帯状疱疹「発症72時間以内」の治療開始で神経痛リスク85%低減、8割が「初期症状を見逃した」と回答
夏の疲れ・猛暑ストレスで免疫低下、帯状疱疹患者300名調査で判明した早期受診の重要性
【結論】本調査のポイント
結論から言うと、帯状疱疹の初期症状は皮膚のピリピリ・チクチクとした違和感や痛みから始まり、その後水ぶくれが現れます。自然治癒することもありますが、発症から72時間以内に抗ウイルス薬治療を開始しないと、帯状疱疹後神経痛という長期的な痛みが残るリスクが大幅に高まります。また、水ぶくれに触れた人が水痘(みずぼうそう)未経験の場合は水痘として感染する可能性があるため、注意が必要です。
・帯状疱疹経験者の82.3%が「初期症状を見逃した、または様子を見てしまった」と回答
・発症72時間以内に治療を開始した群は、帯状疱疹後神経痛の発症率が14.7%だったのに対し、72時間以降に開始した群は58.2%と約4倍の差
・夏季(7〜8月)に発症した人の67.0%が「発症前2週間に強い疲労・ストレスを感じていた」と回答
用語解説
■ 帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは
帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化することで発症する皮膚疾患である。幼少期に水痘(みずぼうそう)に感染した後、ウイルスは神経節に潜伏し続け、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下した際に再び活性化して発症する。体の片側に帯状に水ぶくれと強い痛みを伴う発疹が現れることが特徴である。
■ 帯状疱疹後神経痛(PHN)とは
帯状疱疹後神経痛(Post-herpetic Neuralgia:PHN)とは、帯状疱疹の皮膚症状が治癒した後も3か月以上痛みが続く状態を指す。帯状疱疹ウイルスによって神経が損傷されることが原因で、焼けるような痛みや電気が走るような痛みが持続し、日常生活に支障をきたすことがある。50歳以上の患者では発症リスクが高く、早期治療開始が予防の鍵となる。
■ 抗ウイルス薬とは
抗ウイルス薬とは、ウイルスの増殖を抑制する薬剤である。帯状疱疹の治療では、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなどが用いられ、ウイルスのDNA複製を阻害することで症状の悪化を防ぎ、治癒を早める。発症から72時間以内に投与を開始することで、帯状疱疹後神経痛の発症リスクを大幅に低減できる。
帯状疱疹治療開始時期による転帰の比較

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比較項目 |
72時間以内に治療開始 |
72時間以降に治療開始 |
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帯状疱疹後神経痛の発症率 |
14.7% |
58.2% |
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皮膚症状の治癒期間 |
2〜3週間 |
3〜5週間 |
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強い痛みの持続期間 |
1〜2週間 |
3〜6週間 |
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入院が必要になる割合 |
3.2% |
18.7% |
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日常生活への支障期間 |
約2週間 |
約1〜2か月 |
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治療費用の目安(3割負担) |
約3,000〜5,000円 |
約8,000〜15,000円 |
※一般的な目安であり、個人差があります。重症度や基礎疾患の有無によって異なります。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、帯状疱疹を経験した全国の20〜70代の男女300名を対象に、発症時の状況と治療開始時期に関する実態調査を実施しました。皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験を持つ当院監修医師・髙桑康太が、調査結果をもとに帯状疱疹の早期発見・早期治療の重要性について解説します。
調査背景
近年、帯状疱疹の患者数は増加傾向にあり、特に夏季は猛暑による疲労やストレス、睡眠不足などで免疫力が低下しやすく、発症リスクが高まります。帯状疱疹は早期に治療を開始すれば比較的短期間で治癒しますが、治療が遅れると帯状疱疹後神経痛(PHN)という長期的な痛みが残る可能性があります。しかし、初期症状が「肩こり」「虫刺され」「かぶれ」などと間違えられやすく、受診が遅れるケースが多いのが現状です。そこで当院では、帯状疱疹を経験した方々の実態を把握し、早期受診の重要性を広く啓発するため、本調査を実施しました。
調査概要
調査対象:帯状疱疹を経験したことがある全国の20〜70代の男女
調査期間:2026年7月15日〜7月24日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】6割以上が「皮疹より先に痛み・違和感」を経験
設問:帯状疱疹を発症した際、最初に現れた症状は何でしたか?

帯状疱疹の初期症状として、皮膚のピリピリ・チクチク感(38.7%)と痛み(24.0%)を合わせると62.7%が皮疹より先に神経症状を経験していることが判明しました。この段階で「肩こり」「筋肉痛」と誤認するケースが多く、発疹が出るまで帯状疱疹と気づかないことが治療の遅れにつながっています。
【調査結果】約半数が「発症72時間以内」の治療開始に間に合わず
設問:帯状疱疹の初期症状に気づいてから、医療機関を受診するまでどのくらいの時間がかかりましたか?

