第2回スペースシェアに関する全国実態調査を実施
空き家収益化の選択肢として、スペースシェア(民泊・レンタルスペース)は賃貸を超える意向があることがわかった
◆調査実施の背景と目的
持続可能な社会の実現に向けて、私たちは今、これまで推し進めてきた「過剰生産・過剰消費」を見直すことが求められています。実際に、人々の消費スタイルは徐々に単独所有から共同利用へと変化しており、それは個々の生活単位にとどまらず、シェアリングエコノミーとして新しい市場が立ち上がりつつあります。不動産業界も例外ではなく、既存スペースを「占有」ではなく「共有」するスペースシェア市場が広がっています。
総務省の住宅・土地統計調査(平成30年)によれば空き家の総数はこの20年で1.5倍(1998年:576万戸→2018年:849戸)に増加していると言われています。これらの空き家をはじめとする眠ってしまっている遊休スペースをシェアすることで生まれる新たな市場に対して、社会課題解決の視点においても期待が高まっています。
総研は、このスペースシェア市場を業界全体で一丸となって活性化させ、スペースシェアが、空き家課題をはじめとする社会課題を解決する新たな選択肢になることを目的としています。そして、スペースシェアがもつ様々な可能性を提示し、持続可能な社会の実現につなげていきたいと考えています。
今年も昨年に引き続き「第2回スペースシェアに関する全国実態調査」を実施しました。持続可能な社会の実現に向けて不動産活用の新たな選択肢を提示するために、スペースシェアの現時点の状況・課題や未来への期待を捉えるための調査として、今後も継続して実施予定です。
◆『第2回 スペースシェアに関する全国実態調査(2023年)』
空き家の活用の選択肢としてスペースシェア(民泊・レンタルスペースの合計)は賃貸を超える意向があることがわかった。
【調査実施概要】
調査概要 :当総研が昨年実施した「第1回スペースシェアに関する全国実態調査」の中で「スペースシェアはどんな社会課題解決に繋がると思うか?」という質問に対して最も回答が多かった「空き家課題解決」への期待が最も大きいことがわかりました。また、今年の通常国会にて「空家等対策の推進に関する特別措置法」の一部改正が可決され、来年4月からスタートする「相続登記義務化」と合わせて空き家対策について一歩踏み込んだ取り組みが始まろうとしています。このような状況を捉え、今年の「第2回スペースシェアに関する全国実態調査」については「空き家所有状況及び空き家活用」についてフォーカスして調査を実施しました。
調査対象 :全国の20-60代
調査期間 :2023年7月21日〜7月24日
調査方法 :インターネット調査
有効回答数:10,000人
【主な調査結果】
空き家所有者の割合は高年層が相対的に多いものの、若年層と比較し積極的に活用されていない実態が浮かび上がった。
また、今後の収益化に対する意向においては、若年層の意欲が高い一方、空き家所有率が高い高年層ほど収益化意欲は低い状況となっている。
さらに、収益化の手段については「レンタルスペース」「民泊」などの”スペースシェア”が若年層にとって主要な選択肢となりつつある一方、高年層については「売却」「賃貸」など”住まい”としての選択肢が大半を占めている。
今後、空き家活用をさらに推進していくためには、スペースシェアなどの新たな活用手段を幅広い世代へ啓蒙し普及させていくことが重要なのではないか。
<1. 空き家所有率>
本調査による空き家所有率は「6.2%」
年代別の空き家所有率は「60代が最多」
<2.空き家の利用方法>
現在の空き家の利用方法は、約50%が自身または親族で活用している一方、約35%は「利用していない」という結果に
年代別の利用方法では、50〜60代の40%以上が「利用していない」と回答
<3.空き家の収益化検討状況>
空き家所有者のうち「約7割」が収益化を検討中
収益化検討割合の年代別の傾向は「若年層の収益化意欲が高い」
検討中の収益化方法は「レンタルスペース」「民泊」を合わせた“スペースシェア”の割合が賃貸を超え、売却に次ぐ主要な選択肢に
検討中の収益化方法の年代別内訳では、若年層ほど「レンタルスペース」「民泊」を積極的に検討している。
<スペースシェア総研 所長 積田よりコメント>
「第1回スペースシェアに関する全国実態調査」の調査結果から、社会課題の解決として、「空き家課題解決」に寄与できると考えている方が多いことがわかりました。
日本は、「2025年問題」と言われているように、持ち家世帯が多い団塊世代が後期高齢者となり、大量相続時代を迎え、空き家課題が深刻化していきます。せっかく使いたいというニーズがあるにもかかわらず、とりあえず空き家のままで置いておくという状況が増えれば、空き家という存在が、「点」ではなく、「面」としての問題に発展しかねません。その結果、街の価値を下げ、ますます地域の衰退化を招き、次世代が引き継ぎたいと思える住まいや街にならなくなってしまいます。こうした事態にならないためにも、スペースシェア市場という存在を、まずは空き家の所有者等にも知って頂くことが重要だと考えています。
今後、社会課題の解決に向けて、スペースシェア市場における様々な活用事例等をもとに、どのような取り組みや政策が求められているのかを提言していきたいと思います。
スペースマーケットとは
「チャレンジを生み出し、世の中を面白くする」というビジョンのもと、スペースシェアの文化創造、拡大に取り組む企業です。2019年に東証マザーズ(現グロース市場)に上場。スペースを貸し借りするプラットフォーム「スペースマーケット」には、全国25,000件以上のスペースが掲載されています。また、あらゆる施設の予約管理をデジタル化し煩雑な施設管理業務を簡易化する、クラウド型公共施設予約管理システム「Spacepad」も提供しています。URL:https://www.spacemarket.com/
会社名:株式会社スペースマーケット
所在地:東京都渋谷区神宮前6-25-14 JRE神宮前メディアスクエアビル2F
代表者:代表取締役社長 重松 大輔
証券コード:4487
設立日:2014年1月
事業内容:スペースシェアリングプラットフォーム「スペースマーケット」の運営・クラウド型公共施設予約管理システム「Spacepad」の提供
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