FastLabelと協業し、Data-centric AIアプローチによる業界特化型AIエージェント、SLM、Agentic RAGの開発を強化

株式会社ヘッドウォータース

 AIソリューション事業を展開する株式会社ヘッドウォータース(本社:東京都新宿区、代表取締役:篠田 庸介、以下「ヘッドウォータース」)は、AI開発に必要なデータ収集・生成やアノテーションに強みを持つFastLabel株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:鈴木 健史、以下「FastLabel」)と協業し、「Data-centric AI」(※1)アプローチによる業界特化型AIエージェントやSLM(※2)、高精度のAgentic RAG(Retrieval-Augmented Generation)(※3)の開発強化に取り組みます。

 ※1:Data-centric AI(データセントリックAI)とは

 Data-centric AIとは、AIモデルの精度を高めるために、アルゴリズムよりもデータの質の最適化に注力するアプローチです。

 ※2:SLMとは

 SLM(小規模言語モデル)は、LLM(大規模言語モデル)よりもサイズが小さく軽量化された言語モデルです。高速なトレーニングと推論が可能で、リソース効率も高まり、コストパフォーマンスに優れています。また、リソースに制約のあるデバイスやエッジコンピューティングに適しており、セキュアで機密性が高いといった様々な特徴があります。より小型となる言語モデルの可能性が生成AIカテゴリーで注目されており、小規模言語モデルの採用が増加しております。

 ※3:Agentic RAG(エージェンティック・ラグ)とは

 Agentic RAGは、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)の構造にマルチエージェント技術を組み合わせた次世代型の情報活用アーキテクチャです。検索(Retrieval)、補完(Augmentation)、生成(Generation)といった各プロセスを役割分担した複数のAIエージェントが連携・統制することで、従来型RAGよりも柔軟かつ文脈に応じた情報取得・出力が可能になります。業務の複雑化・多様化に対応する新しい知識活用手段として注目されています。

■協業の背景

 近年、企業におけるAI活用が本格化する中、生成AIの導入では、従来以上に「データの質と量」が導入効果を左右する重要な要素とされており、特に企業固有の知識や業務文脈を反映した高品質なデータ基盤の整備が求められています。

 導入の初期段階ではプロンプト設計やモデルの微調整で一定の成果も得られますが、継続的な精度向上と業務適用には、それらを補完する形で「用途に最適化されたデータ」の整備が不可欠であり、こうした考え方に基づく「Data-centric AI」への注目が高まっています。

 これまでヘッドウォータースは、複数のAIエージェントが連携して実行するマルチエージェント型プラットフォーム「SyncLect AI Agent」(※4)を軸に、大和証券、西日本旅客鉄道、日本航空などへのAIエージェントやSLM、Agentic RAGの導入支援を行ってきました。
 今回、このような取り組みを一層加速するため、「Data-centric AI」開発のデータ収集・生成・アノテーションに高度な専門性を持つFastLabelと協業を開始しました。

 ※4:SyncLect AI Agentとは

 SyncLect AI Agentは、AIエージェント同士が連携し、複雑なタスクを効率的かつ柔軟に遂行する次世代型AIサービスです。このサービスはマイクロサービス型で提供されており、企業の業務環境に合わせた高いカスタマイズ性を誇るだけでなく、AIエージェント活用の幅を大きく広げ、「業務全体を最適化するAIエージェントプラットフォーム」となります。

 https://www.headwaters.co.jp/news/synclect_ai_agent_release.html

 https://www.youtube.com/watch?v=5mmW4YjgKJk (動画デモ)

■協業概要

 両社は、「Data-centric AI」アプローチに基づき、下記支援を顧客企業に提供します。

 ➀自動車・金融・運輸・製造・医療分野を中心とした高品質な業界特化型AIエージェントの開発。
 ➁業界特化した専用のAIエージェントを自律的に参照する「Agentic RAGオーケストレータ」、

  AIエージェントの全体設計指針である「Agentic Design Pattern」の策定、ならびに要件に

  応じた最適なAgentic RAGアーキテクチャを提供。

 ③SLMのファインチューニング高度化による開発期間の短縮とパフォーマンス向上。

 ④RAGデータの最適化技術とAgentic RAG技術の組み合わせによる精度向上と効果の最大化。

 ⑤SLM×エッジAI技術と効率的なデータセット提供による高性能エッジAIの実現。

ヘッドウォータースの強み

 ・複数の自律的なAIエージェントが連携して動作するマルチエージェントの技術力
 ・RAGの実装技術と実績
 ・SLM×エッジAIの知見
 ・Microsoft Azure連携技術
 ・大手企業へのAIエージェント導入実績