発症72時間以内に受診した人は52.0%にとどまり、約半数が抗ウイルス薬の効果が最も高い「ゴールデンタイム」を逃していることが明らかになりました。特に3〜5日で受診した28.3%の層は「様子を見ていた」「仕事が忙しかった」という理由が多く、早期受診の啓発が急務です。
【調査結果】8割以上が帯状疱疹と気づかず「様子見」していた
設問:帯状疱疹の初期症状を、最初は何だと思いましたか?

帯状疱疹の初期症状を正しく認識できたのはわずか17.7%で、82.3%が別の症状と誤認していました。特に「筋肉痛・肩こり」(27.3%)や「虫刺され」(22.0%)との混同が多く、痛みや発疹の特徴(体の片側に帯状に現れる)を知っていれば早期発見につながる可能性があります。
【調査結果】発症者の9割以上が「免疫低下要因」を自覚
設問:帯状疱疹を発症する前の2週間で、当てはまるものをすべて選んでください。(複数回答)

帯状疱疹発症者の91.7%が発症前2週間に何らかの免疫低下要因を抱えていたことが判明しました。特に「強い疲労感」(67.0%)と「ストレス」(58.3%)の組み合わせが多く、夏季の猛暑による身体的・精神的負担が発症の引き金になっている可能性が示唆されます。
【調査結果】治療開始が72時間を超えると神経痛リスクが4倍に
設問:帯状疱疹後神経痛(皮膚症状が治った後も3か月以上痛みが続く状態)を経験しましたか?

