「ジャパン プロパティ ダイジェスト 2017 年第3四半期」
東京Aグレードオフィス空室率3.0%、賃料22四半期連続上昇、大阪Aグレードオフィス空室率2.6%、賃料13四半期連続上昇
東京 2017年11月16日 – 総合不動産サービス大手のJLL(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 河西利信)は、日本のオフィス、リテール(店舗)、ロジスティクス(物流)、ホテル市場の需要・供給動向、空室状況、賃料・価格動向及び12ヵ月予測をまとめた調査レポート「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)2017年第3四半期」を発表しました。セクター別の概要は、以下の通りです。
東京のAグレードオフィス市場
空室率:
8四半期ぶりに3%台に上昇
空室率は3.0%、前期比0.1ポイント上昇、前年比1.6ポイント上昇となり、4四半期連続上昇、8四半期ぶりに3%台を示した。赤坂・六本木はじめCBD全体では空室の減少がみられたものの、品川にて発生した二次空室がこれを相殺した。
賃料:
22四半期連続の上昇
月額坪当たり36,605円(共益費込)、前期比0.2%上昇、前年比2.1%上昇となった。上昇は22四半期連続ながら上昇ペースは3四半期連続で減速した。赤坂・六本木、大手町・丸の内で緩やかな賃料上昇が継続した。
価格・投資利回り:
価格は22四半期連続で上昇
価格は前期比0.1%上昇、前年比3.2%の上昇となった。上昇は22四半期連続となったものの上昇ペースは2四半期連続で減速した。引き続き国内外の投資家の関心は強くなっており、取得競争が続いている。
12ヵ月見通し:
賃料と価格の上昇ペースは一層減速する見通し
賃貸市場では2017年にかけて堅調な需要が既存・新規供給ビルの空室を吸収し、空室率は3%台で推移するとみられることから、賃料は緩やかな上昇基調を継続する見通し。投資市場では、投資利回りの低下余地は限定的であり、賃料上昇は小幅となることから、価格は緩やかに上昇する見通し。
大阪のAグレードオフィス市場
空室率:
2四半期連続で2%台
空室率は2.6%となり、前期比0.1ポイント低下、前年比1.2ポイント低下となり、3四半期連続で低下し、また2四半期連続で3%を下回る水準で推移した。空室は御堂筋で増加したものの、梅田、中之島で減少した。
賃料:
13四半期連続で上昇
月額坪当たり18,253円(共益費込)、前期比1.1%上昇、前年比7.3%上昇となった。13四半期連続で上昇した一方で、上昇ペースは2四半期ぶりに減速した。上昇を牽引したサブマーケットには御堂筋と梅田が含まれる。
価格・投資利回り:
価格は16四半期連続上昇
価格は前期比1.3%上昇、前年比15.3%上昇となり、16四半期連続で上昇したものの、上昇ペースは4四半期ぶりに減速した。上昇は主に賃料上昇を反映している。東京における物件競争もあり投資家の関心は高くなっているものの、供給が限定的となっている。当四半期にAグレードオフィスの取引は確認されなかった。
12ヵ月見通し:
賃料と価格の上昇ペースは減速する見通し
賃貸市場では、2017年にかけて新規供給は引き続き限定的となり、空室率は5%台を下回って推移、賃料の上昇基調を下支えする見通し。投資市場では、賃料上昇と投資利回りの低下を反映して、価格は上昇する見通し。
JLLリサーチ事業部長 赤城威志は、次のように述べています。
「2017年第3四半期のオフィス市場における成長モメンタムは持続しています。東京では、堅調な需要が既存の供給と2018年の新規供給を吸収する中、空室率は3%台の低位で推移し、緩やかな賃料上昇を下支えしています。大阪のモメンタムはより大きくなっており、空室率は2四半期連続で3%台を下回る水準で推移し、13四半期連続の賃料上昇がみられました。今後も、東京及び大阪市場ともに緩やかな賃料上昇が持続する見通しです。投資市場では、第3四半期までの投資総額が約3兆円に達し、前年同期比6%増となりました。売主・買主の価格目線の乖離が縮小した結果、大型取引を含む市場売買が成立してきています。一方、日本から海外へのアウトバウンド投資も拡大しており、ポートフォリオの分散目的のほか、運用利回りが相対的に低い日本国内から新たな投資対象を求めて、多くの国内不動産投資家が海外市場へ向かっています」
東京のリテール(店舗)市場
賃料:
前期比横ばい
月額坪当たり79,490円(共益費込)、前期比横ばい、前年比1.5%上昇となり、賃料上昇は20四半期ぶりに踊り場を迎えた。
価格・投資利回り:
16四半期ぶりに下落
価格は前期比0.1%下落、前年比0.4%増加となった。投資家の旺盛な投資意欲は継続しており、投資総額は全体的に増加しているものの、プライムリテールエリアにおける投資機会は限定的となっている。
12ヵ月見通し:
