ウフル、ベトナムの楽器製造工場にAI製造オペレーション支援システムを導入
AR・VLM・マルチモーダルRAGを活用しフィジカルAI時代に向けた現場基盤を構築
株式会社ウフル(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO:園田 崇史 以下、ウフル)は、人とロボットが協働する「フィジカルAI」時代を見据え、AR(拡張現実)、VLM(Vision Language Model)、マルチモーダルRAGを活用し、現場作業者の状況をAIが理解し、必要な情報をリアルタイムに提示する「AI製造オペレーション支援システム」をベトナムの楽器製造工場に導入したことをお知らせします。

製造業の現場では、熟練作業者の高齢化や人材不足に伴う技能継承が大きな課題となっています。特に木材加工を伴う製造現場では、素材ごとの個体差が大きく、加工や品質判断に熟練技術者の経験や感覚が求められるため、人の判断やノウハウをどのようにデジタル化し継承していくかが重要なテーマとなっています。
こうした課題への対応策として、AIやロボットが現実世界を認識し、自律的に判断・行動する「フィジカルAI」への期待が高まっています。 一方で、多くの製造現場は既存設備や既存システムを活用しながら運用される環境(ブラウンフィールド)であり、大規模な設備更新を前提としたAI導入は容易ではありません。
2014年からIoTや工場のDX化を支援してきたウフルは、これまでの知見をもとに、既存設備を活かしながら新たな技術を導入する「レトロフィット」と、現場の運用への影響を最小限に抑えながら段階的に導入する「最小侵襲」をコンセプトに、本システムを開発しました。現場作業者の判断や作業を支援しながら、将来的なフィジカルAI活用に必要となる現場データの蓄積と運用モデルの構築を目的としています。
AI製造オペレーション支援システム概要
本システムは、VRゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)を装着した作業者の視界に必要な情報を重ねて表示するAR(拡張現実)、画像や映像から現場の状況を理解するVLM(Vision Language Model)、手順書や品質基準など複数の形式のデータを横断的に検索・活用する「マルチモーダルRAG」を組み合わせた製造オペレーション支援システムです。

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AR+VLM:
今回の実証で利用したVRゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)や、将来的に活用を想定するスマートグラス、タブレットなどのカメラ映像をVLMが解析し、作業対象の状態や次の手順を、作業者の視界・画面上に重ねて提示します。 -
マルチモーダルRAG:
作業手順書、図面、品質基準、過去の判断事例といった現場固有のナレッジを、画像・テキストなど複数のかたちで横断的に検索し、その場の状況に応じて必要な情報を引き出します。 -
「enebular」 によるオーケストレーション:
エッジ(現場)とサーバーをつなぎ、データ連携・AI処理・現場へのフィードバックを統合します。MES・BOM・BOP等の既存データは、API連携に加え、CSVファイル出力など現場の実態に合わせた方式で取り込めるため、ベンダーや既存システムに依存しません。 -
フィジカルAIへの発展:
現在は人の判断や作業を支援する仕組みですが、将来的にはAIが現場状況を理解し、その判断結果をロボットへ連携することで、自律的な作業や人とロボットの協働を実現するフィジカルAIへの発展を目指しています。
作業者視点の映像をVLMが解析し、作業対象の状態や作業状況を認識します。そのうえで、マルチモーダルRAGが作業手順書や品質基準、部品情報、過去の対応履歴などの現場ナレッジを参照し、必要な情報をARで作業者の視界や画面上に表示します。
また、ウフルのAIオーケストレーション基盤「enebular(エネブラー)」が、現場データの取得からAI処理、システム連携までを統合的に制御することで、熟練技術者による指導や判断をデジタル化し、新人教育の効率化や作業品質の安定化を支援します。
今後の展開
今回導入した仕組みは、楽器製造に限らず、家具・建材などの木材加工、品質検査、設備保守、組立工程など、熟練技能への依存度が高いさまざまな製造現場への応用が期待されています。
ウフルは今後も、製造業をはじめとするさまざまな現場において、人とロボットが協働する次世代オペレーション基盤の実装を推進し、技能継承や生産性向上といった課題解決に貢献してまいります。
■株式会社ウフルについて https://uhuru.co.jp/
ウフルは「テクノロジーと自由な発想で、持続可能な社会を創る」を理念として、企業や社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)とデータ活用を支援・推進しています。クラウドサービスの導入と運用をはじめ、コンサルティングやシステム開発等を自社製品やソリューションとともに、エッジからクラウドまでワンストップで提供しています。また、企業活動の枠を超えて、地域や産業のDXを実現するために、スマートシティやスマートサプライチェーンに必要とされる、信頼できるデータ流通のための仕組みの導入と標準化に向けた提言を行いながら、IoT×ブロックチェーン領域における研究開発にも取り組んでいます。
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