帯状疱疹後神経痛を経験した人は全体の41.3%に上りました。さらに詳細分析では、72時間以内に治療を開始した群の発症率は14.7%だったのに対し、72時間以降に開始した群では58.2%と約4倍の差がありました。早期治療開始の重要性を裏付ける結果です。
調査まとめ
本調査により、帯状疱疹患者の8割以上が初期症状を「筋肉痛」「虫刺され」などと誤認し、約半数が治療のゴールデンタイムである「発症72時間以内」の受診に間に合っていない実態が明らかになりました。また、治療開始が72時間を超えると帯状疱疹後神経痛の発症リスクが約4倍に跳ね上がることも判明し、早期受診の重要性が改めて浮き彫りになりました。夏季は疲労やストレスによる免疫低下で発症リスクが高まるため、体の片側に現れるピリピリとした痛みや違和感を感じたら、速やかに医療機関を受診することが推奨されます。
医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、帯状疱疹は「いかに早く治療を開始するか」がその後の経過を大きく左右する疾患です。発症から72時間以内に抗ウイルス薬治療を開始できれば、帯状疱疹後神経痛のリスクを大幅に低減できます。
帯状疱疹は、日本人の約3人に1人が生涯で一度は経験するといわれる身近な疾患です。50歳を過ぎると発症率が急激に上昇し、80歳までに約3人に1人が発症するというデータもあります。特に夏季は、猛暑による身体的疲労、睡眠不足、エアコンによる寒暖差ストレスなどで免疫力が低下しやすく、帯状疱疹ウイルスが再活性化しやすい環境が整います。
帯状疱疹の初期症状で最も重要なのは「体の片側だけ」に現れる痛みや違和感です。背中、腰、胸、顔など、体の左右どちらか片側に帯状に症状が現れるのが特徴で、この段階で帯状疱疹を疑えれば早期受診につながります。「両側に症状がある」「全身に広がっている」場合は別の疾患の可能性が高いです。
帯状疱疹は水ぶくれの内容物に触れることで、水痘(みずぼうそう)未経験者に水痘として感染させる可能性があります。ただし、帯状疱疹として人から人に直接うつることはありません。妊婦や免疫力の低下した方、水痘未経験の乳幼児との接触は避け、水ぶくれが完全にかさぶたになるまで(通常2〜3週間)は注意が必要です。
50歳以上の方には、帯状疱疹ワクチンの接種も予防策として推奨されています。現在、日本では生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)と不活化ワクチン(シングリックス)の2種類が使用可能で、特に不活化ワクチンは予防効果が90%以上と高く、免疫力が低下している方にも接種できるメリットがあります。
【エビデンス】日本皮膚科学会の帯状疱疹診療ガイドラインでは、抗ウイルス薬は「発症から72時間以内、遅くとも皮疹出現から72時間以内に投与を開始することが望ましい」と明記されています。これは、ウイルスの増殖が発症初期にピークを迎えるため、この時期に投与することで最も高い効果が得られるためです。また、帯状疱疹後神経痛の予防には早期治療が最も重要であることも、複数の臨床研究で示されています。
帯状疱疹を疑う初期症状のポイント
・体の片側だけに現れるピリピリ・チクチクした痛みや違和感
・数日後に同じ部位に赤い発疹や水ぶくれが出現
・痛みが「帯状」または「線状」に広がる感覚
・発症前に強い疲労やストレスがあった
早期受診のための目安
・片側だけの原因不明の痛みが2日以上続く場合は受診
・赤い発疹や水ぶくれが現れたら即日受診
・「虫刺され」「かぶれ」と思っても、痛みを伴う場合は要注意
・50歳以上で免疫低下状態の方は特に警戒が必要
帯状疱疹後神経痛を防ぐための心得
・発症72時間以内の抗ウイルス薬開始が最重要
・処方された薬は自己判断で中止せず最後まで服用
・十分な休養と睡眠を確保し免疫回復を促す
・痛みが強い場合は早めに鎮痛剤の追加を相談
髙桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 帯状疱疹の初期症状は?
A. 皮膚のピリピリ・チクチクとした違和感や痛みが、体の片側に帯状に現れることが初期症状です。
今回の調査では、帯状疱疹経験者の62.7%が「皮疹より先に痛みや違和感」を経験していました。初期段階では皮膚に何も見えないことも多く、「肩こり」「筋肉痛」と誤認されがちです。数日後に同じ部位に赤い発疹や水ぶくれが現れた場合は、帯状疱疹の可能性が高いため、すぐに医療機関を受診してください。
Q2. 帯状疱疹は自然に治る?
A. 軽症であれば自然治癒することもありますが、治療せずに放置すると帯状疱疹後神経痛のリスクが大幅に高まります。
帯状疱疹は免疫力で自然に回復することもありますが、本調査では72時間以内に治療を開始しなかった群の58.2%が帯状疱疹後神経痛を発症していました。この痛みは数か月から数年続くこともあり、日常生活に深刻な支障をきたします。「自然に治るだろう」と様子を見ることは避け、早期に受診することを強くお勧めします。
Q3. 帯状疱疹は人にうつる?
A. 帯状疱疹として直接うつることはありませんが、水痘未経験者には水痘(みずぼうそう)として感染する可能性があります。
帯状疱疹の水ぶくれの中にはウイルスが含まれており、これに触れた水痘未経験者は水痘を発症する可能性があります。ただし、空気感染はしないため、水ぶくれを覆っていれば通常の接触は問題ありません。妊婦、免疫力の低下した方、水痘未経験の乳幼児との接触は、水ぶくれが完全にかさぶたになるまで控えましょう。
Q4. 帯状疱疹の治療はいつまでに始めるべき?
A. 発症から72時間以内、遅くとも皮疹出現から72時間以内に抗ウイルス薬治療を開始することが理想です。
本調査では、72時間以内に治療を開始した群と72時間以降に開始した群で、帯状疱疹後神経痛の発症率に約4倍の差(14.7%対58.2%)がありました。抗ウイルス薬はウイルスの増殖を抑える薬であり、増殖がピークを迎える発症初期に投与することで最も高い効果を発揮します。痛みや違和感を感じたら、「週末まで様子を見よう」ではなく、すぐに受診することが重要です。
Q5. 夏に帯状疱疹が増えるのはなぜ?
A. 猛暑による疲労、睡眠不足、ストレスなどで免疫力が低下し、潜伏していたウイルスが再活性化しやすくなるためです。
本調査では、帯状疱疹発症者の67.0%が「発症前に強い疲労感があった」、58.3%が「ストレスを感じていた」と回答しました。夏季は猛暑による身体的負担に加え、冷房との寒暖差、睡眠の質の低下なども重なり、免疫機能が低下しやすい環境です。帯状疱疹ウイルスは免疫力の低下を機に再活性化するため、夏バテ気味の時期は特に注意が必要です。
放置のリスク
・帯状疱疹後神経痛(PHN):皮膚症状治癒後も数か月〜数年にわたり激しい痛みが続き、睡眠障害やうつ状態を引き起こすことがある
・重症化リスク:免疫力が著しく低下している場合、ウイルスが全身に広がり重篤な合併症(脳炎、肺炎等)を起こす可能性
・眼部・耳部の帯状疱疹:顔面に発症した場合、視力障害や聴力障害、顔面神経麻痺を起こすリスク
・瘢痕形成:重症化や治療の遅れにより、皮膚に永続的な瘢痕(傷跡)が残る可能性
こんな方はご相談ください|受診の目安
・体の片側に原因不明のピリピリ・チクチクした痛みや違和感が現れた
・片側の皮膚に赤い発疹や水ぶくれが出現した(即日受診推奨)
・目の周囲や耳の周囲に痛みや発疹がある(緊急受診推奨)
・発熱を伴う、または痛みが非常に強い
・免疫抑制剤を服用中、またはがん治療中など免疫力が低下している
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院体制で、仕事帰りや土日祝日も受診可能
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※新宿院一般皮膚科のみでの対応となります。
・帯状疱疹の迅速な診断と抗ウイルス薬の即日処方に対応
※新宿院一般皮膚科のみでの対応となります。
・帯状疱疹後神経痛の痛みに対する継続的なフォローアップ体制を整備
※新宿院一般皮膚科のみでの対応となります。
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