新型コロナ関連倒産、第1号の発生確認から1年で累計1076件に
発生月別では「2021年1月」が最多
新型コロナウイルス関連倒産(法的整理または事業停止<銀行取引停止は対象外>、負債1000万円未満および個人事業者を含む)の第1号が確認されてから2月26日で1年が経った。
第1号となったのは、北海道栗山町に本社を構えコロッケ製造などを手がけていた北海道三富屋(株)。同社が2020年2月25日に裁判所から破産手続き開始決定を受けたことを翌26日に確認したことだった。以後、確認日ベースでの累計件数は、2020年4月27日に100件、9月8日に500件、2021年2月5日に1000件と増え続け、2月26日正午現在で全国に1076件(法的整理968件、事業停止108件)となっている。
感染第3波、緊急事態宣言再発出で年末年始に増加
1076件を発生月別に見ると、最も多かったのは「2021年1月」(130件)で、次いで「2020年12月」(124件)、「2020年6月」(111件)と続いている。2020年12月と2021年1月の増加には、11月以降の感染第3波とそれに伴う年末年始の需要喪失、また今年1月の緊急事態宣言の再発出が大きく影響しているとみられる。2021年2月の件数は26日正午現在で70件確認されているが、緊急事態宣言が延長された影響もあり、今後、12月、1月と同水準まで増加する可能性もある。
また、都道府県別に見ると、東京(260件)、大阪(106件)、神奈川(64件)、静岡(52件)、愛知(47件)、北海道(45件)の順となり、東京と大阪で全体の34.0%を占めている。
業種別では「小売業」が313件で最多
1076件を業種別(大分類)で見ると、最も多かったのは「小売業」(313件、構成比29.1%)で、以下、「サービス業」(296件、同27.5%)、「卸売業」(163件、同15.1%)、「製造業」(145件、同13.5%)と続き、小売業とサービス業の2業種で全体の56.6%を占めた。
さらに業種を細かくみると、最も多いのが小売業に含まれる「飲食店」(169件)で、「建設・工事業」(89件)、サービス業に含まれる「ホテル・旅館」(79件)、「アパレル小売」(61件)が続く。建設・工事業は飲食店をはじめとする各店舗のリニューアル・新規工事需要の大幅な減少に見舞われている。
負債100億円以上の大型倒産は4件
負債額50億円以上の倒産は13件発生し、そのうち4件が負債100億円以上となっている。負債額が最大となっているのは旅行業のホワイト・ベアーファミリー(大阪市北区、負債278億円)で、上位3件が観光関連事業者となっている。レナウンは唯一の上場企業(倒産時)の新型コロナウイルス関連倒産となっている。
緊急事態宣言後に飲食店のコロナ関連倒産がさらに増加するおそれ
業種別で最多となっている飲食店の大半は、緊急事態宣言が再発出されたエリア(都市部)で発生している。今後、緊急事態宣言は段階的に解除される流れになってはいるが、解除後の一定期間の来客状況や協力金の受給を踏まえたうえで事業継続または倒産・廃業の方向性を決定する事業者が一定数表面化する可能性があり、3月、4月の都市部飲食店を中心とした動向を注視する必要がある。
新型コロナウイルス関連倒産について
新型コロナウイルス関連倒産とは、原則として新型コロナウイルスが倒産の要因(主因または一要因)となったことを当事者または代理人(弁護士)が認め、法的整理または事業停止(弁護士に事後処理を一任)となったケースを対象としている。 個人事業主および負債1000万円未満の倒産もカウントの対象としているほか、事業停止後に法的整理に移行した場合、法的整理日を発生日としてカウントしている。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像