賃料と価格は一層ピークに近付く
賃貸市場では、需給は逼迫しているものの、賃料は既に高値圏にあり、安定的に推移する見通し。価格も、投資利回りの低下余地がきわめて限定的となっていることから、比較的安定的に推移する見通し。
東京のロジスティクス(物流)市場
空室率:
4四半期ぶりに上昇
空室率は4.2%、前期比1.0ポイント上昇、前年比3.8ポイント低下となった。4四半期ぶりの上昇で、主に新規供給の空室を反映した。東京ベイエリアは前期比0.1ポイント、前年比2.6ポイント低下の1.6%、内陸エリアは前期比1.8ポイント上昇、前年比4.6ポイント低下の5.9%となった。
賃料:
上昇ペースはベイエリア・内陸エリアともに加速
月額坪当たり4,199円となり、前期比1.6%上昇、前年比1.4%上昇となった。上昇ペースは2015年第2四半期以来最高となった。東京ベイエリアは前期比2.7%上昇、内陸エリアも前期比0.7%上昇し、ともに立地条件に優る新規供給の賃料水準を反映した。
価格・投資利回り:
価格は3四半期連続で上昇
価格は前期比1.2%上昇、前年比5.7%上昇となった。3四半期連続で上昇したものの、上昇ペースは2四半期連続で減速したが、引き続き投資家の関心は強くなっている。
12ヵ月見通し:
投資利回りは一層低下する見通し
賃貸市場では今後も堅調な需要が見込まれるものの、今後2年間の供給予定を背景に、賃料は2018年以降下押し圧力が加えられる見通し。投資市場では、投資家の関心の強さは続くとみられることから、投資利回りは一層低下余地する可能性があり、価格はこれを反映して緩やかに上昇する見通し。
東京のホテル市場
需要:
インバウンド客の貢献により宿泊需要の基盤は引き続き堅固
東京都の延べ宿泊者数は、2017年初来6月の累計で2,650万人であった。都内延べ宿泊者数の35%を占める外国人宿泊者数は、対前年比14%増の920万人、日本人宿泊者数は対前年比3%増の1,730万人であった。 2017年1月-7月の訪日外国人客数は対前年比17.3%増の1,640万人を記録したが、都内の外国人宿泊者数は同ペースでは増加していない。都心のホテルの客室単価が上がり過ぎた結果、より安価な宿泊先を求めて、周辺都市に需要が流れたことや、インバウンド客の訪問先が多様化していることが背景にある。
供給:
4ツ星及び5ツ星ホテルの新規供給は無し
2020年東京オリンピック及びポストオリンピックを見越して、複数のラグジュアリーホテルの新規供給が予定されている。2018年に「ハイアットセントリック銀座」、「プルマン東京田町」、「ザ・ストリングスホテル新宿」と、3軒の4ツ星ホテルの開業が予定されているほか、2019年に再開発完了予定の「ホテルオークラ」や2020年開業予定の「フォーシーズンズ大手町」が代表的な新規供給計画に含まれる。
運営パフォーマンス:
ADR・客室稼働率の改善がRevPAR成長に貢献
東京の5ツ星ホテルの運営パフォーマンスは、1日当り販売可能客室数当り宿泊売上(RevPAR)が2017年初来8月までの累計で前年比6.0%の増加となった。客室稼働率と平均客室単価(ADR)がそれぞれ、前年比2.3%、3.6%上昇したことによる。
売買
2017年第3四半期は東京の5ツ星ホテルの売買取引は見られなかった。2016年下期ごろからRevPARの成長率が伸び悩み、買主がプレミアムを払うことに慎重になっている中、売主は今後のさらなる成長を期待しており、買主と売主の期待値にギャップが生まれている。
12ヵ月見通し:
好調なパフォーマンスが続くと見込まれる
日本政府は、2020年までに訪日外国人数40百万人を目標として掲げている。インバウンド客は安定的に増加しており、当該の目標に達することが見込まれる。ホテル運営会社は新規開業に向け積極的にPRをすることから、ラグジュアリーホテルの新規供給はマーケットの注目度上昇に寄与すると考えられる。東京の5ツ星ホテルの運営パフォーマンスは、ADRの上昇によりRevPARの継続的な成長が見込まれる。今後12ヶ月間のホテル投資マーケットは、2017年中に見られた売主と買主の価格期待値ギャップが徐々に解消され、売買件数は増加に向かうものと予想される。
JLL 取締役 執行役員 ホテルズ&ホスピタリティ事業部長 沢柳知彦は、次のように述べています。
「東京ではビジネスホテルから5ツ星ホテルまでグレードを問わず、80%を超える高い客室稼働率が維持されており、依然として宿泊需要が旺盛であることが伺えます。一方で、ここ数年で客室単価が急上昇した結果、国内ビジネス客や、低予算の外国人レジャー客に対する客室単価の更なる向上は期待しにくく、これまでのような急激な成長ペースは考えづらいと思われます。とはいえ、先進国における売上成長ペースとしては健全な範囲にあり、投資家のホテル取得意欲は依然として高い状態です」
【補足】
本レポートの日本での調査対象地区は次の通りです。
