3月10日から開催中の第69回国連女性の地位委員会(CSW69)に際し、「CSW69/Beijing+30 ポリシーブリーフ」を発表
〜後退の時代における女の子の権利拡大に向けて〜
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、第69回女性の地位委員会(CSW69) に際し、主要な政策メッセージをまとめたポリシーブリーフ「CSW69/Beijing+30」 を発表しました。
本ブリーフは、ジェンダー平等と人権に対する偏向と反発が強まっている現状を踏まえ、女の子の権利の普遍性を訴え、ジェンダー平等に向けた進歩を支えるための提言をまとめたものです。
ポリシーブリーフ「CSW69/Beijing+30」(日本語版)
https://www.plan-international.jp/activity/pdf/2501_CSW69_JP.pdf
背景
2025年は、1995年の第4回世界女性会議で「北京宣言・行動綱領」が採択されてから30年を迎える節目の年です。しかし、世界では市民スペースの縮小、反権利団体や保守的な政府の台頭が見られ、女の子と女性の権利が脅かされています。その背景には、日本を含む世界のいたるところで今なお根強く残る家父長制的な社会規範と権力構造があります。日本でも、オンライン上のポルノ画像やジェンダー差別的な発言の氾濫など、デジタル性暴力の問題が深刻化しています。
ポリシーブリーフの主な内容
本ブリーフは、以下の3つの優先テーマに基づき、女の子の権利拡大に向けた提言を示しています。
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女の子の権利
・教育とテクノロジー:ジェンダー・トランスフォーマティブな教育の推進、デジタル格差の解消
・GBV(ジェンダーに基づく暴力):あらゆる形態のGBVの犯罪化、支援サービスの強化、オンライン上の安全確保
・SRHR(性と生殖に関する健康と権利):包括的性教育(CSE)の提供、避妊や安全な中絶を含むSRHサービスの利用促進、生理の貧困対策
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危機下の女の子
・気候変動:気候変動対策への女の子の参加促進、ジェンダー・トランスフォーマティブな気候変動政策の実施
・武力紛争:紛争下の女の子に対する重大な侵害の停止、重点的人道支援の実施、平和構築への参加促進
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女の子のリーダーシップと参加
・意思決定への参加:CSW等の国際的なプロセスへの有意義な参加、公共政策への参画
・リーダーシップの育成:リーダーシップスキルの開発支援、ジェンダー平等に取り組む組織への資金提供
提言
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北京行動綱領の完全な実現に向け、あらゆる多様性を持つ女の子、思春期の若者、女性のための法律と政策を施行、実施し、財源を確保すること
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開かれた、活気ある市民スペースを確保し、ジェンダー平等を目指す女性主導、ユース主導の組織や、透明性や説明責任を果たしている機関を含む人権活動家を支援すること
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女の子の権利向上のために、以下を強化すること:
・女の子の多様性を反映させた、最も強力で進歩的な合意された文言を、可能な限り一貫して使用する
・ジェンダー・トランスフォーマティブで年齢に配慮した方法を通じ、権利保持者として女の子、思春期の若者、ユース女性の多様性をより反映させる
・国際的な政策立案とソフトローの規範設定を強化する
・人権の普遍性への攻撃や、女の子と女性の基本的自由と権利の否定を、宗教や文化によって正当化することを認めない
・すべての子どもたちのオンライン上の安全を確保する
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ジェンダー不平等の根本原因である家父長制を見直し、有害な社会的規範を打破する取り組みを推進すること
・家父長制に異議を唱え、虐待を正当化する文化的な理由を否定し、ジェンダー平等を促進する
・肯定的な男性性を推進し、力の不均衡に取り組むことが、暴力の連鎖を断ち切り、
ジェンダー平等を促進する鍵となる
詳細はこちら:https://www.plan-international.jp/news/20250310_info-37/
プランでは、引き続き女の子と女性が誰一人取り残されることなく、自らの未来を切り開けるよう、政策提言活動を通じてサポートしていきます。
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