“がん治療の効果”を血液検査で超速診断するセルスペクト株式会社に投資を実行
ミライドア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役会長兼社長:澤田 大輔、以下「ミライドア」)は、ミライドア Tohoku株式会社が盛岡市等と共同で設立したTohokuライフサイエンス・インパクト投資事業有限責任組合(以下「Tohokuライフサイエンス・インパクトファンド」)より、安価・高精度ながん診断薬の開発に取り組むセルスペクト株式会社(本社:岩手県盛岡市、代表取締役:岩渕 拓也、以下「セルスペクト」)に投資を実行しましたことをお知らせいたします。同ファンドからの出資は、本件合わせて6件となります。
◆投資先企業について
セルスペクトは、産学連携によるバイオマーカー研究を基に、体外診断薬の開発や臨床検査サービスを提供している医療系スタートアップ企業です。新型コロナウイルス感染症拡大時には、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の研究班として、クルーズ船での臨床研究に貢献し、抗原検査キットを開発、第一類医薬品として一般向け(OTC)の承認を取得しました。
このたび、同社は治療中のがん患者の血液から、新しいがん細胞の形態であるCES(Cancer Enucleation Sphere:核を持たず、免疫細胞に囲まれたがん細胞の塊)を発見しました。さらに、このCESが治療の前後で明確に数値が変化することも明らかにしました。CESは、治療によって弱まったがん細胞が免疫細胞により処理される途中の状態と考えられ、がん治療の効果を迅速かつ直接的に評価できる新しい血液検査(リキッドバイオプシー)マーカーとして期待されています。
従来のリキッドバイオプシーでは、CTC(循環腫瘍細胞)という血液中を循環するがん細胞を検出する検査法が知られていましたが、この方法は高額(10万円〜50万円)で検査プロセスも複雑なため、一般的な医療機関での導入が難しい状況でした。一方、CESは血液中に多く存在し、簡単に見分けられるため、高額な設備や特殊技術を必要としません。同社は、一般的な医療機関がすでに持っている設備で手軽に検査できるようCES診断薬を開発しており、現在、その実用化に向けた臨床試験が進行中です。
CES診断薬が実現すれば、これまで数週間かかっていた治療効果の評価が数日以内に短縮可能になります。これにより治療精度が向上し、がん治療に伴う身体的・経済的な負担の軽減が期待されています。
国内のがん患者数は増加傾向にあり、同時に治療法の進歩により生存率も向上しています。これまでの診断技術は、主に治療前の早期発見や個別化診断に焦点が当たっていましたが、CESのように治療中・治療後の効果をリアルタイムで評価できる新しい指標は、医療現場において非常に貴重であり、且つがん個別化医療の時代を踏まえた、社会的インパクトが高い事業であることから、今回の投資に至りました。



商号 |
セルスペクト株式会社 |
代表取締役 |
岩渕 拓也 |
本社所在地 |
岩手県盛岡市北飯岡2丁目4番23号 |
設立日 |
2014年4月 |
URL |
◆Tohokuライフサイエンス・インパクトファンドについて

名称 |
Tohokuライフサイエンス・インパクト投資事業有限責任組合 |
設立日 |
2024年5月15日 |
出資者 |
盛岡市、株式会社岩手銀行、株式会社北日本銀行、株式会社東北銀行 株式会社カガヤ建設、岩手県信用保証協会、アルプスアルパイン株式会社、 ミライドア Tohoku株式会社 |
投資実績 |
本件投資実行により合計6社 |
◆ミライドア Tohoku株式会社について
盛岡市に所在する独立系ベンチャーキャピタルです。地域金融機関と連携した東北各地での「地方創生ファンド」の運営とインキュベーション施設(盛岡市産業支援センター)の受託運営を行っています。投資実行後についても、長期継続的な経営支援を行っています。
<会社情報>

会社名 |
ミライドア Tohoku株式会社 |
W E B |
|
設立日 |
2015年8月3日(ミライドア Tohoku運営開始日 2018年10月1日) |
所在地 |
岩手県盛岡市大通3丁目6番12号 開運橋センタービル3階 |
代表者 |
代表取締役社長 小川 淳 |
その他 |
ミライドア株式会社 100%子会社 |
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