小学校入学前に身につけてほしい力は「あいさつ」「えんぴつを正しく」「あきらめずに挑戦する」 ~「子ども自身が考えるよううながす」保護者からの働きかけが、小学校学習の基盤を作る~
幼児期から小学1年生の家庭教育調査
小学校入学前に身につけてほしい力は
「あいさつ」「えんぴつを正しく」「あきらめずに挑戦する」
~「子ども自身が考えるよううながす」保護者からの働きかけが、小学校学習の基盤を作る~
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株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市、以下ベネッセ)の社内シンクタンク「ベネッセ次世代育成研究所」では、2012年1~2月に、3歳児から小学校1年生までの子どもをもつ母親5,016名を対象に、「幼児期の家庭教育調査」を実施しました。「幼児教育」は、家庭教育と幼稚園・保育園の双方で担われるものですが、今回の調査は「家庭教育」に着目したものです。
今回、小学校入学以降の学習生活に適応するために必要となる幼児期の学習準備として、以下の3つの項目を設定し、各年齢でこれらの項目が身についているのか否かを調査しました。また、保護者のどのような関わりが子どもの学習準備に影響を与えるのかを明らかにしました。
<幼児期の学習準備>
1.「生活習慣」= トイレ、食事、あいさつ、片づけなど生活していくために必要な習慣
2.「学びに向かう力」= 自分の気持ちを言う、相手の意見を聞く、物事に挑戦しようとする、等
自己主張・自己統制・協調性・好奇心に関係する力
3.「文字・数・思考」= 文字や数の読み書き、順序の理解など、幼児期から小学校段階での学習に関係する力
主な調査結果は以下の通りとなります。
①小学校入学までに、「あいさつ」「えんぴつを正しく持つ」「あきらめずに挑戦」ができていてほしい
小1生の子を持つ母親が振り返ったとき、「子どもが小学校入学までに身につけてほしいもの」は、「生活習慣」面では「あいさつやお礼を言える」(36.4%)、「文字・数・思考」面では「えんぴつを正しく持てる」(44.6%)、「学びに向かう力」面では「物事をあきらめずに挑戦する」(31.1%)が、それぞれの最上位に挙がった。 ※「生活習慣、学びに向かう力」18項目より3つ、「文字・数・思考」11項目より3つを選択する形式。
②小学校入学までに、「文字・数・思考」の力は伸びていくが、「学びに向かう力」は必ずしも伸びない
年少児~小1生の子を持つ母親に自分の子どもができることを尋ねたところ、「文字・数・思考」については、子どもの年齢が上がるにつれ「できる」という割合が増える傾向で、例えば、「かな文字を読める」「長さや高さの比較ができる」(文字・数・思考)は、年長では9割に達する。一方、「生活習慣」や、「学びに向かう力」については、必ずしもそのような傾向はなく、例えば、「片づけ」(生活習慣)、「あきらめずに挑戦する」(学びに向かう力)が「できる」のは、年長児でも6~7割に留まる。
③「生活習慣」が定着している子どもは、「文字・数・思考」「学びに向かう力」がより高い
年長児において、「生活習慣」が身についている子と、身についていない子を比較した場合、「自分のことばで順序を立ててわかるように話せる」(文字・数・思考)の割合は、前者で92.3%、後者で75.0%と差が出る。同様に、「あきらめずに挑戦する」(学びに向かう力)ができる割合も、前者で83.5%、後者で53.3%と差が出る。
④母親の「子ども自身に考えさせる」うながしが多いほど、「文字・数・思考」「学びに向かう力」は伸びる傾向にある
年長児において、母親が「子ども自身が考えられるようにうながす」が「ある」ケースと「ない」ケースを比較した場合、「数を足したり引いたりすることができる」(文字・数・思考)の割合は前者で90.7%、後者で73.8%と差が出る。同様に、「あきらめずに挑戦する」(学びに向かう力)ができる割合も、前者で80.5%、後者で53.8%と差が出る。
⑤幼児期に集中・興味・質問の経験が多いほど、小1時の学習への積極性が高い傾向にある
小1時の振り返りで幼児期に文字・数に親しむ習慣が高かった場合、小1時に「勉強が終わるまで集中」は72.0%、低かった場合は48.7%と差が出る。同様に、幼児期に「好きなことに集中」「わからないことを質問」していた場合も、小1時に「勉強が終わるまで集中」は65.2%、していなかった場合は44.4%と差が出る。 ※「好きなことに集中して遊んでいた」「生き物や植物に興味をもっていた」「わからないことについて、まわりに質問していた」の3つの問いをまとめて、「幼児期の集中・興味・質問の経験」として算出した。
今回の調査からは、小学校での学習生活に必要となる「生活習慣」「学びに向かう力」「文字・数・思考」の3つの項目のうち、「生活習慣」「学びに向かう力」については、必ずしも年齢が上がるとともに身につくとは限らない、という傾向がわかりました。
このうち、「生活習慣」は、ほかの2つの分野「学びに向かう力」「文字・数・思考」との相関関係が見られます。生活習慣は、小学校での学習生活に必要な力をつける、すべての基盤になると考えられるので、まず親は子どもが生活習慣をきちんと身につけるよう働きかけることが必要と考えます。
