皮膚老化に対するセラミドの新たな機能の発見
バリア機能だけではない、セラミドの新たな可能性を見出しました
※1.ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシンとセラミド6IIの混合物
※2.ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシンとセラミド6IIの混合物をナノエマルション化した原料
研究の背景
当社はスキンケア研究における一つとして、皮膚にとって必要なうるおいは残したまま、不要な汚れはしっかりと落とす『選択洗浄技術』を開発し、肌のバリア機能に重要なセラミドを残す技術にこだわった研究を実施してきました。近年では、ロート独自のセラミド混合物に、うるおいを残すだけではなく、細胞自身がセラミドを生み出すことで、皮膚のうるおいに重要な細胞間脂質のバランスを整え、バリア機能を高める作用があることを発見し、セラミドの新たな可能性を探索してきました。今回は、セラミドのバリア機能にとどまらない新たな機能の発見に向けた研究を行いました。
研究成果サマリー
1.セラミドコンプレックス※2には炎症を抑制する作用があることが示された
2.セラミドコンプレックス※2含有製剤※3は老化症状を改善することが示された
※3.モニター試験用製剤
結果
1. セラミドコンプレックス※2には炎症を抑制する作用があることが示された
炎症状態にある細胞は、図1のように炎症の司令塔であるNFκBが細胞の核内に移行することで活性化し、炎症性サイトカイン等のSASP※4因子を分泌することが知られています。このSASP※4因子が周囲の細胞に炎症を伝播することで老化を加速させると考えられています。セラミドコンプレックス※2は、図2のように炎症を誘導した表皮細胞におけるSASP※4因子の産生を抑制し、抗炎症作用を示すことを見出しました。
※4.Senescence-Associated Secretory Phenotype
正常ヒトケラチノサイトにSASP因子の1つであるIL-1βを添加し、NFκBのサブユニットであるp65を免疫染色することで、NFκBの核内移行を評価した。 |
正常ヒトケラチノサイトにSASP因子の1つであるIL-1βを添加し培養後、培養上清に含まれる炎症性サイトカインをELISA法にて定量した。 (n=3, Student t-test p<0.05#、P<0.001###) |
2. セラミドコンプレックス※2含有製剤※3は老化症状を改善することが示された
セラミドコンプレックス※2含有製剤※3を4週間連用することで、肌の赤みが減少するだけでなく、肌弾力の向上や毛穴、シミが改善することが示され、老化症状を抑制できる可能性を示しました。
セラミドコンプレックス※2含有製剤※3を4週間連用し、肌の諸症状を測定した。(n=19, Student t-test p,0.05*、p<0.001***) |
今後の展望
今回は、バリア機能にとどまらないセラミドの作用を追求することで、抗炎症作用という新たな作用を見出しました。今回の結果から、セラミドコンプレックス※2は表皮における炎症を抑制する作用があり、老化に伴う肌の諸症状に対して有用だと考えられます。当社は今後も、バリア機能にとどまらないセラミドの機能性研究を進めることで、肌悩みの根本から対処することが出来る、より満足度の高い製品開発を目指していきます。
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