CEOスタディ 2022「変革を起こす覚悟 ~トップ主導のSXが企業価値を向上させる~」日本語版を公開

サステナビリティーはCEOの最優先課題だが、データからのインサイト不足がアクションを阻む

日本IBM

日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM、本社 東京都中央区、代表取締役社長 山口 明夫)は、IBM Institute for Business Value(IBV)が実施した最新の調査であるCEOスタディ 2022「変革を起こす覚悟 ~トップ主導のSXが企業価値を向上させる~」( https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/c-suite-study/ceo )の日本語版を公開しました。本調査では、サステナビリティーは企業にとって重要な課題であり、CEOはサステナビリティーをビジネス上の使命や、成長の推進力として認識していることが明らかになりました。CEOは取締役会や投資家と向き合い変革を実践しようとしていますが、信頼できるデータからのインサイト不足が、変革推進の妨げとなっています。企業がサステナビリティーを重視した経営方針へ転換するサステナビリティー・トランスフォーメーション(SX)を推進するために、CEOはサステナビリティーとDXを統合することに加え、未来の変化に対応する人財に投資することが求められています。

本調査では、日本の135名のCEOを含む、世界の3,000名以上のCEOを対象に調査を実施し、回答者の約半数(世界のCEOの48%、日本のCEOの44%)が、サステナビリティーを組織の最優先事項と位置づけ、世界のCEOの割合では2021年の37%から増加したことが明らかになりました。また、半数以上(世界のCEOの51%、日本のCEOの68%)が今後2~3年の最大の課題としてサステナビリティーを挙げていますが、その障壁として、データからのインサイト不足、不明確なROI、技術的な障壁を挙げています。さらに、95%のCEOがサステナビリティー戦略の実施について少なくとも試験的な段階であると回答している一方で、4分の1弱(23%)のCEOが組織全体でサステナビリティー戦略を実施していると回答しています。

IBMコンサルティング担当シニア・バイス・プレジデントのジョン・グレンジャー(John Granger)は次のように述べています。「CEOは、戦争、インフレ、人材不足、新型コロナウイルスによるパンデミックなど、かつてないほど複雑な環境の中でリーダーシップを発揮しています。このような困難な状況にもかかわらず、企業はサステナビリティーに積極的に取り組み、現在ではサステナビリティーを最優先事項として位置づける企業が増えています。しかしながら、データとテクノロジーによって戦略と結果のギャップを埋められることを、多くの企業が十分に理解していません」

本調査の主なポイントは以下の通りです。
CEOは、サステナビリティーが業績向上に役立つと考え、その重要性を増していると回答しています。
  • 半数近く(48%)のCEOが、サステナビリティーの向上が今後2~3年の組織における最優先事項の一つであると答えており、2021年のおよそ3分の1から増加しています。
  • 調査対象のCEOの70%近くが、サステナビリティー戦略の策定に直接関与していると回答しました。
  • 80%以上のCEOが、今後5年間にサステナビリティー投資が業績向上をもたらすと考えており、約半数(45%)のCEOは、サステナビリティーがビジネスの成長を加速させると考えています。

ステークホルダーからの圧力は高まっているが、データからのインサイト不足と技術的障壁が課題に
  • 調査対象のCEOの半数以上(51%)が、今後2~3年の最大の課題として、サステナビリティーを挙げています。これは、2021年の32%から上昇し、また、規制強化への対応(50%)、サイバー・リスク(45%)、テクニカル・インフラ(41%)、サプライチェーン混乱(38%)を上回りました。
  • CEOは、取締役会メンバー(72%)から最大の圧力を受けていると回答し、投資家(57%)、エコシステム・パートナー(49%)、規制当局(49%)、政府(46%)がそれに続きました。
  • 回答者の60%近くが、サステナビリティーの目標を達成するための主要な課題として、ROIや財務的なメリットの不明確さを挙げ、次いでデータからのインサイト不足(44%)、規制による障壁(43%)を挙げています。
  • また、35%の回答者が、組織でサステナビリティーを実現するための技術的な障壁を挙げています。

CEOは実践しているが、サステナビリティー戦略が組織全体に浸透していない
  • 回答者によると、CEOのサステナビリティー投資は、過去5年間で売上高に占める割合が2倍以上になっています。
  • 3分の2近く(64%)はサステナビリティー目標を達成できると確信しており、政府が発表したサステナビリティー目標が達成できないと考えるCEOは調査対象の20%に過ぎません。
  • 95%のCEOがサステナビリティー戦略の実施について少なくとも試験的な段階にあると回答している一方で、組織全体でサステナビリティー戦略を実施していると回答したのはわずか4分の1(23%)にとどまりました。

今回の調査結果をもとにIBMは、企業価値向上のためのSXには様々な側面から調和のとれたアクションが求められるため、以下のアクションをCEOに推奨します。
  • 自社のサステナビリティーを巡る課題に対して自らの責務を全うする
  • テクノロジーへ投資し、自社の技術およびデータ基盤とガバナンスを構築・維持する
  • サステナビリティーの推進策の立案・実施において積極的に社員や人財の参加を促す
  • サステナビリティーのマインドセットを醸成し、全社共通の関心事として取り組む
  • エコシステム・パートナーとのコラボレーションの機会を追求する
  • 課題へ十分備え、指標を定めて常に成果を出すことに集中する

調査方法
IBM Institute for Business Value(IBV)はIBM経営層スタディ・シリーズ第25版の一環として、世界43カ国・28業界に及ぶ3,000人のCEOを対象にインタビューを実施した。インタビューのポイントは、リーダーシップに対する各CEOの見方、ビジネスにおける責任と期待、サステナビリティーの動向、課題、取り組み、機会、将来のビジョンなどである。本調査は、2021年にオックスフォード・エコノミクス社(Oxford Economics)の協力の下で、20年以上にわたるIBMの年次のCEOスタディと比較して実施しました。

IBM Institute for Business Valueについて
IBM Institute for Business Value(IBV)は、業界の有識者、第一線の学者、および対象分野の専門家からの専門知識を、グローバルな調査とパフォーマンス・データを組み合わせて、テクノロジーとビジネスの接点にある当社の立場から信頼できるビジネスの洞察を提供しています。IBVのソート・リーダーシップのポートフォリオには、調査の詳細、ベンチマークとパフォーマンスの比較、および地域、業界、テクノロジー全般にわたるビジネスの意思決定をサポートするデータの可視化が含まれています。最新の洞察は、https://www.ibm.com/thought-leadership/jp-ja/institute-business-value/ をご参照ください。

当報道資料は、2022年5月10日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳の一部をもとにしています。原文は下記URLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2022-05-10-IBM-Study-CEOs-Feel-Pressure-to-Act-on-Sustainability-and-See-Business-Benefits,-Yet-Hindered-by-Challenges

以上

IBMおよびIBM ロゴは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、ibm.com/trademarkをご覧ください。

会社概要

URL
https://www.ibm.com/jp-ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号  虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111
代表者名
山口明夫
上場
未上場
資本金
1053億円
設立
1937年06月