口唇ヘルペス再発経験者の78.3%が「秋に症状悪化」と回答、年4回以上再発する人の63.7%が未受診のまま

夏の紫外線と疲労蓄積が秋の再発を誘発|抗ウイルス薬による早期治療と再発抑制療法の実態調査

医療法人社団鉄結会

【結論】本調査のポイント 

結論から言うと、唇にできる水ぶくれの多くは単純ヘルペスウイルスによる口唇ヘルペスです。市販薬でも軽症なら対処可能ですが、年に3回以上再発する方、症状が広範囲に及ぶ方は皮膚科を受診し、抗ウイルス薬による治療や再発抑制療法を検討すべきです。今回の調査では、秋に再発を経験する人の多くが夏場の紫外線ダメージと疲労蓄積を原因としており、適切な予防と早期治療で再発頻度を大幅に減らせることがわかりました。

・口唇ヘルペス再発経験者の78.3%が「9〜11月の秋季に症状が出やすい」と回答

・年4回以上再発する人のうち63.7%が「病院を受診したことがない」と判明

・抗ウイルス薬治療経験者の82.0%が「市販薬より治りが早い」と実感用語解説

用語解説

■ 口唇ヘルペスとは

口唇ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の感染により、唇やその周辺に水ぶくれや赤い発疹が生じる皮膚疾患である。一度感染すると神経節にウイルスが潜伏し、免疫力低下時に再活性化して繰り返し発症する特徴を持つ。日本人の約70〜80%が感染しているとされ、多くは無症状だが、疲労・ストレス・紫外線などをきっかけに再発する。

■ 抗ウイルス薬(抗ヘルペスウイルス薬)とは

抗ウイルス薬とは、ウイルスの増殖を抑制する医薬品である。口唇ヘルペスの治療にはアシクロビルやバラシクロビルなどが用いられ、内服薬と外用薬がある。発症初期に服用することでウイルスの増殖を抑え、症状の悪化を防ぎ治癒を早める効果がある。

■ 再発抑制療法(PIT療法)とは

再発抑制療法とは、ヘルペスの再発を繰り返す患者に対して、予防的に抗ウイルス薬を処方・服用する治療法である。前駆症状(チクチク・ピリピリ感)を感じた時点で患者自身の判断で服薬を開始するPIT療法や、毎日少量を継続服用する方法があり、再発頻度と重症度を軽減できる。

口唇ヘルペスの治療法比較(市販薬 vs 処方薬)

比較項目

市販薬(外用薬)

処方薬(内服抗ウイルス薬)

主な成分

アシクロビル・ビダラビン

バラシクロビル・アシクロビル

効果の発現

局所のみに作用

全身に作用しウイルス増殖を抑制

治癒までの期間

7〜14日程度

5〜7日程度

再発予防効果

なし

PIT療法で再発頻度軽減可能

費用目安

1,000〜2,000円(自費)

1,500〜3,000円(保険適用3割負担)

使用条件

再発時のみ(初発は使用不可)

初発・再発とも使用可能

※一般的な目安であり、個人差があります。

アイシークリニック(医療法人社団鉄結会、新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、口唇ヘルペスの再発経験がある20〜60代の男女300名を対象に、「秋の口唇ヘルペス再発と治療に関する実態調査」を実施しました。本調査では、夏の紫外線曝露や疲労蓄積が秋の再発に与える影響、再発を繰り返す方の受診行動、そして抗ウイルス薬治療への認知度について調査しました。

調査背景

口唇ヘルペスは日本人の約70〜80%が感染しているとされる非常に身近な疾患です。特に夏場は紫外線による免疫低下、レジャーによる疲労蓄積、そして冷房による乾燥など、ヘルペスウイルスの再活性化を誘発する要因が重なります。その結果、夏の終わりから秋にかけて再発する方が増加します。しかし、「市販薬で対処すれば十分」「たかが唇の水ぶくれ」という認識から受診しない方も多く、適切な治療により再発頻度を抑えられることが十分に知られていません。本調査では、秋に再発が増える背景と、医療機関での治療選択肢について実態を明らかにすることを目的としました。

調査概要

調査対象:過去1年以内に口唇ヘルペスの再発を経験した全国の20〜60代の男女

調査期間:2026年8月17日〜8月26日

調査方法:インターネット調査

調査対象人数:300名

調査結果

【調査結果】約8割が「秋(9〜11月)」に再発を実感 

設問:口唇ヘルペスが最も再発しやすいと感じる季節はいつですか?

約8割が秋に再発しやすいと回答しました。これは夏場に蓄積した紫外線ダメージや疲労、そして季節の変わり目による免疫力低下が重なることが主な要因と考えられます。夏の過ごし方が秋の口唇ヘルペスリスクに直結していることがうかがえます。

【調査結果】「夏の疲れが残っている」が最多の41.7% 

設問:秋に口唇ヘルペスが再発する主な原因として心当たりがあるものは何ですか?(複数回答可・最も当てはまるもの1つ)

「夏の疲れ」と「紫外線ダメージ」を合わせると約7割を占め、夏の過ごし方が秋の再発に大きく影響していることが明らかになりました。紫外線は皮膚の免疫機能を一時的に低下させ、潜伏しているヘルペスウイルスが再活性化しやすくなります。

【調査結果】年4回以上再発する人の63.7%が「受診経験なし」 

設問:口唇ヘルペスの再発頻度と医療機関の受診状況を教えてください。年4回以上再発する方のうち、皮膚科を受診したことがありますか?