■FastLabelの強み

 ・多様なデータセット作成技術
 ・インストラクションデータ(※5)作成のノウハウ
 ・ファインチューニングのノウハウ
 ・RAG向けデータの構造化や最適化技術

 ※5:インストラクションデータとは

 AIに特定のタスクや振る舞いを学習させるための「指示と応答例」のセットです。生成AIの精度向上や業務適応に不可欠な学習用データとして活用されます。

■代表者コメント

・FastLabel株式会社 代表取締役CEO 鈴木 健史氏

 今回の協業は、業界特化型AIエージェント、SLM、Agentic RAGの社会実装を加速させる重要な一歩になると考えています。当社のデータエンジニアリング技術とヘッドウォータース社のAIエージェント技術を融合させることで、企業のAI導入障壁を大きく低減し、日本企業の競争力強化に貢献できると考えており、引き続き両社の強みを最大限に活かしたソリューションの提供を目指してまいります。

・株式会社ヘッドウォータース 代表取締役 篠田 庸介

 今回のFastLabel社との協業は、AIの社会実装を推進するうえで、大きな力になると確信しております。AIの性能は、優れたモデルだけでなく、どれだけ現場に最適化された高品質なデータを用意できるかによって決まります。

ヘッドウォータースが持つマルチエージェント技術やSLMの開発力と、FastLabel社の高度なデータエンジニアリングを掛け合わせることで、より精緻で実用的なAIエージェントを業界ごとに展開してまいります。

今後も両社の強みを活かし、AIの社会実装を進めてまいります。

■今後について

 今後も両社は、マルチエージェント(※6)の開発や、個別業務資産を活用した統合型Agentic RAG構成の確立を通じて、企業の意思決定や業務効率化に対する支援を強化してまいります。

また、MCP(※7) / A2A(※8)を通じた外部・オンプレミスデータの活用が本格化する中で、それらのデータを活かした高度なAI活用基盤の構築にも共同で取り組んでまいります。

 ※6:マルチエージェントとは

 マルチエージェントシステムは、複数のAIエージェントが相互に作用し、協調してタスクを達成するシステムです。各AIエージェントは自律的に行動し、周囲の環境や他のAIエージェントと情報を交換しながら、全体としての目標を達成します。

 ※7:MCP(Model Context Protocol)とは

 MCPとは、AIモデルが外部の文脈情報(Context)を動的に取得・参照しながら処理を行うための接続方式または設計思想を指します。これにより、オンプレミス環境やクラウド上に分散した業務データ、ドキュメント、アプリケーションなどと連携し、リアルタイムかつ状況に応じた回答や判断を可能にします。RAGやAIエージェントの活用が進む中で、企業内の多様な情報資産を有効に活かす次世代のプロトコルとして注目されています。

 ※8:A2A(Agent-to-Agent)とは

 A2Aとは、複数のAIエージェントが互いに役割を分担し、情報や処理結果を連携・受け渡しながら業務を自律的に遂行するアーキテクチャです。個々のエージェントが特定の機能や領域を担いながら協調することで、複雑な業務プロセスにも対応可能となり、よりスケーラブルかつ柔軟なAI活用が実現できます。

 なお、本件による当社の当期業績に与える影響は軽微であります。今後開示すべき事項が発生した場合には速やかにお知らせいたします。

以上

■参考情報

・富士通とヘッドウォータース、日本航空客室乗務員のレポート作成業務効率化に向け業務特化型オンデバイス生成AIソリューションの実証実験を実施

https://www.headwaters.co.jp/news/headwaters_fujitsu_generative_ai_jal_cabin_crew_workflows.html

・大和証券と協働し、AIオペレーターを開発 ~ 生成AI活用による顧客体験(CX)変革を実現 ~

https://www.headwaters.co.jp/news/hws_daiwa_ai_operator.html

・JR西日本の生成AI「Copilot for 駅員」に対する開発支援を行っています

https://www.headwaters.co.jp/news/jr_west_ai_copilot_for_ekiin.html

■商標について
 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

■会社情報

 会社名:FastLabel株式会社

 所在地:〒163-0224 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル24階

 代表者:代表取締役CEO 鈴木健史

 設 立:2020年1月

 URL :https://fastlabel.ai/

 会社名:株式会社ヘッドウォータース

 所在地:〒163-1304 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー4階

 代表者:代表取締役 篠田 庸介

 設 立:2005年11月

 URL :https://www.headwaters.co.jp

■本件のお問い合わせ先

 株式会社ヘッドウォータース

 メール:info@ml.headwaters.co.jp

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会社概要

株式会社ヘッドウォータース

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URL
https://www.headwaters.co.jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー4階
電話番号
-
代表者名
篠田 庸介
上場
東証グロース
資本金
3億8287万円
設立
2005年11月