マンパワーグループ労働白書「2025年 CIOの戦略的展望」を発表

世界9カ国のCIO・CTOなど、1,393人の技術系シニアリーダーを対象に調査を実施

マンパワーグループ

総合人材サービスのマンパワーグループ株式会社 (本社・東京都港区、代表取締役社長:池田 匡弥、以下マンパワーグループ)は、世界9カ国(イスラエル、イタリア、フランス、オランダ、ノルウェー、スペイン、イギリス、カナダ、アメリカ)におけるCIO(最高情報責任者)、CTO(最高技術責任者)などのテクノロジー担当役員480人と、ITに関する意思決定者913人、計1,393人を対象に、今後のIT部門の役割や経営への影響力を多角的に検証した労働白書「2025年 CIOの戦略的展望」を発表します。

テクノロジーが変革する「働く世界」とCIOの役割とは?

テクノロジーの進化が加速する中、企業の競争力はテクノロジー活用に大きく左右されるようになっています。近年、CIOには、従来のIT管理を超え、ビジネス戦略を支える存在としての役割が期待されるようになりました。一方で、社内の変化への抵抗、IT人材不足、全社的なデジタルスキルの底上げといった課題も、複雑さを増しています。こうした環境変化の中、CIOの責務と影響力に注目が集まっています。

調査結果(サマリー)

  • 2025年のIT戦略において、CIOが直面する最大の課題はサイバーセキュリティであり、77%の企業が関連予算を増加予定と回答しました。また、クラウドインフラ(68%)やAI技術(67%)への投資も加速しています。

  • 一方で、76%の企業が必要なスキルを持つIT人材の確保に苦戦しており、52%のテクノロジーリーダーは既存の職務にAIスキルを導入する取り組みを進めています。

  • デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、IT部門外ではCOO(最高執行責任者)との連携が最も重要視されており、高い成果を上げるITチームほど顧客中心の視点を重視していることが明らかになりました。

高まるサイバーセキュリティリスク

2025年、サイバーセキュリティベンチャーズ社の調査によると、テクノロジー関連の企業の77%が、サイバーセキュリティ予算の増加を計画していると報告しています。一方で、テクノロジー関連の組織ではサイバー脅威への対応方針が統一されておらず、リスク戦略がサイバーセキュリティの実態と高いレベルで整合していると回答した割合は37%にとどまりました。また、サイバーセキュリティ技術を強化しても、すべての従業員がその技術を十分に活用できるとは限りません。新技術の導入が従業員の活用状況と十分に一致していると答えた割合も30%未満でした。

産業界では、長らくサイバーセキュリティへの意識が低い状態にありました。1970~80年代に産業拠点が整備された当時は、クローズドな専用システムが主流で、外部からの攻撃を受けにくい環境でした。しかし、ここ10年で状況は劇的に変化し、産業拠点の脆弱性が明らかになりました。その結果、大規模なアップグレードと変革プログラムが実施されています。― フランスのCIO

AIイノベーションの継続的推進

既存職務にAIスキルを取り入れる動きが広がる中、AIの活用には段階的かつ現実的なアプローチが求められています。
現時点では、全体のわずか37%のCIOしか生成AIを特定の用途で価値を発揮するソリューションと見なしていないものの、多くの組織は、調査段階(33%)または実装段階(27%)にあり、活用に向けた取り組みを進めています。
AIイノベーションが進展する中、より多くのテクノロジーリーダーがその影響を考慮し始めています。約5人に1人(18%)がAIの倫理的影響に懸念を抱いており、AIシステムが透明性とバイアスを排除した公正性を十分に確保できていると考える回答者は、わずか20%に過ぎませんでした。
今後、企業が「エージェンティックAI」のような高度なツールを導入し始めるにつれ、こうした取り組みの重要性はさらに高まるでしょう。

主要なステークホルダーの賛同を得る

CIOの成功には、COOとの連携が最重要と答えた割合が45%である一方で、IT部門外の上層部が「CIOの役割を十分に理解していない」とする声も56%に上り、説明責任と共感力を伴うリーダーシップが求められています。
CIOは、取り組みへの迅速な承認を得ることや、組織内の縦割り構造を克服することなど、社内の障害に頻繁に直面しています。
ITチーム内では、CIOはCTO(最高技術責任者、45%)とCISO(最高情報セキュリティ責任者、41%)との関係を最も重要なパートナーシップと見なしています。また、AI導入を全社規模で拡大している企業のCIOは、CTOとの関係をさらに重視する傾向があり、その割合は66%に上ります。