再発を繰り返しているにも関わらず、6割以上が医療機関を受診していないことがわかりました。「市販薬で対処できる」という認識や、「どうせまた再発する」という諦めが受診を遠ざけている可能性があります。しかし、抗ウイルス薬の内服やPIT療法により再発頻度を軽減できる選択肢があることを知らない方が多いと推察されます。

【調査結果】7割以上が「市販の外用薬」で対処 

設問:口唇ヘルペスの治療で主に使用しているものは何ですか?

市販の外用薬に頼る方が7割以上を占め、処方薬を使用している方は約14%にとどまりました。市販薬は再発時のみ使用可能であり、初発時や重症例には対応できません。また、内服の抗ウイルス薬と比較して治癒までの期間が長くなる傾向があります。

【調査結果】処方薬使用者の82.0%が「市販薬より治りが早い」と実感 

設問:処方薬(内服抗ウイルス薬)を使用した経験がある方に伺います。市販薬と比較した効果についてどう感じましたか?

処方薬を使用した方の8割以上が効果を実感しています。内服の抗ウイルス薬は全身に作用してウイルスの増殖を抑えるため、外用薬のみの治療と比較して治癒が早く、症状の拡大も防ぎやすい特徴があります。早期に服用を開始するほど効果が高いことも知られています。

調査まとめ

今回の調査から、口唇ヘルペスの再発は夏の紫外線曝露や疲労の蓄積が大きな誘因となり、秋に症状が出やすいことが明らかになりました。しかし、年に何度も再発を繰り返す方の6割以上が医療機関を受診しておらず、市販の外用薬のみで対処している方が7割を超えています。一方で、処方薬を使用した経験者の8割以上が「市販薬より効果を実感」と回答しており、適切な医療機関の受診と抗ウイルス薬治療が症状の早期改善と再発予防に有効であることが示唆されました。口唇ヘルペスは「市販薬で十分」という認識が根強いですが、繰り返す方こそ皮膚科での相談を検討すべきです。

医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師 

皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、口唇ヘルペスは『繰り返すものだから仕方ない』と諦める必要のない疾患です。抗ウイルス薬による早期治療と、再発抑制療法を適切に活用することで、症状の重症化を防ぎ、再発頻度を大幅に減らすことが可能です。

口唇ヘルペスの原因である単純ヘルペスウイルス1型は、一度感染すると生涯にわたり神経節に潜伏します。そのため完全に排除することはできませんが、再発のコントロールは十分に可能です。

今回の調査で「秋に再発しやすい」と約8割が回答していますが、これは夏の紫外線が皮膚のランゲルハンス細胞(免疫細胞)の機能を一時的に低下させること、そして夏の疲労やストレスが蓄積して免疫力が落ちるタイミングと重なるためです。つまり、夏の過ごし方—特に紫外線対策と疲労回復—が秋の再発予防の鍵となります。

治療の基本は抗ウイルス薬の服用です。バラシクロビルやアシクロビルといった内服薬は、ウイルスの増殖を抑え、症状の悪化を防ぎます。重要なのは「前駆症状を感じたら早期に服用する」ことです。チクチク・ピリピリとした違和感を感じた段階で服用を開始すると、水ぶくれが出る前に症状を抑えられることも少なくありません。

年に6回以上再発する方には、再発抑制療法(PIT療法)という選択肢もあります。これはあらかじめ抗ウイルス薬を処方しておき、前駆症状を感じた時点で患者さん自身の判断で服用を開始する方法です。日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも推奨されており、再発頻度と重症度の軽減に有効です。

 

【エビデンス】日本皮膚科学会の単純ヘルペス診療ガイドラインでは、再発性口唇ヘルペスに対する抗ウイルス薬の早期投与が推奨されています。また、年6回以上の再発がある患者には再発抑制療法の検討が推奨されています。皮膚科医としての臨床経験では、PIT療法を導入した患者さんの多くが『発症前に抑えられるようになった』『再発しても軽症で済む』と実感されています。

受診を検討すべき目安

・年に3回以上口唇ヘルペスが再発する

・市販薬を使用しても1週間以上治らない

・水ぶくれが唇以外(目の周り・鼻など)にも広がる

・発熱や強い倦怠感を伴う

・初めて口唇ヘルペスの症状が出た(初発時は市販薬使用不可)

秋の再発を防ぐ夏の過ごし方

・唇への紫外線対策(SPF入りリップクリームの使用)

・夏バテを放置せず十分な休養をとる

・免疫力を維持する規則正しい生活

・ストレスを溜め込まないセルフケア

・前駆症状を感じたら早めに皮膚科を受診

髙桑 康太(たかくわ こうた)医師

皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当

 

専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科

・ミラドライ認定医

 

臨床実績(2024年時点、累計)

・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上

・腋臭症治療:2,000件以上

・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上

 

略歴

・2009年 東京大学医学部医学科 卒業

・2009年 東京逓信病院 初期研修

・2012年 東京警察病院 皮膚科

・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科

・2019年 アイシークリニック 治療責任者

 

 監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

よくある質問(Q&A)

Q1. 唇にできる水ぶくれは口唇ヘルペスですか?他の病気の可能性は?

