株式会社エイシスによる違法アップロードへの対策活動、10年にわたる取り組みのご報告
株式会社エイシス(所在地:東京都千代田区、代表取締役:藤井純)は、二次元コンテンツに関わる事業を行う企業として、インターネットにおけるコンテンツの違法アップロードへの対策に取り組んでおります。
2014年7月から本格的に開始したDMCA申請、削除申請を軸とする一連の取り組みは、2024年に丸10年をむかえました。
一つの節目にあわせ、これまでの活動についてあらためてご報告いたします。
●なぜ違法アップロードの対策に取り組むのか
インターネット技術の進歩と、パソコン、スマートフォンやタブレット端末の普及によって、音楽やゲーム、マンガといったエンターテインメントコンテンツを誰でも手軽に楽しむことができるようになりました。
サブスクリプションサービスや販売サービスによって、ユーザーとしてのコンテンツ体験が充実するだけでなく、どなたでもクリエイターとして自分の作品を世界に向けて発信し、収益や評価を得られる時代が到来しています。
その一方で、本来の権利者の許可を得ることなくコンテンツを流布する、違法アップロードや海賊版によるトラブルは後を絶ちません。
違法にアップロードされたコンテンツが広まると、作品の作り手であるクリエイターや制作会社は本来得られたはずの収益や適切な評価が得られず様々な被害を受けます。
被害が続けば創作活動の継続が困難となっていきます。
クリエイターを保護し、コンテンツ産業や文化の発展を図るためには、違法アップロードの発生を食い止めるとともに、違法アップロードされたコンテンツの利用を防ぎ被害を最小化する必要があります。
●10年の活動報告
株式会社エイシスは、コンテンツビジネスに取り組む企業の立場から、コンテンツが適切に流通しクリエイターに利益が還元される社会の実現を目指して、違法アップロード問題に取り組んでいます。
2014年7月より、自社のサービスに関わるコンテンツの違法アップロードについてクリエイター及びユーザーの皆さまからのご申請をもとにした無料の削除要請代行サービスを行うとともに、独自の「違法アップロード監視システム」の運用を通して24時間のインターネット上の巡回と削除要請を行ってまいりました。
GoogleへのDMCA申請(累計) 4,281,669件
違法アップロードサイトへの削除要請(累計) 3,281,049件
クリエイターの皆さまからの情報提供(累計) 225,852件
ユーザーの皆さまからの情報提供(累計) 7,576件
※いずれも2024年6月末までの累計
――この場を借りて、日頃から対策活動へのご賛同とご協力くださる皆さまに心から御礼を申し上げます。
GoogleへのDMCA申請や、サイトへの削除要請を行う際には、申請や要請を行うもの自身の情報開示が伴いますが、作品権利者の代理として弊社が対応を行うため、クリエイターの方の個人情報がGoogleや違法アップロードサイトに伝わることはございません。
特に個人のクリエイターの方が違法アップロードのトラブルに巻き込まれた場合、手続きに戸惑われたり、対応の煩雑さから、そのまま泣き寝入りをされるケースが多くございます。
弊社が対応を代行することで、お一人おひとりにかかるご負担を軽減しながら継続的な対策・対応を引き続き実施してまいります。
●未然に防ぐ。動機に注目した活動――『みんなで翻訳』
「違法アップロードを行う動機」に着目し、違法アップロードを未然に防ぐ取り組みも行っています。
マンガ翻訳システムを手掛けるMantra社によるアンケート調査によると、日本産コンテンツの海賊版が海外で流布・利用される動機として「早く作品を楽しみたい」、「無料で楽しみたい」という回答以上に、「楽しみたい作品が公式で翻訳されていない」が多くを占めています。
このことから、正規の流通ルートで迅速に公式の翻訳作品を流通することが海賊版流布の抑止に繋がると考えられます。
株式会社エイシスはこれらの背景も踏まえ、作品の多言語翻訳・販売サービス『みんなで翻訳』を立ち上げました。
作者が翻訳を許諾した日本語のマンガや音声作品を、サービスに登録した翻訳者が他言語に訳し、翻訳
作品として世界に向けてダウンロード販売を行うサービスです。
グローバルな作品販売をとおしてクリエイターの海外進出を応援するのと同時に、海賊版対策を実現します。
翻訳者は翻訳を介して好きな作品を手掛けた原作者への応援をすることも出来、世界中のユーザーがより多彩な作品を楽しむことが出来るようになります。
「みんなで翻訳」詳細
https://www.dlsite.com/modpub/lp/overseas/translator/
株式会社エイシスは、ユーザーとクリエイターが楽しみながら幸せに暮らしていける社会の実現を目指し、今後もコンテンツの違法アップロード、海賊版という社会課題に継続して取り組んでまいります。
●株式会社エイシス 代表取締役 藤井純よりコメント
『DLsite』では作品の違法アップロードを阻止するべく、2002年にいち早く作品のプロテクトシステム(DRM……Digital Rights Management。デジタルコンテンツにおいてコンテンツホルダーが持つ著作権などの権利が不当に侵害されることを防ぐために、コンテンツの利用・複製をコントロールする仕組み)を導入し、 長年にわたって保護に努めてまいりました。
しかしながら、ご購入いただいた作品の閲覧における利便性と作品の保護は両立が難しく、すべての作品を保護できる状況には至りませんでした。
2014年からは違法アップロード監視システムの構築や削除要請代行サービスを通じて、多くの取り下げ対応を行ってまいりました。
10年に渡る活動の成果はこの度の報告に記載の通りです。
今日まで活動を継続し対応を行ってまいりましたが、まだまだ私共が理想とする環境には遠い状況です。
『みんなで翻訳』をはじめとした新しい取り組みも行い、この状況を根本から変えられるよう、引き続き邁進してまいります。
●企業情報
株式会社エイシス
1994年創立。
コンテンツのダウンロード販売サービス『DLsite』、クリエイター支援サービス『Ci-en』など、クリエイターとユーザーをつなぐオンラインサービスを手掛けるエンターテインメント企業。
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