【トルコ・シリア大地震から半年】人々は今も仮住まいのまま、飢餓のリスクにさらされています
・「2023年人道対応計画」は53億ドルの資金を必要としていますが、半年を経てわずか13%しか調達できていません
・食糧配布削減の決定により、約250万人が深刻な飢餓の危機に瀕しています
壊滅的な地震発生から8月6日で6カ月を迎えようとする中、シリア北西部の人道的状況はかつてないほど悪化している、と世界の子どもを支援するNGOであるワールド・ビジョンは警告します。
「シリア北西部とトルコ南部を襲った壊滅的な地震から半年が経過した今、シリアの人々は、地震の影響だけでなく、長引く紛争、経済不況、コレラの流行、厳しい気候などの苦しみとも闘っています」と、ワールド・ビジョンのシリア対応事業の責任者であるヨハン・モイジは話します。
シリア北西部では、仮設住宅で暮らす家族の数が増えていることが懸念されています。地震で家を失った約26万5000人が、適切な住居を必要としています。この懸念をさらに深刻化させているのが、夏の猛暑による相次ぐ火災です。7月15日から17日までのわずか3日間で40件以上の火災が発生。2023年だけで現時点までで、180件以上の火災が発生、5人が死亡、220以上のテントが焼失しています。
ワールド・ビジョンは、さらに、食糧配布削減により、シリア北西部の状況はますます複雑化していると警告しています。この決定により、約250万人が深刻な飢餓のリスクにさらされ、すでに深刻化している危機をさらに悪化させています。驚異的スピードで増大している食料不安は、2015年と比べて50%以上の上昇をみせており、推定1,210万人が影響を受けています。栄養不良率は過去最悪を記録しており、妊娠中および授乳中の母親の4人に1人が急性栄養不良状態、一部地域では子どもの4人に1人が発育不良に陥っています。「2023年人道対応計画」は、53億ドルの資金を必要としていますが、7月21日現在で資金調達の進捗は13%に留まっており、人道支援団体の間では懸念が高まっています。
「この豊かな世界で、飢えに苦しむ子どもがいてはなりません。ワールド・ビジョンは主要なステークホルダーと協力し、緊急支援を必要としている人々の命を守り、また、飢餓の根本原因の解決に取組んでいます。また、世界規模の包括的かつ持続可能な食料システムの構築に努め、食料安全保障や栄養の確保、保健・教育の質向上、ぜい弱な子どもたちやその家族の保護施策の強化を目指して活動しています。」
ワールド・ビジョンはシリア、ヨルダン、トルコ国内において、2011年からシリア対応事業を行い、難民・国内避難民と彼らを受け入れているコミュニティの人々に、命を守るための保護、教育、水衛生、生計向上、保健等の支援を提供してきました。
ワールド・ビジョンの最重要課題は、地震を生き延びた人々が生活を取り戻すことができるよう支え、子どもたちの健やかな成長を確かなものとすることです。ワールド・ビジョンはコミュニティの人々自身が回復力をもっているという信念に立ち、支援活動の受益者の人々が生計向上の手段にアクセスできるよう支援しています。具体的には、現金やバウチャー給付、技術・教育的な職業訓練、小規模起業支援、労働の対価とした現金給付プログラムなどを通して受益世帯の能力向上を進めています。ワールド・ビジョンが目指すのは、長引く紛争と地震の影響を受けた人々が希望を持つことができるよう支え、個人の尊厳と裁量を回復し、長期的に続くよい成果を促進することです。このような活動を実施することにより、ワールド・ビジョンは、シリアおよびトルコで、80万3,483人の人々に支援を届けています。そのうち19万583人が女児、17万6,053人が男児です。
モイジは次のように話します。「厳しい状況に立ち向かう被災した人々の挫けない心、ワールド・ビジョンの現場スタッフやパートナー団体の根気強い支援は希望の光となっています。しかし、国際社会の支援と注目は依然として必要不可欠です。震災から半年を迎えるにあたり、ワールド・ビジョンは、被災した人々に手を差し伸べ、復興と回復を支援するよう個人、企業、政府、国際機関に呼びかけます」
<ワールド・ビジョンとは>
キリスト教精神に基づき、貧困、紛争、災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。
詳しくはこちら: https://www.worldvision.jp
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