体が炎症を起こして、血液をうまくろ過できなくなる疾患を総称したものです。通常はろ過されない血液中のタンパク質や赤血球が尿中にもれ出る状態が、長期間続きます2。新規透析導入の原疾患割合の第3位です1。
慢性糸球体腎炎の主な疾患にはIgA腎症、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、巣状分節性糸球体硬化症などが挙げられます。これらの疾患は腎生検によって特定され、それぞれの病態や症状にあわせて治療が行われます。
難治性腎疾患について
難治性腎疾患とは、指定難病として定められている腎臓疾患を総称したものです。主な難治性腎疾患にはIgA腎症、多発性嚢胞腎、一次性ネフローゼ症候群、急速進行性糸球体腎炎などが挙げられます。
NPO法人日本腎臓病協会について
日本腎臓病協会は、医療者、市民、関連企業、行政等が連携し腎臓病を克服するために、立ち上げた組織です。腎臓病の普及・啓発、診療連携体制の構築、腎臓病療養指導士制度の運営、患者会との連携、アカデミアと関連企業・行政等が連携するプラットフォームである「Kidney Research Initiative-Japan(KRI-J)」の運営などの事業を積極的に展開しています。腎臓分野において、日本全国どこにいても、良質な医療の恩恵を享受できる環境の実現に尽力しています。日本腎臓病協会についてはhttps://j-ka.or.jp/をご覧ください。
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパニー、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、医薬の未来を描いています。詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.co.jp
以上
参考文献
日本透析医学会統計調査委員会 図説 わが国の慢性透析療法の現況(2022年12月31日現在)
家族と考える慢性腎臓病サイト~腎援隊(じんえんたい)「慢性糸球体腎炎とは」
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