保有技術と社会課題のマッチングで生成AIによる有望な新製品案が10件以上 日本ガイシ株式会社による生成AIを活用した用途探索の中間報告
ストックマーク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:林 達、以下:ストックマーク)と、日本ガイシ株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:小林 茂、以下:日本ガイシ)は、2024年2月より日本ガイシ製品や技術の新規用途探索の高精度化・高速化を目的とした実証実験を行っています。
約1年間の実証実験を経て、日本ガイシ製品や保有技術の学習が進み、生成AIによる有望な新製品の提案が10件以上発見されました。

実証実験の概要
本実証実験は、ストックマークが開発したビジネス領域に強い独自日本語LLM(Large Language Model)「Stockmark-LLM」をはじめとしたLLMの活用に加え、日本ガイシの製品カタログや技術情報などの保有資産(シーズ)から作成したナレッジグラフを用いることで、外部情報の関係性を正確かつ高速で結びつけることが可能となり、保有製品や技術の新たな展開先(ニーズ)を、属人的なスキルや経験に頼ることなく生成AIが提案する仕組みの構築を目指しています。
LLMへの追加学習は段階的に行い、初期段階として日本ガイシ製品の特徴・用途・強みを学習した後に、保有する特許・論文等の技術情報を学習させ、独自のナレッジグラフを構築することにより、一つ一つの製品や技術の概念と、それぞれの繋がりをAIが理解し、あらゆる社会課題に対して、日本ガイシの強みを活かした新しい用途を高速かつ高精度で提案することを可能にしております。
なお、本実証実験は、日本ガイシが2030年に新事業で売上高を1,000億円以上とする「New Value 1000」の目標達成に向けた活動の一環として取り組まれ、LLMを活用したデジタル・トランスフォーメーション(DX)による新規価値創造を加速させます。

実証実験の結果について
約1年間の実証実験期間を経て「Stockmark-LLM」への学習及び、ナレッジグラフ構築が進んだことで、日本ガイシが保有する製品・技術への理解が深まり、生成AIによる100件強の新製品の提案のうち、10件以上の有望な新製品案が見受けられる結果となりました。
1. AIによる“技術の意味理解”を実現
従来の探索手法では到達し得なかった、複雑な技術の再解釈と応用可能性の提案を実現するために、当社が開発した日本語特化型LLMに対し、日本ガイシが保有する特許、製品紹介資料、製品カタログなどの独自技術情報を用いて段階的にチューニングしました。
これにより、LLMは単なるテキスト処理の枠を超え、日本ガイシの“技術的な強み”と“社会的な意義”を結びつけ、AIが自ら仮説立案し、提案を生み出すレベルに到達しています。
2. ナレッジグラフによる構造的知識の定着
本取り組みの中核には、日本ガイシ向けに構築したナレッジグラフがあります。ナレッジグラフは、各製品・技術がもつ特性や関連性を網羅的かつ論理的に整理・接続する技術であり、AIが正しい文脈で判断・提案できる状態にしております。
この技術によって、AIの回答精度は飛躍的に向上し、単なるキーワードマッチングでは得られなかった、高度で戦略的な用途提案が可能となりました。
3.具体的成果:100件強の新製品候補から10件以上の有望なアイデアを発見
AIによって発案された新製品候補は100件強にのぼります。社内の専門家による評価を経て、従来の検討履歴になかった10件以上の製品案が新規性を有するものとして判断されました。
再生エネルギーや水処理、センシング技術の用途先として発見されており、これらは、いずれも以下の重点領域に関わるものであり、将来的な市場拡張性と社会的インパクトの両面で高い可能性を有しています。
また、100件強の新事業案の中には、既に社内で検討済みの領域も含まれており、AIは適切に技術を理解・応答できていることが確認されており、探索の効率性と再現性の高さが実証されました。