東京CBD(中心業務地区):千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
大阪CBD(中心業務地区):中央区、北区
東京リテール:銀座と表参道のプライムリテールマーケット
東京ロジスティクス:東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県の一部)の新型物流施設
東京ホテル:特段の説明がない限り東京所在の5ツ星ホテルマーケット
「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)2017年第3四半期」の詳細はJLLウェブサイトをご覧ください。http://www.joneslanglasalle.co.jp
JLLについて
JLL(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、包括的な不動産サービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。フォーチュン500に選出されているJLLは、不動産オーナー、テナント、投資家の皆さまのアンビション実現を支援します。2016年度は、総売上高68億米ドル、年間の手数料収入は約58億米ドルに上ります。プロパティマネジメント及び企業向けファシリティマネジメントにおいて、約4億900万㎡(約1億2,400万坪)の不動産ポートフォリオを管理し、1,450億米ドルの取引を完了しました。2017年第2四半期現在、世界80ヵ国、従業員約80,000名以上、300超拠点で展開しています。JLLグループで不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネジメントは、2017年9月30日時点で総額590億米ドルの資産を運用しています。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。http://www.jll.com
JLLのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在16ヵ国、96事業所で36,900名超のスタッフを擁しています。JLLは、2016年インターナショナル・プロパティ・アワードにて、グローバル、アジア・パシフィック地域における「最優秀不動産コンサルタント賞」を受賞しました。また、リアル・キャピタル・アナリスティックスより、6年連続でアジア太平洋地域のトップ投資アドバイザーに選出されています。http://www.ap.jll.com
JLL日本法人の詳細はホームページをご覧下さい。
http://www.joneslanglasalle.co.jp
東京のAグレードオフィス市場
空室率:
8四半期ぶりに3%台に上昇
空室率は3.0%、前期比0.1ポイント上昇、前年比1.6ポイント上昇となり、4四半期連続上昇、8四半期ぶりに3%台を示した。赤坂・六本木はじめCBD全体では空室の減少がみられたものの、品川にて発生した二次空室がこれを相殺した。
賃料:
22四半期連続の上昇
月額坪当たり36,605円(共益費込)、前期比0.2%上昇、前年比2.1%上昇となった。上昇は22四半期連続ながら上昇ペースは3四半期連続で減速した。赤坂・六本木、大手町・丸の内で緩やかな賃料上昇が継続した。
価格・投資利回り:
価格は22四半期連続で上昇
価格は前期比0.1%上昇、前年比3.2%の上昇となった。上昇は22四半期連続となったものの上昇ペースは2四半期連続で減速した。引き続き国内外の投資家の関心は強くなっており、取得競争が続いている。
12ヵ月見通し:
賃料と価格の上昇ペースは一層減速する見通し
賃貸市場では2017年にかけて堅調な需要が既存・新規供給ビルの空室を吸収し、空室率は3%台で推移するとみられることから、賃料は緩やかな上昇基調を継続する見通し。投資市場では、投資利回りの低下余地は限定的であり、賃料上昇は小幅となることから、価格は緩やかに上昇する見通し。
大阪のAグレードオフィス市場
空室率:
2四半期連続で2%台
空室率は2.6%となり、前期比0.1ポイント低下、前年比1.2ポイント低下となり、3四半期連続で低下し、また2四半期連続で3%を下回る水準で推移した。空室は御堂筋で増加したものの、梅田、中之島で減少した。
賃料:
13四半期連続で上昇
月額坪当たり18,253円(共益費込)、前期比1.1%上昇、前年比7.3%上昇となった。13四半期連続で上昇した一方で、上昇ペースは2四半期ぶりに減速した。上昇を牽引したサブマーケットには御堂筋と梅田が含まれる。
価格・投資利回り:
価格は16四半期連続上昇
