日本オラクルと実施した基幹業務向けマルチクラウド構成の共同検証結果をもとに、クラウド移行支援を強化

Oracle Cloud InfrastructureとMicrosoft Azureの環境における処理性能や可用性を検証

株式会社 日立製作所

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、日本オラクル株式会社(以下、日本オラクル)と共同で実施した基幹業務向けマルチクラウド構成の検証結果をもとに、クラウド環境への移行支援を強化します。具体的には、Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)とMicrosoft Azure(以下、Azure)のマルチクラウド構成で、基幹業務を想定した処理性能や可用性の観点で検証を実施し、大量トランザクション処理において充分な処理性能を得られることと、バッチ処理のデータ量に応じた適切なチューニング方法などが確認できました。日立はこの知見を、業務基盤のモダナイズとデジタル活用による業務革新で課題解決に導く「クラウド&DXオファリング」に反映し、お客さまの既存システムを最適なマルチクラウド環境へ移行するための支援を強化します。なお、検証結果については、本年12月末までに「Qiita」*1で公開予定です。
*1 エンジニアに関する知識を記録・共有するためのサービス https://qiita.com/

検証に至る背景
 近年、基幹システムにおいても、ビジネス環境の変化へ対応するアジリティの向上やコストの最適化に向けたクラウドの活用が進み、異なるクラウドベンダの多種多様なサービスを適材適所に組み合わせるマルチクラウドの採用を検討する企業も増えています。マルチクラウドは、適切なサービスの選択が容易、事業継続性の確保、コストの最適化などのメリットは多い反面、物理的に距離のある異なるクラウドのサービスを1つのシステムとして活用するためには、性能や信頼性の確保が課題となっています。
 このような背景の中、日立はお客さまの基幹システムのクラウド移行の支援として、各種データベースを安定稼働させるための評価を行っています。また、オラクル社とマイクロソフト社は、OCIとAzureとの間でセキュアかつ低遅延でプライベートな相互接続のネットワーク、およびこれらをシームレスに利用するためのサービス*2を2020年より日本国内向けに、順次拡張しています。
 今回日立は、既存の基幹システムでOracle DatabaseとWindows系の業務システムを利用しているお客さまの移行先として、OCIとAzureのマルチクラウド構成を安心してご利用いただくために、オラクル社と共同で以下の検証を行いました。
*2 プライベートな相互接続を担うOracle Interconnect for Azure、およびシームレスな利用が可能なOracle Database Service for Azureを提供

検証の概要
 本検証において両社は、データベースに高い性能と可用性が求められる基幹系のOracle データベースシステムを、OCIとAzureのマルチクラウド環境へ移行することを想定し、基幹システムを模したマルチクラウドの実環境を構築して評価を行いました。
・想定業務:受発注処理を行う在庫管理(ベンチマークツール)
・検証したワークロード:大量のトランザクション処理、大規模夜間バッチ
(例)オンライン受発注取引システムと同様のトランザクションを1秒間に1,000回以上ランダムに発生させた
・比較対象:OCI単体の環境と、OCIとAzureのマルチクラウド環境において、性能と可用性について比較

今回の検証環境のイメージ今回の検証環境のイメージ


本検証で得られた主な結果
(1) 大量トランザクション処理について、基幹業務に耐えうる性能を発揮
 マルチクラウド環境においてOCI単体の環境と遜色ない性能を確認。

(2) 大規模夜間バッチ処理について、バッチ処理のデータ量に応じた適切なチューニング方法を確認
 クラウド間にまたがる大規模夜間バッチ処理では、ネットワークの遅延時間がシリアルに積みあがり、データ量が増加するほど処理性能への影響が出やすい。そこで、バッチ処理のデータ量に応じた適切なチューニング方法を確認。

(3) 必要な可用性のレベルに応じたマルチクラウド環境の組み合わせ条件などを明確化
 求められる可用性や可視性のレベルに応じて、マルチクラウド構成の組み合わせを選択する必要があり、
その選択の目安となる条件や観点を明確化。

検証結果の活用と今後の取り組み
 両社は今回の共同検証の内容を検証レポートとして、基幹システムにてマルチクラウド構成の採用を検討している企業のIT部門向けに、12月末までに「Qiita」で公開します。さらに最新の「Oracle Database@Azure」*3についても今後検証を行い、お客さまが安心して採用できる選択肢をより多く提供できるよう両社の取り組みを強化します。
 また日立は、今回得られた基幹システムのマルチクラウド環境への移行における知見を、「クラウド&DXオファリング」に反映し、今後も既存システムのモダナイズとデジタル活用による業務革新に向け、構想策定から設計・構築・運用フェーズにわたり貢献していきます。
*3 OCI上で提供されているフルマネージドのデータベースサービスをAzure上でも利用可能にしたもの。オラクル社とマイクロソフト社から2023年9月に発表


  • 日本オラクル株式会社のコメント

 日本オラクル株式会社 執行役員 クラウド事業統括 クラウド・エンジニアリング統括 吉川 顕太郎氏

 日立製作所様と日本オラクルは、長年にわたりそれぞれの製品技術を適用する共同検証プロジェクトを進めてまいりましたが、この度の「Oracle Cloud Infrastructure - Azure連携の共同評価」を完遂できたことを、心より感謝いたします。
 この検証により日立製作所様のお客様が基幹システムのマルチクラウド移行を検討される際、オンライントランザクション処理では性能面で遜色ないことを証明いただくなど、Oracle Interconnect for Azure、Oracle Database Service for Azureのどちらを選択するべきかユースケースを明確にしていただけました。これは実案件を鑑みた検証であり、マルチクラウド移行を検討されるお客様の大きな道標となると考えられます。
 今後、日立製作所様がお客様の基幹システムを適材適所のマルチクラウド環境へ移行されるご支援にあたって、今回の検証結果を適用して推進いただけることを大いに期待しています。


  • 関連Webサイト

・日立のパートナークラウド:Oracle Cloud Infrastructure
 https://www.hitachi.co.jp/products/it/harmonious/cloud/partner/index.html?pr1110
・日立のクラウド&DXオファリング
 https://www.hitachi.co.jp/products/it/CloudDX/index.html?pr1110
・日立のOracle関連サイト
 https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/oracle/index.html?pr1110
・「Qiita」のWebサイト
 https://qiita.com/


  • 商標注記

・Oracle、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle Corporation、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
・Microsoft、Windows、Azure は、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
・Windows の正式名称は、Microsoft Windows Operating System です。
・その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。


  • 本件に関するお問い合わせ先

株式会社日立製作所 クラウドサービスプラットフォームビジネスユニット デジタルプラットフォーム事業部
お問い合わせフォーム:https://www.hitachi.co.jp/it-pf/inq/NR/               
                           
以上

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会社概要

株式会社 日立製作所

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URL
http://www.hitachi.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号
-
代表者名
小島 啓二
上場
東証1部
資本金
-
設立
1920年02月