また、「文字・数・思考」「学びに向かう力」については、親が「子ども自身が考えられるよううながす」ことで、「できる」割合が増えることがわかりました。親は子どもに、すぐに手をさしのべ、答えを教えてしまうのではなく、子どもが自分の力で考えられるような接し方をすることで、子どもの力を育んでいくことが重要と考えます。
「子ども自身が考えられるよううながす」ことは、「親が子どもの言葉を聞いて応答する=子どもを認める」ことから始まります。仕事を持つ母親は、子どもとの接触時間は限られますが、子どもの「今日あった出来事を聞く」ことなど、コミュニケーションをとる姿勢が大切といえます。
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・調査テーマ
幼児期から小学校1年生までの子どもの学びの様子と、親のかかわりや意識
・調査方法
郵送法(自記式アンケートを郵送により配布・回収)
・調査時期
2012年1月~2月
・調査対象
年少児~小学1年生の子どもを持つ母親5,016名
※配布数14,000通、回収率35.8%
※子どもの年齢別の内訳は、年少児1,366名、年中児1,223名、年長児1,125名、小1生1,285名、無答不明17名。
※“年少児”は3歳児クラス、“年中児”は4歳児クラス、“年長児”は5歳児クラスに通う年齢の子どものことを表している。
・調査地域
全国
・調査項目
子どもの生活時間/子どもの学習準備/幼児期の振り返り/母親のかかわり/母親の教育観/父親の役割分担/園・小学校の満足度/習い事/読み聞かせ など
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ベネッセ次世代育成研究所のホームページから本調査の詳しいレポートをダウンロードできます。
http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_22.html
【ベネッセ次世代育成研究所】
日本では少子高齢化、核家族化、女性の社会進出等、社会環境の変化が加速し、家族のあり方や親子関係を含めた子どもの成育環境に大きな変化が起こっています。このような中、ベネッセ次世代育成研究所は、個人や家族の生活視点を大切にしながら、子どもや家族が「よく生きる」ための調査研究を行っています。
ベネッセ次世代育成研究所
http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/
「幼児期の家庭教育調査」の詳しいレポートをダウンロードできます。
http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_22.html
小学校入学前に身につけてほしい力は
「あいさつ」「えんぴつを正しく」「あきらめずに挑戦する」
~「子ども自身が考えるよううながす」保護者からの働きかけが、小学校学習の基盤を作る~
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株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市、以下ベネッセ)の社内シンクタンク「ベネッセ次世代育成研究所」では、2012年1~2月に、3歳児から小学校1年生までの子どもをもつ母親5,016名を対象に、「幼児期の家庭教育調査」を実施しました。「幼児教育」は、家庭教育と幼稚園・保育園の双方で担われるものですが、今回の調査は「家庭教育」に着目したものです。
今回、小学校入学以降の学習生活に適応するために必要となる幼児期の学習準備として、以下の3つの項目を設定し、各年齢でこれらの項目が身についているのか否かを調査しました。また、保護者のどのような関わりが子どもの学習準備に影響を与えるのかを明らかにしました。
<幼児期の学習準備>
1.「生活習慣」= トイレ、食事、あいさつ、片づけなど生活していくために必要な習慣
2.「学びに向かう力」= 自分の気持ちを言う、相手の意見を聞く、物事に挑戦しようとする、等
自己主張・自己統制・協調性・好奇心に関係する力
3.「文字・数・思考」= 文字や数の読み書き、順序の理解など、幼児期から小学校段階での学習に関係する力
主な調査結果は以下の通りとなります。
①小学校入学までに、「あいさつ」「えんぴつを正しく持つ」「あきらめずに挑戦」ができていてほしい
小1生の子を持つ母親が振り返ったとき、「子どもが小学校入学までに身につけてほしいもの」は、「生活習慣」面では「あいさつやお礼を言える」(36.4%)、「文字・数・思考」面では「えんぴつを正しく持てる」(44.6%)、「学びに向かう力」面では「物事をあきらめずに挑戦する」(31.1%)が、それぞれの最上位に挙がった。 ※「生活習慣、学びに向かう力」18項目より3つ、「文字・数・思考」11項目より3つを選択する形式。
②小学校入学までに、「文字・数・思考」の力は伸びていくが、「学びに向かう力」は必ずしも伸びない
年少児~小1生の子を持つ母親に自分の子どもができることを尋ねたところ、「文字・数・思考」については、子どもの年齢が上がるにつれ「できる」という割合が増える傾向で、例えば、「かな文字を読める」「長さや高さの比較ができる」(文字・数・思考)は、年長では9割に達する。一方、「生活習慣」や、「学びに向かう力」については、必ずしもそのような傾向はなく、例えば、「片づけ」(生活習慣)、「あきらめずに挑戦する」(学びに向かう力)が「できる」のは、年長児でも6~7割に留まる。