価格は前期比1.3%上昇、前年比15.3%上昇となり、16四半期連続で上昇したものの、上昇ペースは4四半期ぶりに減速した。上昇は主に賃料上昇を反映している。東京における物件競争もあり投資家の関心は高くなっているものの、供給が限定的となっている。当四半期にAグレードオフィスの取引は確認されなかった。
12ヵ月見通し:
賃料と価格の上昇ペースは減速する見通し
賃貸市場では、2017年にかけて新規供給は引き続き限定的となり、空室率は5%台を下回って推移、賃料の上昇基調を下支えする見通し。投資市場では、賃料上昇と投資利回りの低下を反映して、価格は上昇する見通し。
JLLリサーチ事業部長 赤城威志は、次のように述べています。
「2017年第3四半期のオフィス市場における成長モメンタムは持続しています。東京では、堅調な需要が既存の供給と2018年の新規供給を吸収する中、空室率は3%台の低位で推移し、緩やかな賃料上昇を下支えしています。大阪のモメンタムはより大きくなっており、空室率は2四半期連続で3%台を下回る水準で推移し、13四半期連続の賃料上昇がみられました。今後も、東京及び大阪市場ともに緩やかな賃料上昇が持続する見通しです。投資市場では、第3四半期までの投資総額が約3兆円に達し、前年同期比6%増となりました。売主・買主の価格目線の乖離が縮小した結果、大型取引を含む市場売買が成立してきています。一方、日本から海外へのアウトバウンド投資も拡大しており、ポートフォリオの分散目的のほか、運用利回りが相対的に低い日本国内から新たな投資対象を求めて、多くの国内不動産投資家が海外市場へ向かっています」
東京のリテール(店舗)市場
賃料:
前期比横ばい
月額坪当たり79,490円(共益費込)、前期比横ばい、前年比1.5%上昇となり、賃料上昇は20四半期ぶりに踊り場を迎えた。
価格・投資利回り:
16四半期ぶりに下落
価格は前期比0.1%下落、前年比0.4%増加となった。投資家の旺盛な投資意欲は継続しており、投資総額は全体的に増加しているものの、プライムリテールエリアにおける投資機会は限定的となっている。
12ヵ月見通し:
賃料と価格は一層ピークに近付く
賃貸市場では、需給は逼迫しているものの、賃料は既に高値圏にあり、安定的に推移する見通し。価格も、投資利回りの低下余地がきわめて限定的となっていることから、比較的安定的に推移する見通し。
東京のロジスティクス(物流)市場
空室率:
4四半期ぶりに上昇
空室率は4.2%、前期比1.0ポイント上昇、前年比3.8ポイント低下となった。4四半期ぶりの上昇で、主に新規供給の空室を反映した。東京ベイエリアは前期比0.1ポイント、前年比2.6ポイント低下の1.6%、内陸エリアは前期比1.8ポイント上昇、前年比4.6ポイント低下の5.9%となった。
賃料:
上昇ペースはベイエリア・内陸エリアともに加速
月額坪当たり4,199円となり、前期比1.6%上昇、前年比1.4%上昇となった。上昇ペースは2015年第2四半期以来最高となった。東京ベイエリアは前期比2.7%上昇、内陸エリアも前期比0.7%上昇し、ともに立地条件に優る新規供給の賃料水準を反映した。
価格・投資利回り:
価格は3四半期連続で上昇
価格は前期比1.2%上昇、前年比5.7%上昇となった。3四半期連続で上昇したものの、上昇ペースは2四半期連続で減速したが、引き続き投資家の関心は強くなっている。
12ヵ月見通し:
投資利回りは一層低下する見通し
賃貸市場では今後も堅調な需要が見込まれるものの、今後2年間の供給予定を背景に、賃料は2018年以降下押し圧力が加えられる見通し。投資市場では、投資家の関心の強さは続くとみられることから、投資利回りは一層低下余地する可能性があり、価格はこれを反映して緩やかに上昇する見通し。
東京のホテル市場
需要:
インバウンド客の貢献により宿泊需要の基盤は引き続き堅固
東京都の延べ宿泊者数は、2017年初来6月の累計で2,650万人であった。都内延べ宿泊者数の35%を占める外国人宿泊者数は、対前年比14%増の920万人、日本人宿泊者数は対前年比3%増の1,730万人であった。 2017年1月-7月の訪日外国人客数は対前年比17.3%増の1,640万人を記録したが、都内の外国人宿泊者数は同ペースでは増加していない。都心のホテルの客室単価が上がり過ぎた結果、より安価な宿泊先を求めて、周辺都市に需要が流れたことや、インバウンド客の訪問先が多様化していることが背景にある。
供給:
4ツ星及び5ツ星ホテルの新規供給は無し
2020年東京オリンピック及びポストオリンピックを見越して、複数のラグジュアリーホテルの新規供給が予定されている。2018年に「ハイアットセントリック銀座」、「プルマン東京田町」、「ザ・ストリングスホテル新宿」と、3軒の4ツ星ホテルの開業が予定されているほか、2019年に再開発完了予定の「ホテルオークラ」や2020年開業予定の「フォーシーズンズ大手町」が代表的な新規供給計画に含まれる。
運営パフォーマンス:
ADR・客室稼働率の改善がRevPAR成長に貢献