A. 唇の水ぶくれの多くは口唇ヘルペスですが、口角炎やアレルギー反応の可能性もあるため、症状が続く場合は皮膚科での鑑別が必要です。

口唇ヘルペスは、唇やその周辺にピリピリとした前駆症状の後、赤みと小さな水ぶくれが集まって現れるのが特徴です。本調査では約78%が秋に再発しやすいと回答しており、季節性も診断の参考になります。ただし、口角炎(口角の切れ・ただれ)や接触性皮膚炎など類似の症状もあるため、初めて症状が出た方や判断に迷う方は皮膚科を受診してください。

Q2. 口唇ヘルペスは市販薬で治りますか?病院に行く必要はありますか?

A. 軽症の再発であれば市販薬で対処可能ですが、年に複数回再発する方や重症化する方は処方薬による治療が効果的です。

本調査では71.3%が市販薬で対処していますが、処方薬(内服抗ウイルス薬)を使用した方の82.0%が「市販薬より治りが早い」と実感しています。市販薬は局所にしか作用しませんが、内服薬は全身に作用してウイルスの増殖を抑えるため、治癒が早く症状の拡大も防ぎやすいです。年3回以上再発する方は皮膚科での相談をお勧めします。

Q3. ヘルペスが年に何回も再発するのはなぜですか?治す方法はありますか?

A. ヘルペスウイルスは体内に潜伏し続けるため完治は難しいですが、再発抑制療法により再発頻度を減らすことは可能です。

単純ヘルペスウイルスは一度感染すると神経節に潜伏し、免疫力が低下すると再活性化します。本調査では再発要因として「夏の疲れ」41.7%、「紫外線ダメージ」27.3%が上位でした。年6回以上再発する方には、再発抑制療法(PIT療法)という選択肢があり、前駆症状を感じた段階で抗ウイルス薬を服用することで症状を抑制できます。

Q4. 口唇ヘルペスは人にうつりますか?どのような場面で感染しますか?

A. 口唇ヘルペスは水ぶくれがある時期に接触感染するため、症状がある間はキスや食器の共有を避けることが重要です。

ヘルペスウイルスは、水ぶくれの中に多く含まれています。症状がある間は直接的な接触(キス)や、タオル・食器の共有で感染する可能性があります。特に免疫力が低い乳幼児や高齢者への感染には注意が必要です。かさぶたができて治癒に向かうと感染力は低下しますが、完全に治るまでは注意を続けてください。

Q5. 口唇ヘルペスを早く治すコツはありますか?

A. 前駆症状(ピリピリ・チクチク感)を感じたら、できるだけ早く抗ウイルス薬を服用することが最も効果的です。

口唇ヘルペスは、水ぶくれが出る前の前駆症状の段階で抗ウイルス薬を服用すると、症状の悪化を防ぎやすくなります。本調査で処方薬使用者の82.0%が効果を実感しているように、内服薬は外用薬より早く効果が現れます。また、患部を触らない、刺激の強い食べ物を避ける、十分な睡眠をとるなどのセルフケアも回復を早めます。

放置のリスク

・適切な治療を行わないと治癒に2週間以上かかり、水ぶくれ跡が色素沈着として残ることがある

・免疫力が低下している状態では、ウイルスが目の周りに広がり角膜ヘルペスを引き起こすリスクがある

・新生児や免疫不全の方に感染すると重症化する可能性があるため、症状がある間の接触には注意が必要

こんな方はご相談ください|受診の目安

・年に3回以上口唇ヘルペスが再発する

・市販薬を使用しても7日以上症状が改善しない

・水ぶくれが唇以外の部位(目の周り・鼻・頬)にも広がった

・強い痛みや発熱を伴う

・初めて口唇ヘルペスの症状が出た(初発の場合)

クリニック案内

アイシークリニックの特徴

・皮膚科医による正確な診断と、症状に応じた抗ウイルス薬の処方が可能 ※新宿院皮膚科一般外来のみでの対応となります。

・再発を繰り返す方への再発抑制療法(PIT療法)の相談に対応 ※新宿院皮膚科一般外来のみでの対応となります。

・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で土日祝日も診療

・Web予約・LINE予約で待ち時間を短縮、仕事帰りの受診も可能

アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 One-葵ビル2階

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業種
医療・福祉
本社所在地
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電話番号
03-6276-3870
代表者名
高桑康太
上場
未上場
資本金
-
設立
2016年09月