今後の展望
これまでの実証実験で得た知見を基に、過去の膨大な特許データや研究報告資料、顧客情報を含めたさまざまな保有資産とのデータマッチングを実施することで、新製品提案の精度向上および持続可能なシステムの確立を目指します。
これにより、「New Value 1000」の目標達成に向けた、新規事業の創出及び市場展開の加速、さらにデジタル・トランスフォーメーション(DX)の先進事例として、日本ガイシの成長戦略を強力に推進いたします。
実証実験の背景
独自のセラミック技術をコアに幅広い製品開発を手掛ける日本ガイシは、グループビジョンで掲げたカーボンニュートラルとデジタル社会に貢献する事業への転換を果たすべく、現在様々な変革を推進しています。
新たな価値創造の実現に向けて、外部情報や市場情報の収集と共有を組織で素早く行い、マーケット情報や消費者ニーズに関する知見をさらに広げていくことを目的に、ストックマークが提供する「Anews」を導入・活用頂いておりました。
一方、これまでの自社の要素技術を正しく把握し、市場情報とかけ合わせて新規用途を探索するには、大量のテキストデータを属人的に解析する必要があり、膨大な時間と労力を要するといった課題がありました。
この課題に対し、最新の特許や論文、社会課題、ニュースといった膨大な外部情報を元に作成した130億パラメータのストックマーク独自のLLMを活用することで、日本ガイシが注目すべき新規用途先を抽出することが可能となります。社内文書(技術文献や報告書 等)との組み合わせにより注目すべきとする根拠を明らかにし、用途探索の精度と速度を激増させることで、新規事業の創出に繋げていきます。
日本ガイシでは、社内業務の効率化を目的に日本ガイシ独自の生成AIの活用も開始しています。本取り組みでは、新規の用途探索などの、専門的な知識が求められる特定用途における、生成AIの検証を実施いたします。
「New Value 1000」について
社内外の連携を強化し新事業で売上高1,000億円を目指す
日本ガイシでは、自然環境と人間が共生する「カーボンニュートラル(CN)」、安全で便利・快適で健康に暮らせる「デジタル社会(Digital Society:DS)」関連を注力分野と位置付け、 独自のセラミック技術を生かし、2050年の未来社会を見据えた事業構成の転換を図っています。
CN・DS関連製品が2050年には売上の80%を占めるように事業展開するために、通過点となる2030年の目標として、新事業の売上高1,000億円を実現する「New Value 1000」を掲げました。将来有望な開発テーマに重点的に経営資源を投じ、新製品・新事業を創出していきます。
日本ガイシ株式会社について
1919年5月に創立。特別高圧がいしの国産化で培った独自のセラミック技術で、がいしなど電力関連機器、大容量電力貯蔵用NASⓇ電池、自動車排ガス浄化用部品、半導体製造装置用部品などの多様なファインセラミック製品を開発、新しい価値を提供してきました。これからも、地球環境保全や人々が暮らしやすい社会を支える企業を目指します。
会社名 :日本ガイシ株式会社
所在地 :愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号
設立 :1919年5月5日
代表者 :代表取締役社長 小林 茂
事業内容:がいしなど電力関連機器、自動車排ガス浄化用をはじめとする各種産業用セラミック製品、
特殊金属製品の製造販売
URL :https://www.ngk.co.jp/
ストックマーク株式会社について
ストックマーク株式会社は「価値創造の仕組みを再発明し、人類を前進させる」をミッションに掲げ、最先端の生成AI技術を活用し、多くの企業の企業変革を支援しています。
社内外の情報をワンストップで検索できる「Anews」及び、あらゆるデータを構造化し企業の資産に変える「SAT(Stockmark A Technology)」を運営しています。さらに、企業特化生成AIの開発や、独自システムの構築も支援しています。
会社名 :ストックマーク株式会社
所在地 :東京都港区南青山一丁目12番3号 LIFORK MINAMI AOYAMA S209
設立 :2016年11月15日
代表者 :代表取締役CEO 林 達
事業内容:自然言語処理を活用した、
事業機会の探索と意思決定の支援を行うサービスの開発・運営
URL :https://stockmark.co.jp/
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