東京の5ツ星ホテルの運営パフォーマンスは、1日当り販売可能客室数当り宿泊売上(RevPAR)が2017年初来8月までの累計で前年比6.0%の増加となった。客室稼働率と平均客室単価(ADR)がそれぞれ、前年比2.3%、3.6%上昇したことによる。
売買
2017年第3四半期は東京の5ツ星ホテルの売買取引は見られなかった。2016年下期ごろからRevPARの成長率が伸び悩み、買主がプレミアムを払うことに慎重になっている中、売主は今後のさらなる成長を期待しており、買主と売主の期待値にギャップが生まれている。
12ヵ月見通し:
好調なパフォーマンスが続くと見込まれる
日本政府は、2020年までに訪日外国人数40百万人を目標として掲げている。インバウンド客は安定的に増加しており、当該の目標に達することが見込まれる。ホテル運営会社は新規開業に向け積極的にPRをすることから、ラグジュアリーホテルの新規供給はマーケットの注目度上昇に寄与すると考えられる。東京の5ツ星ホテルの運営パフォーマンスは、ADRの上昇によりRevPARの継続的な成長が見込まれる。今後12ヶ月間のホテル投資マーケットは、2017年中に見られた売主と買主の価格期待値ギャップが徐々に解消され、売買件数は増加に向かうものと予想される。
JLL 取締役 執行役員 ホテルズ&ホスピタリティ事業部長 沢柳知彦は、次のように述べています。
「東京ではビジネスホテルから5ツ星ホテルまでグレードを問わず、80%を超える高い客室稼働率が維持されており、依然として宿泊需要が旺盛であることが伺えます。一方で、ここ数年で客室単価が急上昇した結果、国内ビジネス客や、低予算の外国人レジャー客に対する客室単価の更なる向上は期待しにくく、これまでのような急激な成長ペースは考えづらいと思われます。とはいえ、先進国における売上成長ペースとしては健全な範囲にあり、投資家のホテル取得意欲は依然として高い状態です」
【補足】
本レポートの日本での調査対象地区は次の通りです。
東京CBD(中心業務地区):千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
大阪CBD(中心業務地区):中央区、北区
東京リテール:銀座と表参道のプライムリテールマーケット
東京ロジスティクス:東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県の一部)の新型物流施設
東京ホテル:特段の説明がない限り東京所在の5ツ星ホテルマーケット
「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)2017年第3四半期」の詳細はJLLウェブサイトをご覧ください。http://www.joneslanglasalle.co.jp
JLLについて
JLL(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、包括的な不動産サービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。フォーチュン500に選出されているJLLは、不動産オーナー、テナント、投資家の皆さまのアンビション実現を支援します。2016年度は、総売上高68億米ドル、年間の手数料収入は約58億米ドルに上ります。プロパティマネジメント及び企業向けファシリティマネジメントにおいて、約4億900万㎡(約1億2,400万坪)の不動産ポートフォリオを管理し、1,450億米ドルの取引を完了しました。2017年第2四半期現在、世界80ヵ国、従業員約80,000名以上、300超拠点で展開しています。JLLグループで不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネジメントは、2017年9月30日時点で総額590億米ドルの資産を運用しています。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。http://www.jll.com
JLLのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在16ヵ国、96事業所で36,900名超のスタッフを擁しています。JLLは、2016年インターナショナル・プロパティ・アワードにて、グローバル、アジア・パシフィック地域における「最優秀不動産コンサルタント賞」を受賞しました。また、リアル・キャピタル・アナリスティックスより、6年連続でアジア太平洋地域のトップ投資アドバイザーに選出されています。http://www.ap.jll.com
JLL日本法人の詳細はホームページをご覧下さい。
http://www.joneslanglasalle.co.jp
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