日本各地でとっておきの「美」に出会うためのガイドブック。『日本の名画・名品を訪ねて 旅する日曜美術館』 「北海道・東北・関東・甲信越・北陸」編と「東海・近畿・中国・四国・九州」編の全2巻が発売!
―NHK「日曜美術館」のアーカイブスをもとに、ぜひ訪れたい77館をピックアップ―
「北海道・東北・関東・甲信越・北陸」編では41館、「東海・近畿・中国・四国・九州」編では36館、全国各地の多種多様な77館をとりあげます。
その一部を紹介します。
・岡本太郎記念館(「北海道・東北・関東・甲信越・北陸」編)
〈太陽の塔〉でおなじみの岡本太郎。東京・南青山にある岡本太郎記念館は、彼が戦後50年近く住居兼アトリエとして住んだ家を記念館にしたものです。玄関で靴を脱いでなかに入ると、向かって左手が受付とミュージアムショップ、正面には〈縄文人〉という彫刻作品が展示されています。
二階の展示室は、さまざまな企画展が催されるスペース。一階のサロンには、岡本太郎の等身大人形のほか、とても座りにくそうな椅子など、岡本太郎のいたずらっぽい作品が飾られています。アトリエには、描きかけかと思われる大小のキャンバスが棚にぎっしり。大きな机の上には、すさまじい数の絵具と絵筆が闘いの後のように古びています。
岡本太郎記念館は、内部はもちろん、建物や庭、展示品など全体のたたずまいが、岡本太郎その人そのもののような姿をしています。
・安曇野ちひろ美術館(「北海道・東北・関東・甲信越・北陸」編)
いわさきちひろは、子供を生涯のテーマとして描き続けた画家です。モデルなしで一〇か月と一歳のあかちゃんを描き分け、その観察力とデッサン力を駆使して、子供のあらゆる姿を描き出したちひろの作品は、母として子育てをしながら、子供のスケッチを積み重ねるなかで生まれました。日本の伝統的な水墨画の技法にも通じる、にじみやぼかしを生かした独特の水彩画には、若き日に習熟した藤原行成流の書の影響もみられるといいます。
長野県松川村の「安曇野ちひろ美術館」では、こうしたいわさきちひろの世界にたっぷりと浸ることができます。また、世界の絵本作家の作品に出会うこともできます。たとえば、ロシアのエフゲーニー・ラチョフ(代表作『てぶくろ』)、アメリカのエリック・カール(代表作『はらぺこあおむし』)など、各国を代表する絵本作家たち。安曇野ちひろ美術館は、すぐれた子どもの本のイラストレーションを貴重な文化財の一つとして位置づけ、世界の絵本画家の原画と資料の収集・保存・研究・公開に努めています。
・山口県立美術館(「東海・近畿・中国・四国・九州」編)
山口は中世に大内氏が京の都に倣って町づくりをした古都。瑠璃光寺の五重塔(国宝)や、常栄寺の雪舟作とされる枯山水庭園などにその面影を偲ぶことができます。この山口のパークロードに建つ山口県立美術館は1979年(昭和54)の開館。1974年に亡くなった洋画家・香月泰男の遺族から、香月の多数の作品が県に寄贈されたことがきっかけとなって建設されました。
香月泰男の代表作は「シベリア・シリーズ」。シベリア抑留体験から生み出された57点のシリーズには、それぞれの絵に香月自身のコメントがついています。たとえば〈青の太陽〉(1969年)には、次のように。
「ホロンバイルで匍匐前進をしているときに、自分の間近に目を落とすと、蟻たちが自分の穿った穴に自由に出入りし、精いっぱい生きていた。ああ自分も蟻になって青空だけを見て過ごしたいと思った。暗い穴の底から青空を見ると、真昼でも星が見えるそうだ」。
絵には、心象としての空の青、真昼の星、穴のなかの闇が対照的に描かれています。
美術館には、今だからこそ沁みる美があります。2巻の『旅する日曜美術館』で、豊かな美の世界へ仮想トリップ! 各美術館紹介ページの冒頭には、それぞれの美術館のWEBサイトにアクセスできる「QRコード」を付記しています。
■『日本の名画・名品を訪ねて 旅する日曜美術館 北海道・東北・関東・甲信越・北陸』 構成
北海道
砂澤ビッキと 札幌芸術の森野外美術館――北海道札幌市
本郷新記念札幌彫刻美術館――北海道札幌市
神田日勝記念美術館――北海道鹿追町
木田金次郎美術館――北海道岩内町
東北
奈良三智と 青森県立美術館――青森県青森市
棟方志功記念館――青森県青森市
常田健 土蔵のアトリエ美術館――青森県青森市
藤田嗣治と 秋田県立美術館――秋田県秋田市
小松均と 山形美術館――山形県山形市
土門拳記念館――山形県酒田市
森田茂と 酒田市美術館――山形県酒田市
松本竣介・船越保武と 岩手県立美術館――岩手県盛岡市
佐藤忠良と 宮城県美術館――宮城県仙台市
関東(東京以外)
益子陶芸美術館と 濱田庄司記念益子参考館――栃木県益子町
