「SRHR for JAPAN #一億人のためのSRHR」キャンペーンを開始
性的同意 「学習したことがない」 82%〜キャンペーン第一弾「性的同意チェック」を7月30日(水)より展開
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区、理事長:池上清子、以下プラン)は、日本におけるSRHR(性と生殖に関する健康と権利)の実現を目指して、他団体、専門家、企業、行政など多様なステークホルダーと連携し、2025年7月30日より「SRHR for JAPAN #一億人のためのSRHR」キャンペーンを開始します。制度・教育・文化の3つの側面からSRHRを取り巻く課題解決を目指す本キャンペーンにおける取り組みの第一弾として、性をめぐる同意を学ぶ「性的同意チェック」を展開します。

SRHR(性と生殖に関する健康と権利)とは、私たち一人ひとりが、自分の心と身体、そして人生や人間関係について、正しい情報にアクセスし、自分の意志で選び、決定できる権利のことです。例えば、自分の身体や性に関する正しい知識を得ること、望まない妊娠や性暴力から守られること、誰を好きになり、どう生きるかを自分で決めること、妊娠・出産・避妊について安心して選択できること、こうした基本的な「選ぶ自由」と「尊重される権利」は、すべてSRHRの一部となります。
「SRHR for JAPAN」では、誰もが自分の人生を、自分の手で選び取ることのできる社会の実現を目指し、今後4年間にわたり、活動してまいります。
現在の日本社会では、SRHRが十分に実現されておらず、その結果として多くの深刻な問題が生じています。具体的には、性に関する正しい知識が広まっていないことや、性と生殖の選択に関わる権利が制限されることで、性別や性的指向を理由とした差別や不平等が根強く存在しています。女性やLGBTQ+の人々が自身の身体や生き方に関する自由な選択を行うことが困難である状況や、社会的偏見による孤立などの問題が依然として解消されていません。
また、性暴力は重大な社会問題でありながら、十分な対策が講じられていない現状があります。
被害者が声を上げにくい環境もあり、性的同意の重要性も十分に認識されていません。
さらに、医療サービスへのアクセスが不十分なことも深刻な課題です。安全な避妊方法や緊急避妊薬(アフターピル)、性感染症の予防や治療、人工妊娠中絶 や妊娠・子育てに関するサポートを受けるための医療が、経済的・地理的な制約によって利用しにくい状況が続いています。
適切な性教育や医療を受けられないことから、特に弱い立場に置かれた人々の予期しない妊娠や性感染症のリスクが増加し、教育機会や雇用の不安定化に繋がりやすいという悪循環が生まれています。
SRHRが実現されていないことは、差別や不平等から貧困まで、複雑かつ多岐にわたる社会問題を生み出しており、根本的な対策と認識の向上が求められています。
■キャンペーン第一弾は、性的同意の知識を学ぶ「性的同意チェック」を展開
「SRHR for JAPAN」が今年4月に実施した調査(※)では、日本のSRHR認知率は25%、理解は9%にとどまり、極めて低い水準であることが明らかになりました。また、SRHRを「重要」と捉える人が多い一方で、「尊重されている」と実感している人は少なく、意識と現実との間に大きなギャップが存在しています。特に、「性的同意」に関しては、約90%が大切だと回答したにもかかわらず、学習経験がある人は18%、毎回同意が取れていると自信を持つ人は30%未満という結果となり、意識が実践に結びついていない実態が浮き彫りとなりました。
こうした結果を受け、本キャンペーンでは、性的同意を「難しい」「知識不足」と感じさせるものではなく、対話や学びのきっかけを提供するツールとして、「問題をチェック形式で出題し、解説を通じて理解を促す」という形式を取ることにしました。
チェックという形式で、誰もが気軽に参加でき、答えを模索しながら学んでいけるものを目指しています。
具体的には、事態に直面した際に適切に対応するための準備となる具体例を知り、その後で各回答に対する解説とともに、性的同意の相互的・継続的な理解を深めていただくことを想定しています。
テストは、ウェブサイトで参加できるほか、8月18日(月)より、性を学びたい10代が多く集まる渋谷の街中を試験会場に見立て、ポスターによる問題掲出を実施します。
この取り組みを通じ、「重要だと知っているけれど、どう行動すればよいかがわからない」という人々の現状に寄り添い、情報発信と行動への橋渡しを担いたいと考えています。

● 調査レポート「SRHR white paper 2025」 URL:https://srhrforjapan.com/whitepaper/2025whitepaper_1.pdf
●「性的同意チェック」 URL: https://srhrforjapan.com/special/
【「性的同意チェック」とは】
「性的同意チェック」は専門家の監修のもと、SRHRのうち「からだのプライバシー権」や「性的な行為をするか、しないかの自由・選択権」などの要素を内包した全10問からなる性的同意に関するチェックリストです。今後訪れるかもしれない場面に備えるべく、本模擬試験を通じて、自分を守るだけでなく、他者を思いやる行動につなげていくきっかけになれば幸いです。
【チェック内容 一例】
問1. 次の文章で性的同意にあたるものを答えよ。
A)相手が嫌と言わないからキスをした
B)以前に一度同意をしたのでその後は流れに任せた
C)パートナーに今の気分を聞いてみた
問2. 相手の家に泊まることや、部屋でふたりきりになるのは性行為もOKのサイン。
A)はい B)いいえ
問3. 夫婦やパートナーであっても毎回、性的同意をとる必要がある。
A)はい B)いいえ




■「SRHR for JAPAN」について
「SRHR for JAPAN」は、多くのステークホルダーとの連携のもと運営するプロジェクトです。

【ステートメント】
未来を選べること。それが、あたりまえの社会であってほしい。
たとえば、いつ・どこで・誰を好きになるか。どんな働き方をしたいか、
どんな家族や関係を築きたいか、そして、どんなふうに生きていたいか--。
こうした問いに向き合いながら、自分の心や身体、大切な人との関係、
そして一人ひとりの権利について学び、語り合い、お互いの違いや選択を尊重し合うこと。
私たちは、誰もが自分の人生を、自分の手で選び取ることのできる社会をめざします。
● SRHR for JAPANウェブサイトURL:https://srhrforjapan.com/
【組織概要】
・ 主体団体:公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
・ キャンペーンサポート(国際機関):国連人口基金 駐日事務所(UNFPA Tokyo Representation Office)
・ キャンペーンパートナー(正式連携団体): 公益財団法人アジア人口・開発協会、
公益財団法人ジョイセフ、一般社団法人SRHR Japan
・ キャンペーンブリッジ(強い関与を持つ連携団体):一般社団法人Spring
・ キャンペーンアライ(協力 NGO・専門家ネットワーク):SRHRに取り組むNGO、専門家、
アクティビスト、支援団体
・ キャンペーンエキスパート(専門家・専門団体):産婦人科医、助産師、養護教諭、看護師、
ジェンダー・性教育専門家
・ キャンペーンアライアンス(企業)
*本事業は、シャネル財団の助成を受けて実施されます。
■「国際NGOプラン・インターナショナル」について
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。
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