ウォンテッドリー、推薦開発チームの主著論文が推薦システム分野の国際会議「RecSys 2025」にて採択
マッチング推薦に対するオフ方策評価・学習手法を提案

ウォンテッドリー株式会社(本社:東京都港区、CEO:仲暁子、以下「ウォンテッドリー」)は、当社の推薦システム開発チームのメンバーが主著を務めた論文が、推薦システム分野のトップカンファレンス「RecSys 2025」にて、Full Paper採択されたことをお知らせします。
「RecSys 2025」のメインカンファレンスで発表
本論文は、当社の推薦システム開発チームに所属する林悠大が主著を務め、合田周平氏、半熟仮想株式会社の齋藤優太氏と共同で執筆したものです。「マッチング市場におけるオフ方策評価と学習(原題:Off-Policy Evaluation and Learning for Matching Markets)」についての研究結果をまとめています。
今回採択された論文は、2025年9月にチェコ・プラハで開催される「RecSys 2025」のメインカンファレンスにおいて口頭発表を行います。
背景
私たちが日常的に使っている求人アプリやマッチングアプリのようなマッチング型サービスでは、求職者と企業など「双方のユーザー同士の嗜好が一致すること」がマッチング成功の鍵になります。こうしたサービスでは、ユーザーの行動履歴などのデータを使って、どのユーザー同士の組み合わせがマッチングにつながるのかを予測する推薦アルゴリズムが活用されています。
新たに開発したアルゴリズムが本当に効果的かどうかを確かめるには、本来はA/Bテストと呼ばれる実サービス上での比較実験を行う必要があります。しかし、A/Bテストは時間やコストがかかることから、頻繁に実行することはできません。そこで注目されているのがオフ方策評価(Off-Policy Evaluation, OPE)です。これはすでに記録されている過去のデータのみを用いて、A/Bテストを行う前に、新しいアルゴリズムの性能を予測するための手法です。
しかしマッチングサービスは他の推薦システムとは異なり、ユーザー同士の双方向の嗜好が存在して初めてマッチングが成立するため、蓄積される成功データの数が限られます。そのため、オフ方策評価における従来手法では正確な性能予測が難しいという課題がありました。
論文の概要
本研究では、こうしたマッチングサービスの推薦システムにおける評価の難しさを解決するために、DiPSとDPRという新しい推定量を提案しました。これらは、これまで推薦システムの評価に用いられてきた典型的な推定量(直接法・逆傾向スコア法・二重頑健法)をベースにしつつも、マッチング市場特有の、片方からのみの嗜好が存在する状態を有効活用することで、成功データが限られる困難を回避できる手法です。
さらに、この手法はアルゴリズムの性能評価にとどまらず、より多くのマッチングにつながるよう推薦アルゴリズムを改良するオフ方策学習にも応用可能な汎用性を持ちます。
論文では理論的な解析に加えて、我々が過去に行ったA/Bテストのデータやシミュレーションデータを使った実験の結果も示し、提案手法が従来手法よりも正確な性能予測を可能にすることを報告しています。現場のデータにおいて有効性が示され、実装も容易であることから、実用性の高い研究成果となっています。
論文リンク:https://arxiv.org/abs/2507.13608
RecSysについて
「RecSys(ACM Conference on Recommender Systems)」は、米国計算機学会(ACM)が主催する、推薦システムに関する国際会議です。「KDD(※1)」「SIGIR(※2)」 などと並び、機械学習やデータサイエンスの分野において、権威のあるトップカンファレンスの一つとされています。
RecSysは毎年開催され、世界中の研究者やデータサイエンティスト、エンジニアが集い、推薦システムの分野における新しい研究成果の発表を行います。
※1)機械学習やデータマイニングをテーマとした論文の発表を行う国際会議。正式名称は「ACM SIGKDD Conference on Knowledge Discovery and Data Mining」
※2) 米国の計算機学会の情報検索研究部会。正式名称は「Association for Computing Machinery's Special Interest Group on Information Retrieval」

ウォンテッドリー株式会社
『究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす』。ウォンテッドリーは、あらゆる人がシゴトに没頭し成果を上げ、その結果成長を実感できるような、究極の適材適所を実現するビジネスSNS「Wantedly」を提供しています。2012年2月のサービス公式リリースから現在まで、登録会社数42,000社、個人ユーザー数420万人を突破しました。
2021年9月には、従業員の定着と活躍を支援するサービス群「Engagement Suite」の提供を開始。2024年11月には、採用管理システム「Wantedly Hire」をリリースしました。
ウォンテッドリーは、究極の適材適所の実現を目指すとともに、入社後の従業員の定着、活躍を支援するエンゲージメント事業を推進することで「はたらくすべての人のインフラ」となることを目指していきます。
<会社概要>
会社名 : ウォンテッドリー株式会社
URL : https://www.wantedly.com
本社所在地 : 東京都港区白金台5-12-7 MG白金台ビル4F
代表取締役 : 仲 暁子
設立 : 2010年9月
事業概要 :
400万人以上が利用するビジネスSNS「Wantedly」
- 気軽に会社訪問ができる Wantedly Visit
- 出会いを記録し活躍を共有する Wantedly People
- 自己理解を深め、強みを伸ばす Wantedly Assessment
ビジネス向け
- 採用マーケティング
- Engagement Suite(エンゲージメント スイート)
- 福利厚生サービス「Perk」
- オンライン社内報サービス「Story」
- チームマネジメントサービス「Pulse」
- 採用管理システム「Wantedly Hire」
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