鶴岡政男・福沢一郎と 群馬県立近代美術館――群馬県高崎市
小川芋銭と 茨城県近代美術館――茨城県水戸市
茨城県天心記念五浦美術館――茨城県北茨城市
河鍋暁斎記念美術館――埼玉県蕨市
原爆の図 丸木美術館――埼玉県東松山市
鳥居清長・橋口五葉と 千葉市美術館――千葉県千葉市
宮崎進と横浜美術館――神奈川県横浜市
横須賀美術館 谷内六郎館――神奈川県横須賀市
鎌倉市鏑木清方記念美術館――神奈川県鎌倉市
真鶴町立中川一政美術館――神奈川県真鶴町
関東(東京)
藤島武二・青木繫・関根正二と アーティゾン美術館――東京都中央区
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション――東京都中央区
円山応挙と 三井記念美術館――東京都中央区
日本民藝館――東京都目黒区
尾形光琳と 根津美術館――東京都港区
岡本太郎記念館――東京都港区
速水御舟と 山種美術館――東京都渋谷区
浮世絵と 太田記念美術館――東京都渋谷区
甲信越
平山郁夫シルクロード美術館――山梨県北杜市
碌山美術館――長野県安曇野市
安曇野ちひろ美術館――長野県松川村
長野県信濃美術館 東山魁夷館――長野県長野市
佐藤哲三と 新潟県立近代美術館――新潟県長岡市
北陸
加山又造・下保昭と 富山県水墨美術館――富山県富山市
鴨居玲と 石川県立美術館――石川県金沢市
横山操・小野忠弘と 福井県立美術館――福井県福井市
『日本の名画・名品を訪ねて 旅する日曜美術館 東海・近畿・中国・四国・九州』 構成
東海
尾形光琳・岩佐又兵衛と MOA美術館――静岡県熱海市
静岡市立芹沢銈介美術館――静岡県静岡市
静岡市東海道広重美術館――静岡県静岡市
浜松市秋野不矩美術館――静岡県浜松市
熊谷守一と 愛知県美術館――愛知県名古屋市
稲沢市荻須記念美術館――愛知県稲沢市
一宮市三岸節子記念美術館――愛知県一宮市
村山槐多・柳原義達と 三重県立美術館――三重県津市
近畿
田中恭吉・原勝四郎と 和歌山県立近代美術館――和歌山県和歌山市
長沢芦雪と 串本応挙芦雪館――和歌山県串本町
伊藤若冲・与謝蕪村と MIHO MUSEUM――滋賀県甲賀市
白沙村荘 橋本関雪記念館――京都府京都市
村上華岳・山口薫と 何必館・京都現代美術館――京都府京都市
河井寛次郎と アサヒビール大山崎山荘美術館――京都府大山崎町
松浦屛風・琳派と 大和文華館――奈良県奈良市
上村松園・上村松篁と 松伯美術館――奈良県奈良市
神戸市立小磯記念美術館――兵庫県神戸市
清荒神清澄寺 鉄斎美術館――兵庫県宝塚市
中国
安井曾太郎と 大原美術館――岡山県倉敷市
池田遙邨と 倉敷市立美術館――岡山県倉敷市
井原市立田中美術館――岡山県井原市
奥田元宋・小由女美術館――広島県三次市
植田正治写真美術館――鳥取県伯耆町
香月泰男と 山口県立美術館――山口県山口市
横山大観と 足立美術館――島根県安来市
四国
山下菊二と 徳島県立近代美術館――徳島県徳島市
森堯茂・木下晋と 町立久万美術館――愛媛県久万高原町
土方久功・日和崎尊夫と 高知県立美術館――高知県高知市
九州
髙島 野十郎と 福岡県立美術館――福岡県福岡市
坂本繁二郎と 久留米市美術館――福岡県久留米市
古伊万里・柿右衛門と 佐賀県立九州陶磁文化館――佐賀県有田町
高山辰雄・福田平八郎と 大分県立美術館――大分県大分市
生人形と 熊本市現代美術館――熊本県熊本市
坂本善三美術館――熊本県小国町
瑛九と 宮崎県立美術館――宮崎県宮崎市
田中一村記念美術館――鹿児島県奄美市
■商品情報
『日本の名画・名品を訪ねて 旅する日曜美術館 北海道・東北・関東・甲信越・北陸』
出版社:NHK出版
発売日:2020年10月28日
定価:2,640円(本体2,400円)
判型:A5判
ページ数:256ページ
ISBN:978-4-14-081736-0
URL:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000817362020.html
『日本の名画・名品を訪ねて 旅する日曜美術館 東海・近畿・中国・四国・九州』
出版社:NHK出版
発売日:2020年10月28日
定価:2,640円(本体2,400円)
判型:A5判
ページ数:248ページ
ISBN:978-4-14-081737-7
URL:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000817372020.html
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