③「生活習慣」が定着している子どもは、「文字・数・思考」「学びに向かう力」がより高い
年長児において、「生活習慣」が身についている子と、身についていない子を比較した場合、「自分のことばで順序を立ててわかるように話せる」(文字・数・思考)の割合は、前者で92.3%、後者で75.0%と差が出る。同様に、「あきらめずに挑戦する」(学びに向かう力)ができる割合も、前者で83.5%、後者で53.3%と差が出る。
④母親の「子ども自身に考えさせる」うながしが多いほど、「文字・数・思考」「学びに向かう力」は伸びる傾向にある
年長児において、母親が「子ども自身が考えられるようにうながす」が「ある」ケースと「ない」ケースを比較した場合、「数を足したり引いたりすることができる」(文字・数・思考)の割合は前者で90.7%、後者で73.8%と差が出る。同様に、「あきらめずに挑戦する」(学びに向かう力)ができる割合も、前者で80.5%、後者で53.8%と差が出る。
⑤幼児期に集中・興味・質問の経験が多いほど、小1時の学習への積極性が高い傾向にある
小1時の振り返りで幼児期に文字・数に親しむ習慣が高かった場合、小1時に「勉強が終わるまで集中」は72.0%、低かった場合は48.7%と差が出る。同様に、幼児期に「好きなことに集中」「わからないことを質問」していた場合も、小1時に「勉強が終わるまで集中」は65.2%、していなかった場合は44.4%と差が出る。 ※「好きなことに集中して遊んでいた」「生き物や植物に興味をもっていた」「わからないことについて、まわりに質問していた」の3つの問いをまとめて、「幼児期の集中・興味・質問の経験」として算出した。
今回の調査からは、小学校での学習生活に必要となる「生活習慣」「学びに向かう力」「文字・数・思考」の3つの項目のうち、「生活習慣」「学びに向かう力」については、必ずしも年齢が上がるとともに身につくとは限らない、という傾向がわかりました。
このうち、「生活習慣」は、ほかの2つの分野「学びに向かう力」「文字・数・思考」との相関関係が見られます。生活習慣は、小学校での学習生活に必要な力をつける、すべての基盤になると考えられるので、まず親は子どもが生活習慣をきちんと身につけるよう働きかけることが必要と考えます。
また、「文字・数・思考」「学びに向かう力」については、親が「子ども自身が考えられるよううながす」ことで、「できる」割合が増えることがわかりました。親は子どもに、すぐに手をさしのべ、答えを教えてしまうのではなく、子どもが自分の力で考えられるような接し方をすることで、子どもの力を育んでいくことが重要と考えます。
「子ども自身が考えられるよううながす」ことは、「親が子どもの言葉を聞いて応答する=子どもを認める」ことから始まります。仕事を持つ母親は、子どもとの接触時間は限られますが、子どもの「今日あった出来事を聞く」ことなど、コミュニケーションをとる姿勢が大切といえます。
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・調査テーマ
幼児期から小学校1年生までの子どもの学びの様子と、親のかかわりや意識
・調査方法
郵送法(自記式アンケートを郵送により配布・回収)
・調査時期
2012年1月~2月
・調査対象
年少児~小学1年生の子どもを持つ母親5,016名
※配布数14,000通、回収率35.8%
※子どもの年齢別の内訳は、年少児1,366名、年中児1,223名、年長児1,125名、小1生1,285名、無答不明17名。
※“年少児”は3歳児クラス、“年中児”は4歳児クラス、“年長児”は5歳児クラスに通う年齢の子どものことを表している。
・調査地域
全国
・調査項目
子どもの生活時間/子どもの学習準備/幼児期の振り返り/母親のかかわり/母親の教育観/父親の役割分担/園・小学校の満足度/習い事/読み聞かせ など
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ベネッセ次世代育成研究所のホームページから本調査の詳しいレポートをダウンロードできます。
http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_22.html
【ベネッセ次世代育成研究所】
日本では少子高齢化、核家族化、女性の社会進出等、社会環境の変化が加速し、家族のあり方や親子関係を含めた子どもの成育環境に大きな変化が起こっています。このような中、ベネッセ次世代育成研究所は、個人や家族の生活視点を大切にしながら、子どもや家族が「よく生きる」ための調査研究を行っています。
ベネッセ次世代育成研究所
http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/
「幼児期の家庭教育調査」の詳しいレポートをダウンロードできます。
http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_22.html
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