フランス国立図書館リシュリュー館にDNPの鑑賞システムを設置・公開
歴史的遺産を3Dデジタル化して新たな文化体験を提供
大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 以下:DNP)は、フランス国立図書館(以下:BnF)のリシュリュー館に開設されたミュージアムに、独自開発した鑑賞システム「DNPコンテンツインタラクティブシステム みどころビューア」を設置・公開しました。
BnFは「リシュリュー・ルネサンス・プロジェクト」として、1721年の創設以来初のリシュリュー館全館改修を約12年にわたり行い、ヨーロッパ文化遺産の日にあたる2022年9月17日にリニューアルオープンし、“開かれた図書館”として同館内にミュージアムを開設しました。DNPはアジアで唯一このプロジェクトに参画している技術メセナパートナー企業として、フランスが誇る歴史的遺産の3Dデジタル化と、“新たな文化体験”のための鑑賞システムを開発しました。
【「リシュリュー・ルネサンス・プロジェクト」におけるDNPの取り組み】
DNPは本プロジェクトに賛同し、2019年7月からアジア唯一の技術メセナパートナーとして、BnFの歴史的遺産の3Dデジタル化とその普及にBnFと共同で取り組んでいます。その一環として、これまで撮影が極めて困難とされてきた、さまざまな質感・形状を持つ立体作品や歴史的空間を3Dデジタルデータ化して、その細部までさまざまな角度・切り口で鑑賞できるDNPコンテンツインタラクティブシステム「みどころビューア」を開発しました。
このシステムは2022年9月17日から、リシュリュー館に開設されたミュージアムにて、一般に公開しました。同ミュージアムでは多くの来館者を見込んでおり、来館者が「みどころビューア」を利用することで、同館の歴史的背景や芸術的意義の理解を深めることが期待できます。
DNPは今回のプロジェクトを通じて獲得した技術やノウハウをもとに、美術館・博物館/図書館/文書館(MLA:Museum/Library/Archives)等の文化施設や企業のミュージアム・ショールームなどの利用者、学校教育の生徒・学生・教師などに向けて、ITを活用した“新たな文化体験”を提供し、多様な文化財の保存・継承に貢献していきます。
【リシュリュー館に設置されるDNPの鑑賞システムについて】
〇「マザラン・ギャラリー(Galerie Mazarine)」の空間を間近に鑑賞できる「みどころビューア」:
「マザラン・ギャラリー」はフランスに現存する17世紀バロック様式のギャラリーとして、極めてまれな作例です。その天井画は、ジョヴァンニ・フランチェスコ・ロマネッリ(1610-1662年)とその工房が、詩人オウィディウスの「変身物語」に由来するギリシア・ローマ神話の物語を描いたものです。当ギャラリー内に設置する55インチタッチパネルディスプレイを使用した「みどころビューア」では、ディスプレイにタッチすることで、普段は近づいて見ることができない9mの高さにある約8m×45mの巨大な天井画をさまざまな角度や大きさで鑑賞できます。また、天井画に描かれたギリシア・ローマ神話の場面の説明や、修復箇所などの“みどころ”も閲覧できます。
〇「ルイ15世の間の作品・調度品の「みどころビューア」:
「ルイ15世の間」は18世紀に王室コレクションのために作られた蒐集室を起源とし、研究用テーブルなどの調度品のほか、フランソワ・ブーシェ等が描いたギリシャ神話に登場する女神たちの絵画などがあります。リシュリュー館のリニューアルオープンにあたって、絵画や調度品、部屋の装飾は全面的に修復されました。この「ルイ15世の間」に設置する「みどころビューア」は24インチタッチパネルディスプレイを使用する3Dビューアです。ディスプレイにタッチすることで、部屋全体の構造と絵画・調度品の詳細画像や、修復箇所などの“みどころ“を閲覧できます。
【BnFおよび「リシュリュー・ルネサンス・プロジェクト」について】
14世紀に王立図書館として創設されたBnFは、歴代のフランス国王から受け継いだ4,000万点以上の文書コレクションを収集・所蔵・公開する世界屈指の図書館です。所蔵品には、写本、印刷物、版画、新聞・雑誌等の定期刊行物、写真、地図、貨幣、視聴覚資料、ビデオゲーム、インターネットサイトなど、あらゆる種類のドキュメントが含まれます。BnFの電子図書館「ガリカ(Gallica)」では、遠隔地からもアクセス可能な900万点以上のデジタルコンテンツを公開しています。「リシュリュー・ルネサンス・プロジェクト」では、文化の普及と文化遺産の継承の両立に挑戦する取り組みとして、リシュリュー館の大規模なリニューアルを行いました。これまでは研究者を中心に入場が限定されていましたが、この歴史的な建築物にミュージアムが開設され、広く一般に公開されることとなりました。
【DNPとBnFの共同プロジェクトの経緯】
2015年から、DNPはBnFとともに、BnFの地図部門が収蔵する歴史的な地球儀・天球儀のコレクションのうち、特に貴重な55点を3Dデジタルデータ化し、その普及に取り組んできました。
2019年7月には、BnFが所蔵する貴重なコレクションと歴史的空間の3Dデジタル化と、その活用・普及を共同で推進するための契約を締結しました。
同館の「貨幣・メダル・古代美術部」(MMA)のコレクションの中から、光を反射する素材の作品、複雑な形状の特徴を持つ立体作品など、これまで技術的に撮影が困難とされてきた貴重な21作品のデジタル化を行いました。これらのデータは、リシュリュー館に開設されたミュージアム内のデジタルコンテンツや、館内に設置されるハンズオン(手に取って触れることができる)レプリカなどで活用されています。
DNPは今回の公開に先立ち、2021年に同データを活用した展覧会「BnF×DNP ミュージアムラボ 第2回展 『これからの文化体験』」(DNP五反田ビル)を開催しました。またBnFの電子図書館「ガリカ(Gallica)」で公開するなど、3Dデジタルデータの活用・普及に取り組んできました。
〔関連ニュースリリース〕
○大日本印刷 フランス国立図書館 リシュリュー館の歴史的遺産の継承で連携(2019年8月30日)
https://www.dnp.co.jp/news/detail/1192845_1587.html
○大日本印刷とフランス国立図書館 4/15〜7/11にBnF × DNP ミュージアムラボ 第2回展
「これからの文化体験」を開催(2021年4月14日)
https://www.dnp.co.jp/news/detail/10160770_1587.html
〔関連サイト〕
○「みどころビューア」をはじめとする鑑賞システム(DNPコンテンツインタラクティブシステム「みどころシリーズ」)についてはこちらをご覧ください。
https://www.dnp.co.jp/biz/theme/cultural_property/feature03/10161344_3688.html?utm_medium=referer&utm_source=other_web_site&utm_campaign=20220919+-+mkt+-+arch_midokoro_pr0919
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