「2025年に、最も重要なスキルは共感力だと思います。私たちはテクノロジーをビジネスでどう活用するかを日々学んできました。それが私たちの役割です。しかし、現在のビジネスが直面している不安定な状況や課題を考えると、共感力は、同僚だけでなく、パートナー、サプライヤー、さらには広範なコミュニティに対しても欠かせないものです。あらゆる意思決定において、共感とインクルージョン(包摂)を基盤に行動することこそ、私たちが決して忘れてはいけないスキルです。」― イギリスのデジタルテクノロジーおよびデータ担当ディレクター

テクノロジーリーダーが今取り組むべき7つの優先事項

以下の施策は、ITリーダーが高い成果を生み出すチームを構築し、組織の成熟度を高めていく上で重要な役割を果たします。

  1. サイバーセキュリティは、単なる技術的な課題ではありません。
    サイバー脅威を把握し適切に対応するには、人々の力が不可欠であることを認識しましょう。

  2. AIに即時の成果を期待し過ぎないようにしましょう。
    現時点でのAIの能力を的確に見極めたうえで、AIを活用したビジネス課題の解決策を模索し、試行的な取り組みや投資を進める柔軟な姿勢が求められます。

  3. 人事部門と緊密に連携しましょう。
    従来のIT採用の枠にとらわれず、関連するスキルを持ち、成長や学習の意欲があり、リアルタイムでスキルアップに取り組める人材かどうかを見極めることが大切です。

  4. AI関連スキルを組み込むことで、既存のIT部門の業務を再構築しましょう。
    特に、AIガバナンスや倫理的側面を考慮したAIスキルの導入が重要です。また、新たな業務の試験的導入や改善に向け、チームの意見を積極的に反映させましょう。

  5. IT人材に包括的な研修を提供しましょう。
    ハードスキルだけでなく、対面研修や実務を通じたトレーニングを組み合わせることで、共感力、外交的対応力、説得力、協働による問題解決力といったソフトスキルの向上を図ることができます。

  6. 変化への適応を阻む、社内の抵抗感や不安を軽減しましょう。
    現実的でストレスの少ない導入計画を立て、新システムの利点を積極的に伝えることが重要です。

  7. 投資計画には省エネルギー型データセンターや持続可能な技術の導入を組み込みましょう。
    これらの技術は、ROI(費用対効果)を定期的に測定することで、迅速な投資回収が可能となり、さらなる革新的なソリューションへの投資を後押しする材料になります。

マンパワーグループ労働白書「2025年 CIOの戦略的展望:テクノロジーリーダーの最優先課題」

詳細は、こちらのURLからご確認ください。
URL:https://www.manpowergroup.jp/company/r_center/w_paper/

マンパワーグループ Experis(エクスペリス)について

ManpowerGroup®のブランドのひとつであるExperis®は、IT分野に特化したプロフェッショナル人材、プロジェクトソリューションを中心としたサービスを提供するグローバルリーダーです。デジタルトランスフォーメーションによって、テクノロジー分野における深刻な人材不足が続く中、ITに関するテクニカルスキルとビジネスの成功に欠かせないソフトスキルを併せ持つ人材をご紹介します。エクスペリスアカデミーでは、幅広い分野の教育機関や企業・組織と連携し、即戦力となるスキルを習得するためのカリキュラムを構成しています。
URL:https://www.experis.jp/

マンパワーグループ株式会社について

ManpowerGroup®は、組織を成功に導く「人材」の採用、評価、育成、管理に関わる総合人材サービスを提供しています。75年にわたり、世界70カ国・地域で、ManpowerGroup®ブランドのManpower®、Experis®、Talent Solutions®を通じて、変化する働く世界の組織変革を継続的に支援してきました。ダイバーシティ&インクルージョンの観点から、最も働きやすい企業として多様性が評価されています。マンパワーグループは、2025年に16回目となる「世界で最も倫理的な企業」の1社に選ばれました。
ホームページURL:https://www.manpowergroup.jp/

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会社概要

マンパワーグループ株式会社

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URL
http://www.manpowergroup.jp
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区芝浦3-1-1 田町ステーションタワー 30階
電話番号
03-4531-2937
代表者名
池田 匡弥
上場
海外市場
資本金
40億円
設立
1966年11月